H.P.B.著作の和訳を試みる & 関連の話題 blog

ヘレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー (1831年 – 1891年) は、近代神智学を創唱しました。・・・主に彼女の代表作である「シークレット・ドクトリン」の和訳を試みています。

【秘密教義】 第2巻《予備的ノート》−1

  <<1888年に出版された H.P.ブラヴァツキー の著作>>

  H.P.ブラヴァツキー の著作であるシークレット・ドクトリンの日本語訳は昨年(2017年)12月に第2巻・第1部が竜王文庫・源忠氏翻訳で発売されています、抄訳では、東條氏の『シークレット・ドクトリンを読む』が既に出版されていて、高額な中古本となっています。 

 今回、シークレット・ドクトリン第2巻の予備的ノートを原文から試訳しました、素人の抄訳で誤訳もあるかと思います、不明な箇所は原著を御覧ください。

 

 ◎原書として、Theosophical University Press版 【 The Secret Doctrine】 を参照しました。

 

    シークレット・ドクトリン【秘密教義】 

 

         第2巻―《予備的ノート−1》

 

 

                      H.P.ブラヴァツキー 著

                                                                                 Aquamarith (ハテナ・名)    訳 

 

                      

 第2巻 人類発生論

 

 

 “私の教えは、私のものではなく、お伝えくださった御方のものである。”

                         ヨハネ福音書7-16

 現代の科学は進化の教義を主張している、“シークレット・ドクトリン”もそのように主張する、そして進化の考えは古代の伝説と神話により確認されてきた、聖書そのものでさえも行間を読むと確認される。

 わたしたちは、種からつぼみが、そして花へとゆっくりと育っていく有様を見る。しかし、あらかじめ決まっている物質的な変化の仕組みと、その後に形や色、香りを徐々に展開させる不可視な霊的な力というものが、すべてにあるのではないのだろうか? 

 

 進化という言葉はそれ自体を物語る。“種”(翌年の夏に咲く花に内包された存在)がその入れ物ともいえる親花の中で育まれているように、現在の人類の起源はこの種族の親の中に先に存在したに違いないだろう、 親がわずかに異なると、未来の子孫である種は同じように異なるのかもしれない。 現在のゾウとトカゲの大昔の祖先は、おそらくマンモスとプレシオサウルス(首長竜)である。

 

 私達の人類の祖先はヴェーダ、Voluspa、および創世記の“巨人”とするべきではないだろうか? “種の変容”を、進化論者のより唯物論的な見解のうちの、いくつかに従って起こったと信じることが明確に不合理な場合、それは、各々の属が、《軟体動物から始めて、終わり》それ自身が元々の原初の形体であり、それが修正されたのだと考えるのが自然である。

 

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《予備的ノート》

 

 太古のスタンザ、および有史以前の四大陸について。

「宇宙は無限の様相を持っているが、その本質はつねに恒常不変である。」――スピノザ

 

 二巻目である本書のスタンザとその注釈は、一巻目の宇宙発生論上のスタンザと同じく古代の記録から引用している。できる限り、逐語的な翻訳をしているが、スタンザのうちのいくつかが不明瞭すぎたので、説明なしでは理解できない。そこで、第一巻でそれらが最初に与えられた、やり方でまずスタンザ全体を冒頭にのせ、註釈とともに章句ごとに解説するときには、引用部分に必要に応じて括弧つきで言葉を補い、意味が明確になるようにした。

 

 人類の進化に関しては、シークレット・ドクトリンは三つの新しい命題を立てている。

この三つは、現代宗教の教義だけでなく現代科学とも対立している。シークレット・ドクトリンは、(a)私たち地球の七つの異なった場所で、七つの人類の集団が、それぞれ同時に進化した。(b) 物質的な身体が形成される前に、アストラルの身体が形成された、(c)この周期における人類は、類人猿を含む哺乳動物達よりも先行し動物界にあらわれた、と教えている。(註*)

 

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 (註*)創世記2章-19節参照。第2章7節ではアダムが形造られ、第2章19節では”神である主は、土から地上のあらゆる獣とあらゆる空の鳥を形造り、それらにどんな名を彼がつけるかをみるために、アダムのところに連れてきた。”と記されている。従ってアダムは動物より先に創造されたということである、ここでの動物とは黄道十二宮の象徴の動物であり、人とは「雄と雌」のことで、いわゆる人そのものでなく諸神が神自身の形に創造した多くのセフィロト、諸フォース、天使たちである。そしてアダム、(人)は神自身に似せて造られたのではないし聖書のなかで断言されたわけでもない。そしてさらに第二のアダムたちは秘教的には七重であり、七つの人間と言うよりはむしろ人間のグループを表す。

それは最初のアダム、ーカドモンーは十個のセフィロトの総合であるからである。

 

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 私たち地球の七つの地域で、それぞれ同時に誕生した原初の人間たちについて語るのはシークレット・ドクトリンはだけではない。ヘルメスの「ポイマンドレース」にも同様に、(言葉を選ぶとすると)創造された霊魂たち即ち“天上の人間”そして、 自然から進化している七種の原始人の記述を見つけることが出来る。バビロニアの創生伝説を記したカルデアタブレット破片(ジョージ・スミスにより収集された)におけるクーサの最初のカラムには、ワタリガラス(黒く、浅黒い顔色)の顔をした七人の人間が(七つの)偉大な神によって創造された、と述べている。また、第16行から18行にかけては、“大地の中央で彼等は成長し、大きくなる・・七名の王、同じ家系の兄弟たち”と記されている。

 

 カバラには七人のエドム王*という記載がある、最初の不完全な種は(性)という“均衡”が存在する前に生まれたので滅ぼされた。(ゾハール、シフラ・ゼニウタ、イドラ・スータ、2928、ラ・カバラ、p. 205.)"同種族の七王が出現して、六千人にもおよぶ子供たちである人々をもうけた(ヒバート講義録p.372)。ネルガル神(死)が彼等を滅ぼした。“どのように彼等を滅ぼしたか?” “(シフラ・ゼニウタ)まだ存在していない人々を、平衡(又は釣り合)に至らせることによる”。

 

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  • 註・【エドムの七王】ヘブライ語エドムの七王は、イスラエルの子たちを治める王がいなかった時代に、エドムの地を支配していた(創世記36:31)カバラでは、エドムは均衡の前に不可避的に存在する諸力の不均衡な状態、つまり悪の支配を示し、イスラエルは均衡が達成された後の状態を示すと解されているが、東洋の秘教では、七つの根人種を象徴していると解釈する(ブラヴァツキー『神智学用語集』)。

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 彼ら自身(母体から染み出るように生まれた)の子孫のなかに(浸出され)合一されることにより“破壊された”すなわち、無性の種族は、潜在的に両性な種族――両性具有者――のなかに転生していき、かれらもまた、後期第三人種のなかに転生していったのだ。粘土板がそれ程壊れていなかったとしたら、太古の記録やヘルメス文書の記録の中の説明と、細部までは無理にしても最低の根本的な事実について ならば、一語一語同じような記述を見つけることができたであろう。 ヘルメス文書は部分的には良いが誤訳によりかなり損なわれている。

 

 これらの教えは見たところ超自然現象で寓話的であるが、聖書の不要になった記述や科学の最新の仮説とも比べられる、そのことが激情的な否定を呼び起すことは、まったく明らかである。 しかし、秘密主義者は、秘教哲学の伝統が正しいものであるにちがいないと知っている、なぜなら、それらは最も論理的で、すべての難題を説明できるからである。 さらに、私達はエジプトの“トートの書”“死者の書”、および七人のマヌたちを持つヒンドゥー教の“プラーナ”を持つ、同じようにカルデア-アッシリアの(タイル?)文書により、七人の原人とアダムたちの名称は、カバラの中で本当の意味が確かめられうる事に言及している。

 

 

 サモトラケの秘儀*を何でも知っている人々は、“カビル”の一般的な名前は七つの各地域において創造された島、エレクトリア(またはサモトラケ)であり“聖リムノスで誕生したカビール”(ヴァルカンのために神聖な島)の“神聖な火”であったことを知っているであろう。

 

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  • 註・【サモトラケの秘儀】サモトラ島でおこなわれたので、こう呼ばれる。この秘儀では、カビルたちをプルート(Pluto)、セレス(Ceres)、プロゼルピナ(Proserpina)、バッコス(Bacchus)、アスクレーピウス(Asclepius)ヘルメスの五神として祭っていた。(ブラヴァツキー『神智学用語集』)。

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 ピンダロス(前五世紀のギリシアの詩人)によると、アダムという名前であったこのカビルは、レムノスの伝統によると、“大地の「ふところ」から生まれた”原人のことであった。 彼は人類の系譜のなかにあらわれる最初の男性の原型であり、七名いる原人または人類の先祖のうちのどちらかの一人である。

 サモトラケフェニキア人により植民地化された。その前に、東方から来た神秘的なベラスゴイ人が入植していた、これらの事実を結びつけてみると、フェニキア人、カルデア人イスラエル人の秘密の神の正体がわかるであろう、そして、ノアの大洪水についての混乱した記録を容易に発見することができるだろう。

 

 モーゼはエジプト人からの天地創造についての考えのそれらを得た、それは紛れもなく後のユダヤ人のものになった。それらの創生記と最初の宇宙起源論の伝統―それらはエズラとその他により記述されていた―カルデア-アッカド人の記録からのものである。 従ってバビロニア人およびアッシリア楔形文字やあちこちに散在している他の碑文を調査することで十分である、アダム《Adam 》、アドミ《Admi》、アダミ《Adami》、という名前の本当の意味だけではなく、七名のアダムたち、つまり母なる大地から生まれた人類の元になる存在、霊的アストラル的な先祖達の聖なる火についても明確になるだろう。

 

 秘教の教えを無視するアッシリア学者 は“創生記”や聖書に現れる七と言う数字には関心を向けるのに、バビロニアの円筒印章(―筒状の判子、ころがして粘土板に印刷するー)に繰り返し現れる神秘的な七という数字には関心を持たない。 だが、破片が破壊されている条件にもかかわらず先祖の霊たちの数と、人類の先祖の七つのグループが"ポイマンドレース“やカバラの“隠された秘儀の書”の中においても同様に何とも簡単に見つけることができるのである。

 

 セフィロトの樹は後になってアダム・カドモンとなり、そして “善と悪の知識の木”も同様なのである。そして、その“木”は、詩篇32“その木のまわりには7つの円柱”がある、または、我々の宇宙上の7惑星の天球層は7人の創造的な天使が座する宮殿なのであるという。 天上のアダム(Adam Kadmon)が集合的な名前であると同じく、人間アダムの名前でもある。 ジョージ・スミスは著作の“カルデアの創生記”において次のように言う。 “これらの伝説のなかで、最初の人間であるということを示す名前として使われているアダムという単語は、あきらかに固有名詞ではなく、人類を意味する単語である。アダムは創生記の固有名詞として出現するけれど確かに、いくつかの節のなかではアッシリア語と同じ意味で使われている(p 86)。

 

 さらにいうと、カルデアの大洪水だけでなく聖書の大洪水(Xisuthrusとノアの物語)は、ヴァイヴァスワタ・マヌ*に関するインドの寓意に記録されている、大規模なアトランティスの大洪水をもとにしている。

 

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*【ヴァイヴァスワタ・マヌ】Vaiwaswata Manu。サンスクリット語。七番目のマヌの名前。大洪水後の人類、つまり、わたしたち第五根本人種の先祖。インドの太陽神スーリヤの子とされる(ブラヴァツキー『神智学用語集』)

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 さらに、 これらの洪水伝説は、サモトラケの秘儀にもとづいた顕教的な寓話である。古代のカルデア人たちが、プラーナの伝説において隠された、秘教的真実を知っていたならば、その他の民族はサモトラケの秘儀に気がつき、それを寓話化したであろう。彼らは、それを、天文学な思想と人類学的なというよりも、一部の性的な崇拝思想にむすびつけた。

 

 サモトラケは歴史的に古代から、国を沈めた、最も高い山々の頂上まで到達するほどの大洪水のため有名であったと知られていて、これはアルゴ船での伝説以前に起こった出来事である。 当時、湖として見られていた黒海(エウクセイノス海)の水が非常に突然にあふれ出した。しかし、イスラエル人は別の伝説をさらに持つ、それは約1万年前から1万2千年前にかけて起きた、現在のゴビ砂漠を海に変えた“大洪水”であり、たくさんのノアとその家族たちを周辺の山々に追いやった伝説である。

 

 現在、バビロニアの伝承は、数10万の壊された断片から復元されているだけなので、ここで引用される証拠としてはかなり不十分である、しかし、そうではあるが、それらは私たちの教えのすべてに繋がるもので、少なくとも確実に三つ確証しているのである。

 

それらは: —

 

(1.)最初に堕落した人類は暗黒の種族(Zalmat Gaguadi)だった、彼らはアダミまたは暗黒の種族と呼ばれた、そして長い間、純粋なままでいたのは光の種族であるサルクであった。

(2.) バビロニア人たちは最終的には二つの主要な人種を認めていた、神々の種族は(ピトリたちのエーテル複体)これらの二つの人種に先立ち存在していたことも認めていた。これはH.ローリンソン卿の見解である。これらの種族は私達の第二と第三の人種である。

 

 (3.)これらの七名の神々、それぞれが人を創造した、“幽閉(収監)され、顕現した神々”という人種である。これらの神々は、 ジ神、ジク神(高潔な命、純粋な指導者)、ミルク神(高潔な冠)“神々の死からの救助者”(後で)を幽閉(収監)した、そして“彼の手で造る暗黒の種”の創造者というリブズ神、“神の間では賢明”ニッシ神。。。。そしてスハブ神、そして、エアまたはサ、それらの統合である深遠な智慧の神、オアンネス龍、(集合的に) デミウルゴス、あるいは創造者と呼ばれる者達が最終的に降りた。(カルデアの創生記p 82参照)

 

 バビロニアの(粘土板の)断片に “創造物語”が二つある、そして、(旧約聖書の)創世記は、その最初の2章がエロヒムとヤーウェの創造物語であるという事を、誰でも見つけることが出来る。だがそれらが妥当ではないとして、他のいかなる顕教の記述にも保存されていない。 これらの秘密の教えの“創造物語”は、祖先(ピトリ、エロヒム)によって七人の原人がそれぞれ形成されたこと、 そして転落以前の人間の集団について伝えている。

 

 これらすべては、科学の光と、古代国家の聖書を含むあらゆる聖典とを比較し、取り入れ試されるであろう。一方、わたしたちが有史以前の種である人種の発生論に向かうその前に、これらの四つの偉大な人種(それは我々のアダムにはじまる現代の人類に先行する)が生まれて、生きて、死んだ複数の大陸につけられた名称について同意することが望ましいかもしれない。

 

 これらの大陸の古代の秘教的な名称はたくさんあり、その年代記と聖書に記した国の言語によって多くの言い回しが見られた。例えばベンディダード(Vendidad記述書)において、オリジナルのゾロアスターが誕生した場所はアイリヤネム・ヴァエーゴ(Airyanem Vaego)(see Bund. 79, 12)と呼び、プラーナの文学においては、“スヴェタドゥウィパ(Sveta-Dwipa)”とか“メール山、”と呼び、秘密教義においては“神々”を長とした者たちの住まう土地が、“惑星の霊たち。”と単に名付けられる。

 

 このようなわけで、混乱が生じるのを避けるために、これらの四つの大陸に知識のある方々にとって、もっと親しみやすい名称をつけるほうが便利であると考えられる。それは、神聖なる祖先たちによって展開した最初の大陸というよりも最初の種族が進化した最初の大陸であるので、次のように呼ぶことを提案する。—

 

《予備的ノート》-2へ 続く

 

 

備忘録ー初期神智学文献

国立国会図書館デジタルコレクションー

         (フリーライブラリー)

 エッチ・ピ−・ブラヴツキ−著 Blavatsky,Petrovna(1831−1891)

    イ−・エス・ステブンスン著

            宇高兵作訳

   【霊智学解説】

  http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/815061

出版社 博文館  明治四十三年十二月

 

◎すべて読んで比較したわけではありませんが、

 The Key to Theosophy  by H. P. Blavatsky 

 神智学の鍵(日本語訳)とほぼ同じ内容かもしれません。

 

2018/3/5追記

古本夜話さんのサイトの【652ブラヴァツキー「霊智学解説」】に詳しく書かれていました。

 

【秘密教義】 第2巻―人類発生論 第1部  スタンザ+抄訳7〜12

    <<1888年に出版された H.P.ブラヴァツキー の著作>>

 

        シークレット・ドクトリン【秘密教義】 

 

 

         第2巻―第1部  スタンザ7〜12

 

                      H.P.ブラヴァツキー 著

                                 Aquamarith (ハテナ・名)    訳 

 

 

スタンザ―7 亜神性なる者から最初の人種への降下 (シュローカ24~27

 

 24. 再生の準備が整い、智慧の子たち、夜の子たちが、降下して来た、彼らは最初の第三人種(レムリア人)の邪悪な形体を見た、主たちは「我々は選択をすることができる」と言った、「我々は智慧を持っている」。何人かはチャーヤー、(影)の中に入った。 何人かは火花を放射した、何人かは第四人種(アトランティス人)まで待つことにした。彼ら自身の本質によってカーマ(欲望)は占められた。入った人々はアルハット(阿羅漢)になった。火花だけを受けとったものたちは、知識を欠いたままだった、火の粉は、低位のものたちを焼き尽くした。第三人種はマインド(意識)が無いままだった。 彼らのジーヴァはまだ準備ができていなかった。これらは七つに振り分けられた。 彼らは狭い頭部をしたもの、になった。第三人種の準備ができた。「これらの中に我々は住もう」と炎の主たちは言った。**

 

 <注(抄訳) >

 **・・・諸悪の秘密、いわゆる天使の堕落と人としての始まりの時の記憶から、哲学者の頭脳を困惑させた多くの問題についての、すべての鍵をこのスローカは含んでいる。

 

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 25. 智慧の子たちはどのように振舞ったか? 彼らは「自ら-生まれ」を拒否した。彼らは準備ができていない。彼らは「汗-生まれ」を軽蔑した。彼らは、まだ準備ができていない。彼らは最初の「卵-生まれ」に入るのを拒むだろう。

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 26. 「汗-生まれ」が「卵-生まれ」をつくった、「卵-生まれ(第三人種)」は二重で強く骨格があった、智慧の主は言った「いま我々が創造する。」**

 

 <注(抄訳) >

 **・・・創造が、この時期であり、なぜそれ以前ではだめなのだろう?それは、つぎのスローカで説明されている。

 

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 27. そして、第三人種は、智慧の主たちの乗り物になった*(a)。そしてクリヤーシャクティ*(b)によって「意志とヨーガの子たち」をつくった、つまり神聖な父、阿羅漢の先祖をつくった。 

 

 <注(抄訳) >

 **(a)・・・創造することを拒んだ「智慧の主たち」であるヒンドゥー教のデーヴァたちであるのに、彼らはどのように創造したのだろうか? 明らかに、彼らはヒンドゥー教の神々のクマーラたちで「プラーナ」聖典ブラフマーの年長の子たち「サナンダナとヴェドハのその他の子たち」である、彼らは「欲求または情熱なしで、汚れてなくて、神聖な知恵で満たされているのに後継者を望まないままで、どうやって創造したのだろうか?」

 

 **(b)・・・クリヤーシャクティ — 「思い」のもつ不思議な力は、それを有する固有のエネルギーによって外部に認識できる現象の結果を生じることを可能にする。古代においては、どのような思いを持っても、その人自身の注意(そして意志)によって強く集中するならば、どんな思いでも外部的に現れると考えた、 同様に、強力な意志力により望ましい結果が生じた。 ヨーガの行者は、Itchasakti(意志力)とクリヤーシャクティ によって奇蹟をおこす。

 

 最初の人々はチャーヤー、(影)だった(1)、第二番目は「汗-生まれ」であり(2)、第三番目はクリヤーシャクティの力によって聖なる父たちが生んだ「卵-生まれ」たちだった(3)。第四番目はパドマパーニ(観自在菩薩の異名)の子供たちだった(4)。

もちろんこのような生殖の原始的な方法、つまり、汗のしずくを媒介した自身のイメージによる進化の方法、そのあとのヨーガによる方法、人々の思いを媒介とする魔法(クリヤーシャクティ)による方法 ― これらは、おとぎ話と考えられてしまう運命にある。 それでも、最初から始めて、最後で終わって、見せる事の無い自然だけでなく、それらの中で奇跡がありえなかったのかどうかということ、これは証明されなければならない。

 

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 スタンザ―8 哺乳動物たちの進化―最初の転落 (シュローカ 28~32

 

 28. 汗のしずくたちから、 物質の残りから、つまり前の輪(第三連鎖)の人々と動物たちの死骸を構成していた物質と、投げ捨てられた塵から最初の動物がつくられた。

 

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 29. 骨をもつ動物たち、深みの龍たちと空飛ぶヘビたちが、這い回る生物たちの仲間に加わった。地上を這い回る彼らは翼を持った。水のなかの長い首をもつ彼らは空を飛ぶ鳥の先祖になった。

 

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 30. 第三人種の間に、骨がない動物たちは成長して変化した、 彼らは骨をもつ動物になった、彼らのチャーヤー、(影)たちも固くなった。

 

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 31. 動物たちが先に分離した。動物たちは繁殖し始めた。そして二重の“人”も分離した。彼(人)は言った、「彼らと同じようにしよう、結びついて生物たちをつくろう」。彼らはそうした。

 

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 32. そこで、火花を持たないものたち(狭い‐頭部のものたち)は、巨大な“雌‐動物たち”のそれらを受け入れた**(a)。彼らは口がきけない人種を生んだ。彼ら(狭い‐頭部のものたち)自身も口がきけなかった。しかし、彼らは舌を解き放った**(b)。彼らが生んだ者たちの舌はまだそのままだった。彼らは怪物を生んだ。ねじれた赤毛の怪物たちの種族は四つ足で這い回った。彼らが口をきくことが出来なかったのは、恥ずべき事を口にしないためである。

 

 <注(抄訳) >

 **(a)・・・シュローカ31では、動物たち(第三人種の時代の)が「先に分離した」と言っている。この時代の人々は生物学的に、現代の人間(第五人種の中期を過ぎている)とは異なるということを心に留めておきたい。我々は「巨大な雌-動物たち」が何であったかについて知らされていない、しかし、彼らは確かに人々ではあったが、我々が今知っている、いかなるものとも異なっていた。

 

 **(b)・・・人間の口がきけるようになったということに関しては、後に述べる。

    

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 スタンザ―9 人の最期の進化 (シュローカ 33~37) 

 

 33. その罪を見ていて、人々を創造しなかったラーたち(霊たち、智慧の息子たち)は嘆き悲しんでこう言った—

 

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 34. 思慮の無い亜人種は私たちの未来の住居を汚した。これがカルマだ。私たちは他のものたちの中に住もう。これ以上悪いことが起きないように私たちは彼らが善くなるように教えよう。彼らはそうした・・・

 

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 35. そして、すべての人々にマナス(理智)が授けられた。彼らは意識を持たない者の罪を見た。

 

 

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 36. 第四人種は、言葉を発達させた**。

 

 <注(抄訳) >

 **・・・第三人種の終わりごろの、ほぼ完全に発達した最初の人間は「金色の有色人種」であり、後になって両性具有者から分離した者たちで、彼らは自らの意識を目覚めさせた黄色い顔の人々であった。それ以前は、いわゆるテレパシーと呼ばれる伝達方法を通じて彼らは情報交換していた、しかし「意志とヨーガの子たち」と呼ばれている人種は除いてである。

― 誰が最初の「智慧の子たち」を具現化したのだろうか ― この周期の人は物質的な身体だったので、思考するという行為は殆ど発達せず、低い地球のレベルを上回るほど高くなることはなかった。彼らの物質的身体は地球に属し、彼らのモナド(分霊)たちは、より高い階層に残った。・・・

 

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 37. 一なる両性具有者は二つに別れ、いまだ両性具有だった生物たちや地を這うものたち、つまり巨大な魚、鳥たち、そして頭部が甲羅で覆われたヘビたちも分離した**。

 

 <注(抄訳) >

 **・・・これは明らかに水陸両生の爬虫類の存在した年代に関するものである。そして、その間その年代には科学は人が存在しなかったと主張している!しかし、有史以前の大洪水時代に動物たちや怪物たちが存在したことを、古代人たちは知っていた!注釈書の第六章には、次のような一節がある、第三人種が分離し「人‐動物」を生みだすという罪におちたとき、これらの動物たちは狂暴になり、人々と動物たちは互いに破壊的だった。

その時まで罪はなく、命を奪い合う事もなかった。分離の後にサティヤ・ユガ(#)が終わった。永遠の春は、好ましい恒久的な季節の変化になった。人々は寒さを避ける為にシェルターを建設して、衣類を考案した。そして、人は優れた父たち、つまり高次の神々と天使たちに訴えた。

光輝く賢い蛇たちと龍たちである、ニルマーナカーヤ(#)であるナーガ、そしてブッダたちの先駆者が降りてきた。神聖な王たちが降りてきて、人々に科学と芸術を教えた。なぜなら人は最初の土地(第一人種が住んでいたエデン)に、もはや住めなくなっていたからだ。その土地は白い凍った屍になってしまっていた。

 

 <訳者・注>

 (#)サティヤ・ユガ・・・ユガとはヒンドゥー教で使う時間の単位で、一ユガは通常の360年。サティヤ・ユガは黄金時代であった、トレター・ユガ、ドゥワパラ・ユガと時代が進むにしたがい悪化していき、カリ・ユガで暗黒時代になる。

 

 (#)ニルマーナカーヤ・・・涅槃を放棄した菩薩の精妙体のような体を持つ存在、高位のアデプトのアストラル体

 

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 スタンザ ―10 第四人種の歴史 (シュローカ38~42 )

 

 38. そうして、七つの領域で二つずつ分離して行き、第三人種は第四人種の人々を生んだ。神々(スーラ)は非神々(アスーラ)になった**(a)。

 

 <注(抄訳) >

 **(a)・・・このシュローカ38を理解するために、スタンザ9の三つの章句を共に読まれなければならない。 進化のこの地点まで、人は物質的な性質より形而上学的な性質に属していた。いわゆる転落のあと、人種は急速に人間らしい姿に発達し始めた。そして、それは彼が神秘と超自然的な行為の本当の重要性と、転落の完全な意味を正しく理解するように命じられたということなのかもしれない。

 

 彼らは、自分たちのアストラル体より劣った身体をもった。なぜなら、彼らのチャーヤー(影)は七つの種族のなかの劣った種族に属するものから生まれたものだからだ。 「智慧の子たち」は第四人種が現れるまで、具現化(incarnation)*を先に延ばした、しかし、第四人種は、すでに罪と不純に染まっていたので、彼らは恐ろしいカルマ的な結果を引き起こし、それは今日まで続いている。彼ら自身が将来の邪悪な種の運び手である。それは彼らが自分たちが入り込むはずの身体を、決めずに延ばしていたので、すっかり汚してしまったからだ。(シュローカ32、36を参照。)

なぜならば、これがカルマの法則に背く彼らの反逆つまり「天使たちの転落」だった。

 

 単一の共通する起源を持つものたちでありながら、彼らがそれぞれ異なっている理由はいくつかある、それは彼らの潜在的可能性と精神的資質、みかけ、未来の特性などであった。

 

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 39. あらゆる領域の第一人種は月のような黄白色をしていた、第二人種は黄金色のような黄色をしていた、第三人種は赤色だった、第四人種は茶褐色だったが、罪により黒くなった。最初の七つの人間の芽生えの頃は、すべて同じ外観だった。次の七亜人種は彼らの色を混合し始めた**(b)。

 

 <注(抄訳) >

 **(b)・・・このシュローカは、人種的な分類だけに関係する。 厳密に言うと、秘教哲学は、修正された多原発生説を説いている。それは人種の起源が一致することを説く、祖先たちまたは「創造者たち」はすべて神聖な存在であるが、彼らが存在する階層は、さまざまに異なり、完成の段階もさまざまであったという、それでも人々は〔彼らから〕、その周期の大陸にある七つの違った場所に生まれた。

 

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  1. それから第三人種と第四人種は背が高く、誇り高くなった。「 我々は王であり、我々は神である」と言った**(a)。

 

 <注(抄訳) >

 **(a)・・・〔第三人種(レムリア人)は〕神聖な力をもつようになり、自身のなかの内なる神を感じることができるようになったので、身体的には動物でありながら、第三人種の誰もが、自分自身の本性が「人-神」であるように感じるようになっていた。彼らが智慧の木の果実を食べたまさしくその日から、二つのものの間で争いが始まった、二つのものとは、霊と魂、魂と肉体のことである。身体の支配を得て低級本質を征服したものたちは「光の子たち」に加わった。低級本質の犠牲になったものたちは、物質の奴隷になった。このものたちは「光と智慧の子たち」から「闇の子たち」になってしまった。彼らは不死の生命と死を免れない生命との葛藤に陥った、そして落ちてしまった、それら全ては来るべきアトランティス人〔後期第四人種〕の種子となった。

 

 

     ——————————*—————————*—————————

 

 41. 彼らは美しい妻をめとった。狭い-頭部を持つ、意識を持たない(亜人種)妻たちである。彼らは怪物を育てた。邪悪な悪魔たちと、男女を生んだ、僅かに意識を持つカド(ダキニ)*を生んだ**(b)。

 

<注(抄訳) >

 *カド(ダキニ)・・・チベット語で、正しくはカドマ(khadoma)のこと。サンスクリット語では、ダーキニーという。インドの民話におけるダキニは、人間に敵対する女悪魔で、裸体でドクロや杯や武器をもって、未知の危険が潜む所、寂しく薄気味悪い所をうろついている。

 

 **(b)・・・ 地球での既知の最初の戦争は、最初の人間の暴力による発散で、人の目と感覚が開かれた結果であった、そのことは、彼を自分の娘より兄弟の娘や妻のほうが、美しく見えるようにしたということだった。サビヌ人(#)たち以前に略奪や強姦が起こり第五根本人種が生まれる前に彼らのへレネス(古代ギリシア人)のメネラウサスは奪われた。巨人たちのほうが、より強かった。 彼らは敵がいることにより賢明になった。第四人種の時代にこれらが起こり――これが巨人たちの伝説となった。

 

 <訳者・注>

(#)サビニ人 – Wikipediaより~サビニ人(ラテン語:Sabini)は、イタリア半島はローマの北東、ティベリス川一帯に住んでいた古代の部族である。好戦的で城壁を持たない町に住んでおり、サビニ人は自らの起源を「スパルタからの移民であると言っている」と言う。

 

ローマ人によって女性が強奪されたいわゆるサビニの女たちの略奪の後、ローマと4度の戦争を起こすが、結果的にローマに併合された。サビニ族出身のクラウディウス氏族はローマ最高の名門に登り詰めている。

 

 

     ——————————*—————————*—————————

 

 42. 彼らは、人間の体の為にいくつかの寺院を建てた。彼らは男性と女性を崇拝した。もはや第三の目は機能していなかった。

 

 <注(抄訳) >

 **(c)・・・これは、崇拝行為の始まりである。これは後に堕落し、性的シンボルの崇拝になってしまった。

 

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 スタンザ―11 第四人種と第五人種種の文明と崩壊 (シュローカ43~46 )

 

 43. 彼ら(レムリア人)は巨大な都市を建造した。彼らは希土酸化物(レアアース)と金属で建造した、それらは溶岩から吐きだされたものだった。彼らは山々の白い大理石と地下の火で黒くなった石を使い自分たちの大きさや姿かたちに酷似した像を彫った、そして彼らはそれを崇拝した**(a)。

 

 <注(抄訳) >

 **(a)・・・最初の二つの人種の歴史 — 最後のレムリア人と最初のアトランティス人 — わたしたちはこの双方の彼らについて、しばらくの間話すことにする。

 

 ここでは神聖王朝が、エジプト人、カルデア人ギリシア人などの人間の王たちに先行して存在したという主張にまで言い及んでいる、今でも現代のヒンドゥー教徒らは先行した王朝の存在を信じていて、それらが記されている複数の聖典がある。

 

 現代の地質学者は、海中に沈んだ大陸の明白な存在を認めざるを得ない状況にある。しかし地質学的年代の初期に、それらの場所に人々が住んでいたことを認めたわけではない。

-なんということだろう、聖なる統治者たちの導きのもとで、文化的な国の人たちと旧石器時代の野蛮ではない人たちだけで、巨大な都市を築き、芸術と科学を発達させ、天文学を知り、建築と数学を完成させていた。.

 

現代人の想像とは違い、この原始的な文明においては、彼らの心理学的変化はすぐにはおきなかった。最初の都市が建設されて、最終的な進化がおきるまでの間は、数万年もの時が過ぎていった。・・・

 

 文明は、霊魂を犠牲にして身体と知力を発達させた。

 

 そしてアトランティス人たちが出現した、彼らは巨人で、身体的美しさと力は完璧で最高点に達した。進化の法則によれば、彼らは周期の真中に現れる第四亜人種だからだ。しかし注釈書は、つぎのようなことを述べている。

 

 ホワイト島(原始的なスヴェタ-デヴィパ(#))のブロンドの子供たちの最後の生存者は幾世代も前に絶滅した。彼ら(レムリア人)の選ばれた人は、神聖な島(今日ではゴビ砂漠にあるというシャンバラ伝説になっている)に避難した。一方、金色の黄色人種(第四人種)のその向う先は「罪による黒」であった、呪われた者たちのうち少数は、主流から離れ、密林と地下世界(「穴居人」)に住みついた。

 

 三度目の大変動が地球を襲い、極から極まで、地表の様子はすっかり変わってしまっていた、そしてもはや、ホワイト島の子たち、天上の人々、アディビヒターヤ(#)の子たちは住まなかった、東や西、最初のものと純粋なものは腐敗した・・・。 第三人種の半神半人たちは、第四人種の半魔半人に場所を譲った。

 

 <訳者・注>

(#)アディビヒターヤ(Adbhitanya)・・・(読み方?不明)多土地の名称。【この土地のもう一つの名前または地球の太古に居住された一部は、Adi-varsha.である】神智学用語集より。

 

(#)スヴェタ-デヴィパ(Sveta-dvipa)・・・(サンスクリット語、読み方?不明)ホワイト島のこと。 プラーナス(〔読み方?不明〕ヴィシュヌの住居、メール山とマハーヨギたちが住む島と呼ばれている)の天上の人々の住居。「ヴィシュヌのすべてのアバターはホワイト島が起源であり、その島から訪れると言われている。 チベットの伝統によると、ホワイト島は、他のドワイパ〔読み方、意味も不明〕で通常の運命を逃れることが出来る、火によっても水によっても破壊されることのない唯一の場所で — それは『永遠の土地』である。」神智学用語集より。

 

(#追加の注)・・・第三人種(レムリア人)を襲った大洪水のあと、人々の身体は、驚くほど小さくなり、寿命も短くなった。神に似たものに堕したために、かれらは動物種族と結婚したり、極地方に残っていた巨人族や小人族と結婚した。多くの者たちが神性を獲得した。しかし、もっと多くの者たちが不法な知識を手にし、自らの意志で左手の道(黒魔術)にすすんだ。

 

 

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 44. 彼ら(アトランティス人)は9ヤティス(27フィート〔約8メートル10センチ〕)の高さの巨像(彼らの身体の大きさ)を建てた。内なる火が彼らの父たちの地(レムリア大陸)を破壊した。水が第四人種を脅かした**(a)。

 

 <注(抄訳) >

 **(a)・・・イースター島(一部の疑う余地のない海中の大陸)で発見された殆どの巨大な像は注視する価値がある — 幾世代もの間(水中)に浸されていた地域、それらがゴビ砂漠の周辺で発見されていた、(巨大な像の)すべては、20フィートから30フィートの高さがある。クックがイースター島で発見した巨像郡は、測定すると殆どが高さ約27フィートと肩幅が約8フィートだった。

 

 

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 45. 最初の大洪水*が来た。洪水は七つの偉大な島々を飲み込んだ。

 

 <注(抄訳) >

 *最初の大洪水・・・これは、第四周期に地球上で起きた四番目の大洪水である。

 

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 46. すべての聖なる者たちは救われ、聖なる者でないものは滅びた。地の汗から生まれた巨大な動物たちの、その殆どは供に滅んだ。

 

 <注(抄訳) >

 **(b)・・・このように、巨人たちは滅びた。空想的な普通の伝承では、「聖なる全ては救われて」、魔術師たちや妖術使いたち、つまり「邪悪なものだけが破壊された」と付け加えられていた。しかし、そのことはカルマや自然の法則によって「第3の目」を失う事のなかった「神聖な」者たちから予知されていた。つぎに現れてくる第五根本人種について、注釈書はつぎのように述べている。

 

「選ばれた一握りの聖なる指導者たちだけが、聖なる島に移住した — 『そこから最後の救世主がやって来る』―彼らは、人類の半分が残りの半分を滅ぼさないように見張っている。人類は分割された。3分の2は、より低次の質料霊の王朝によって支配され、簡単にアクセスできる体を手に入れた、3分の1は聖なる具現者になった、つまり信仰を残しながら第五根本人種へとつながっていった。

(四回目の)地軸変動のときでも、第四人種から分離した者たちは保護されていて影響を受けなかった。レムリア人の時と同様に、不信心なアトランティス人は滅びた、『これ以上見られなかった。』・・・」

 

 

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 スタンザ12 第五人種とその神聖な指導者たち (シュローカ47~49 )

 

 47. 僅かな人々が残った、あるものは黄色で、ある者は茶褐色そして黒く、さらに赤い者たちもいた、月色の者たち(原初の神聖な種族)は永遠に失われた・・・**(a)

 

 <注(抄訳) >

 **(a)・・・この詩句47は、第五人種について述べている。歴史、あるいは歴史と称されているものは、ここで始まったわけではなく、永遠に繰り返される「生きる」という慣習ともいえる。これは 、実は我々の第五亜人種の幻想的な起源に基づいているのではなく、わずか数千年の出来事をそうよんでいるに過ぎない。それは、「黄色、茶褐色と黒色そして、赤色のいくらかは、残こった」という文章にあるように、第五人種の第一亜人種の細目について述べているのである。

 

「月色」(すなわち、第一と第二人種)は、全く痕跡を残さずに永遠に戻ることなく去っていった。なんということだろう、レムリア人を襲った三回目の「大洪水」である巨大な龍は、その尾で一瞬のうちに存在している全ての国家を跡形もなく消滅させてしまったのだ。

 これが注釈書に記された詩句の本当の意味である。「巨大な龍は、あえて智慧の『ヘビたち』に敬意をはらった、智慧のヘビたちが住む複数の穴は、現在、三角形状の石の下「つまり、世界の四つの場所(あるいは四隅)にあるピラミッドの下」にある。

 

 <訳者・注>

 指導者たち(Instructors)とは・・・シークレット・ドクトリンでは、初期の人種は聖なる半神存在によって案内されて、導かれたと述べる。このように、第四人種またはアトランティス人種は、聖なる半神の支配者から、諸周期と天文学についての本来の知識、さらに芸術と科学についての本来の知識の教えを受けた。アトランティス以前の、レムロ‐アトランティスには、最初の「霊‐王」たちの王朝があった、ディヤーニたち(または半神たち)も教えを説き人類を案内するために姿を現した、そして人間に芸術と科学を教えた。(SD 2:222)神智学用語集より

 

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 48. 残った神聖な種族から第五人種がつくられた。それらは彼女の最初の聖なる王たちによって統治された。

 

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 49. ・・・再び降下した「ヘビたち」**は第五人種と供に平和を築いた、「ヘビたち」は教え、それを導いた・・・

 

 <注(抄訳) >

 **・・・これは、注釈書のなかで一度ならずとも話したことである、大師または、賢者たち(三つの人種〔第三、第四、第五人種〕)は地下に住んでいる、実際にピラミッドの下にいるとはかぎらないが、一般的にはピラミッド状の構造物の下に住んでいる、そのような「ピラミッド」が世界の四つの場所に存在したが、決してファラオたちの専有物ではなかった、そしてアメリカの二つの場所、それは地面の上と下、原始林の下や中に、平野と谷といった場所に散らばっていたのが発見されている、それらはエジプトに属する独自のものであると推測された。

 

 ヨーロッパのモルビアンとブルターニュ地域の、初期の新石器時代の洞穴の多い、ピラミッドがあるのではないかと推定された場所で、幾何学的に本当に正しいピラミッド(巨大な三角形のピラミッド状で円錐メンヒル(立石))がもはや見つからないならば、デンマークの塚やサルデーニャの「巨大な墓」でさえも、彼らが分けることができない仲間(ヌラギ、石の住居)と一緒で、その多くはピラミッドの劣った模造物である。

 

 ミシシッピ川の岸のニューオリンズでドゥラー博士が、発見した骨格に今から57,000年ほど遡った古代の人種のものであると推定年代を当てはめた事を、受け入れることができない人々は、これらの事実をもちろん拒むだろう。・・・

 

・・・しかし、「智慧のヘビ」は彼らの記録を良く維持した、人間の進化の歴史は、地下の壁に実際に痕跡を残したように、そのまま天上に痕跡を残した。人間性と星々は壊せないほど結びつく、なぜならば知性〔を含む様々な情報〕が最後に支配するからである。

 

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 これで第2巻スタンザの超抄訳および説明は終わりです。

 

 

  H.P.ブラヴァツキー の著作であるシークレット・ドクトリンの日本語訳は昨年(2017年)12月に第2巻・第1部が竜王文庫・源忠氏翻訳で発売されています、抄訳では、東條氏の『シークレット・ドクトリンを読む』が既に出版されていて、高額な中古本となっています。                     

 

 

 原書として、Theosophical University Press版 【 The Secret Doctrine】 を参照しました。

 

  ◎このシークレット・ドクトリンのスタンザ及び脚注の抄訳は、2012年4月~5月に書いた某SNS日記を編集・修正してこちらにまとめたものです。

 (2018/5/26 字句修正・・・ 根本人種から 人種に)

 

【秘密教義】 第2巻ー人類発生論 第1部  スタンザ+抄訳1〜6

  <<1888年に出版された H.P.ブラヴァツキー の著作>>

  H.P.ブラヴァツキー の著作であるシークレット・ドクトリンの日本語訳は昨年(2017年)12月に第2巻・第1部が竜王文庫・源忠氏翻訳から発売されています、抄訳では、東條氏の『シークレット・ドクトリンを読む』が既に出版されていて、高額な中古本となっています。                     

 シークレット・ドクトリンのスタンザの説明文を、ほんの僅かですが編集して訳文を付けてみました、素人の抄訳で誤訳もあるかと思います、不明な箇所は原著を御覧ください。

 

 原書として、Theosophical University Press版 【 The Secret Doctrine】 を参照しました。

 

  

        シークレット・ドクトリン【秘密教義】 

 

 

         第2巻―第1部  スタンザ1〜6

 

                      H.P.ブラヴァツキー 著

                                                                                  Aquamarith (ハテナ・名)    訳 

                      

 

  

  スタンザ-1. 知覚を持つ生命の始まり (シュローカ 1~4)

 

 1.四番目の回転をさせるラー*(霊)**(a)は、7つのラー(地名(惑星霊)に仕え、彼らは、彼らの主(一つ目)のまわりに自らの戦車(馬車)を動かし進ませる。彼の息は七つに生命を授けた、彼の息は最初のものに生命を授けた。

 

 <注(抄訳) >

 *ラー(LHA・・チベット語)はトランス・ヒマラヤの宗教で、天上的で超人的な存在のこと、つまり“霊”という意味の古代の用語である、天の階層全体をカバーし、大天使またはディヤーニから、落ちた闇の天使または、地球霊の事までも指す。

 

 **(a)・・この表現を分りやすく言いかえるなら、我々の地球の守護霊(第四連鎖の第四期にいる)は、七惑星霊または霊の長たる霊(または神)より下位の守護霊である。すでに説明したように、七存在の主要な神秘の神々である彼らキリエルのなかで、その長は顕教的で、目に見える太陽、或いは八番目であり、秘教では、第二番目のロゴスつまり、創造神であった。

 

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 2.地球は言った、— 「輝く顔の主よ、私の家は空っぽです。この輪(車輪)の人々にあなたの子たちを送りこんでください。あなたは智慧の主にあなたの七人の子たちを送ったではないですか**(a)。智慧の主は近づくあなたを七倍も近く見て彼はあなたを七倍も近くに感じている。あなたに仕える小さな環たちに光と熱をつかまえることや、その通路上を遮断するという、あなたの偉大なる恩恵を禁じている**(b)。あなたに仕えるものに同じことをいま与えてください。」

 

<注(抄訳) >

**(a)・・智慧の主は水星、マーキュリー、プドハである。

 

**(b)・・現代の注釈書はこの表現を「水星は地球よりも七倍多く熱と光を太陽から受け取り、美しい金星ですら、取るに足らない地球よりも二倍多くの熱と光を受け取っている。」という良く知られている天文学的な事実への言及としている、と考える。テキストで事実が古代に知られていたかどうかは「地の霊」から太陽の信仰までの推論で与えられるかもしれない。それがまだ生命を受ける準備ができていない、太陽はどうかというと地球人類を拒んだ。

 

    ——————————*—————————*—————————

 

 3.「輝く顔の支配者」は言った、—「きみの働きが始まったら、私はきみに火をひとつ送ろう。 きみの声を他のロカス(Lokas)まで上げよ、きみの父である蓮華の主*より彼の子たちを遣わせよ・・・きみの"人々"は、父の法の下に支配されるだろう。きみの“人々”は死ぬべき運命をもつ。智慧の主の人々は、月の子たちとは違って、不死だ。不満をやめよ。きみは七つの殻をいまだにまとう・・きみと、きみの"人々"はまだ準備ができていない。**(a)」

 

 <注(抄訳) >

 *蓮華の主・・月のこと。その子たちを月のピトリたちという。

 

 **(a)・・どの人種であろうと、人間の身体組織はその環境に合わせて形成される。私たちの身体は物質で出来ているが、第一人種の身体はエーテル物質で出来ている。

 太古の聖典によると、どの周期も、その始まりにおいて、先ず大地が再生する。この新しい誕生には苦痛つまり地殻変動がともなう。

 

   ——————————*—————————*—————————

 

 4.はげしい苦しみの後、彼女は古い三つを脱ぎ捨て、新しい七つの殻をまとい、彼女の最初のひとつとして立った**。

 

 <注(抄訳) >

 **これは地球の成長を意味している。地球は、彼女の三つの古い殻を脱ぎ捨てたとあるが、これは、地球が七つの周期のうち、すでに三つの周期を完了していて、現在は第四周期にいるからだ。新しい周期に入るまえには、必ず休息期間がある。地球は、ヘビが古い皮を脱ぎ捨てるように、古い殻を脱ぎ捨てる。そのため、地球はヘビの女王とよばれる。新しい七重の殻というのは、七つの人種の神化に対応する地形の変化―地殻変動―を指している。

 

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 スタンザ―2 援助を受けなかった自然は失敗する (シュローカ 5~10)

  

 5. 輪(車輪)は、30クロル(三億年)回転した。 それは形態を構築した、柔らかい石は 堅くなり、堅い植物たちは柔らかくなった。見えないものから見えるものが生まれ、昆虫たちや小さな生き物たちが生まれた。彼女(地球)は 彼らが母にはびこるたびに、それらを彼女の背中から振り落した**・・・30クロル(三億年)経った時、彼女は向きを変えた。 彼女は、仰向けに横たわった。 つぎに横向きになった・・・ 彼女は天上の子たちを誰も呼ぼうとしなかった、彼女は智慧の子たちに何も尋ねなかった。 彼女は、彼女自身の胸から創造した。 彼女は恐ろしく邪悪な***「水-人」*たちを進化させた。

 

 <注(抄訳) >

 *「水-人」(WATER-MEN)・・・地球が単独でつくりだした生命体の一つ。水陸両棲で、半ば爬虫類、半ば猿のような存在で、全身うろこに覆われている。悪意と憎悪にみちている、半魚人とは全く違う。ちなみに半魚人は、海から現れた賢い生物で、バビロニア人に様々な智慧を授けた。

 

 **・・・これは地軸の変動とそれにともなう混乱をさしている。この混乱のなかで、怪物、半人間、半動物などが生まれた。これは寓話ではなく、死者の書や、カルデアの創世記やポイマンドレースにも記されている。

 

 ***・・・半魚人は創世記を二つの部分にわけた。最初、水と闇の深みあり、そこには、もっとも邪悪なものたちが住んでいた。有翼人、四面人、二面人、双頭人、角がはえた山羊人間、半人半馬、人面牛、犬魚といったものたちだ。簡単に言えば、哺乳類、人間、爬虫類、魚類、その他の怪物のあらゆる組み合わせだ。これらの生物が住んでいた女性原理は、海または水とよばれ、男性原理であるベール神に征服される。

 

   ——————————*—————————*—————————

 

 6. 彼女は恐ろしく邪悪な「水-人」を彼女自身から創造した、他の残骸(鉱物、植物、そして動物の残り)とねば土(スライム)から彼女の第一、第二、第三の彼らを形作った。ディヤーニ(天使)たちが来て、これらを見た。 — 輝く父-母からのディヤーニ(天使)たち、彼らは白い領域から、不死なる者と死すべき者の住処から来た**。

 

 <注(抄訳) >

 **・・・我々のスタンザでの説明は、クーサの粘土板に記されている創造の伝説よりも、はるかに明白な説明を与えてくれる。しかし、粘土板で保存されていることは、それらを補強するものである。粘土板には、「天使の主」は混沌のうちに人間を滅ぼし、彼らが惨殺されたあとには「複数の死骸や無駄なものは、残されなかった」と記されている。その後、彼ら偉大な神々は、砂漠の鳥たちの体をもつ人々と、人間たち、「七王、同じ家族の兄弟」、その他の存在たちを創造した、彼らは原初エーテル体的な存在の人々で、歩くことができ、飛ぶことができたと言う、しかし、彼らは「完璧でなかった」ので、「滅ぼされた。そして」、彼らはエドムの王たちのように、性別がなかった。

 

  原初の種の創造についてのこの考えを、科学は比喩と寓話だと言って排除するのだろうか?それは、「天使たち」や「霊たち」の持つどんなものも同様に扱うということだ、 しかしそれが仮に自然におこったとして、すべての作り手たちである進化の物理法則が現在地球の上にあるならば、「そのような混沌など無い」のは何故なのか、地球が海でおおわれていて、巨大な怪物の存在の数々が発生したのは何故なのだろうか?

 

 人間たち、そして人間の頭と二つの顔をもつ動物たちなのか、反論点もあろう? しかし、「人」が唯一の高度な動物であって、無限の一連の変化によって野蛮人から進化したならば、それが以前からの自然の法則なのだろうか?なぜ、失われた環(人類と類人猿を繋ぐ)間に人間の頭を動物たちの体に付けることや、二つの頭をもつ獣たちやその逆の上部を持つ動物たちができなかったのだろうか?我々は地質学的期間のなかの、爬虫類と哺乳類の時代に生きていた鳥の翼をもつトカゲたちや、ヘビの頭がついた動物たちの体を見せられてはいない。

 

 科学的な立場からは、現代の我々人類にさえ怪物見本たちを、時々しか提供しないのだと論ずる、それらは双頭の子供たち、人間の複数の頭で動物の体、犬頭の赤ちゃんたち、などなどだろうか? 彼女(自然)が進化の順番どおりに長い期間はたらき、そして落ちついた今、自然がまだそのような気まぐれをするならば、ベロッソスの記述にあるように、怪物たちがプログラムの始まりから存在した可能性があったということ明らかにするものである、とにかく法則として以前に存在したことを、科学的に示して、現在の「先祖返り」というありのままの事実から、どちらが本当なのか確かな証明をする余地がある。

 

 これは、ドクトリンが教えであり、多数の証明によって示すものであり、我々は独断的な神学か唯物論的な科学の承認を待つことなく、スタンザを続行する。 解説と彼らの説明によって向けられる光の助けを借りて、これらに自らを物語らせよう、 これらの質問の科学的な面は、後ほど考慮される。

 

 これは、単に自然にまかせておいたなら、人や動物をつくりだすことはできないということを示している。地球は、最初のふたつ(鉱物界、植物界)と低位の動物界をつくることができるが、「人」をつくるとなると「皮膚の外皮」や、「動物の生命の呼吸」だけではなく、霊的な能力を授ける力が要求される、前の周期の人間の分霊たちは、たとえどんな「フランケンシュタイン」動物よりも劣った不利な状態であっても、彼らの身体を形成するために、純粋な物質的素材以上のもの、つまり霊的な火を欲する。

 

   ——————————*—————————*—————————

 

 7. 彼らは不快だった。 我々の肉体は、そこにない。五番目の我々の兄弟たちにふさわしい形体はない。ここは生命が住む為の場所ではない。濁っていない純粋な水を彼らは飲まなければならない。**それらを干上がらせてしまおう。

 

 <注(抄訳) >

 **・・・注釈書はいう。

≪新しいマンヴァンタラ(宇宙や人間の本質が客観的な形体として現れる顕現期の総称)がはじまるにあたり、身体としての人を形成したのは、他のいくつかの物質界から来たものたちだ。彼らは、低次のラー(霊)たちで、二重の身体、つまり、エーテル体につつまれたアストラル体をもっている。 彼らは、幻影の我々身体の形成者たちだ。

 

≪ラー(ピトリ)たちがつくりだした形態のなかに、つまり《モナド、二重の龍ともよばれる》が予想の領域から降りてきた。しかし、かれは支えとなる柱がない屋根のようなものであった・・

 

≪人が地上一になるためには、四つの炎と、三つの火を必要とする。人間は四九の火を完成させる必要がある。幻影のマヌ人間をつくった意志の神々は、至高の諸天を荒廃させた。なぜなら、《二重の龍》は単なる形体に対して影響力がないからだ。それは、なびかせる枝や木がないところに吹く微風のようなものだ。それは媒介(マナス、意思)がなければ、形体に影響をあたえることができない。形体は、このことをしらない。

 

≪最高諸世界では、三は一になる。地上において最初に一は二になる。それらは第三の火に相当し、底辺がない三角形の二辺のようなものだ。

 

   ——————————*—————————*—————————

 

 8. 炎たち*が到来した。火花を散らす炎たち。夜の火たちと昼の火たち。彼らは、濁った暗い海を干上げた。 自らの熱で彼らはそれらを消した。高位のラーたちと、低位**のラーマインたちがやってきた。彼らは、二つの顔や四つの顔をもつ者たちを根絶した。 彼らはヤギ人間と犬頭人間、そして半漁人と戦った。

 

 <注(抄訳) >

 *炎たち・・・「イザヤ書」によると、燃える火のような天使たちで、全能者の王座に仕えるものたちと同じ位階の存在、メルハは、(炎たち)の主である。民間伝承では、メルハは地上に現れたとき、ブッダの姿をとったとされる。

 

 **・・・低位というのは、霊的というよりエーテル的な意味、つまり、低次の存在であって、地獄界を指しているわけではない。わたしたちが住む地上世界より一段上にあるだけの世界をさしている。これに対し、ラー〈霊〉たちは至高の諸天球層にすんでいる。

 

  ——————————*—————————*—————————

 

  1. 母なる水、偉大な海は泣いた。彼女は立ち上がり、彼女を持ち上げた月のなかに姿を消した、月は彼女の生命を与えた場所だ**。

  <注(抄訳) >  

  **・・・これは何を意味しているのだろうか?わたしたちの惑星の第四環(周期)における潮汐作用を述べているのだろうか?

 秘教の教えによれば、月は地球よりはるかに古い。いずれ天文学と地質学が証明してくれるだろうが、月のおかげで地球は存在している。地球の液体部分が自分の親である月に向って伸びあがろうとするように、潮は月に引き寄せられるのだ。

 

   ——————————*—————————*—————————

 

  1. 彼らが絶滅した後、母なる地球は裸であった。 彼女は干上がりたいと、頼んだ。

  <注(抄訳) >

 *・・・地球が外殻に覆われるときが来た。それは水の分離ではじまった。それは新しい生命のはじまりである。一つの鍵がこのことをあかしてくれた。もう一つの鍵は、水と火の混合について教えてくれ、鉱物や大地のような堅い物質についてのアルケミー的記述の秘密をあかしてくれる。《宇宙の水、アーカーシャ》から〈生じた〉男性的な霊つまり“火”と女性的なガス状の“水”は交じり合って、アルケミー的に変化して、海となって地表にひろがった。ヴァルナ神は無限なる宇宙からひきずりおろされ、ネプチューン神として有限な海の支配者になった。

 

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 スタンザ-3 人を創造する試み (シュローカ 11~13)

 

  1. 主たちの主*が来た。彼は彼女の体から水を切り離した、すると、それは上なる天に、つまり最初の天(大気、空気、或いは天球層)になった。

 <注(抄訳) >

 *主たちの主・・各種の神話で天地創造をしたとされる神のこと。

 

 **ここで伝承は再び宇宙論的な観点に戻っている。もっとも古い記述と同じ内容が「プラーナ」(ヒンドゥー教聖典)の中で繰り返され、モーゼの記述の中でも繰り返されている。

 

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  1. 偉大なチョーハン〈天使〉たちは、空気のような身体の月の主たちを呼んだ。「“人々”を出現させよと彼らは命じられた。あなたがたと同じ本質をもつ“人々”をつくりなさい。 彼らの内面にそれらの形体を与えなさい。 彼女(母なる地球または自然)は外側の覆いをつくるだろう。彼らは、男女両性体**になる。炎の主たちもまたそうであろう・・・。」

 

  <注(抄訳) >

  *月の主たち・・インドにおいては、彼らはピトリ(月の霊)たちと呼ばれている。

 

  **男女両性体・・最初に生まれる人間は単性(男女両性体)であり、第三人種のなかばに男女二つの性に分離する。

 

   ——————————*—————————*—————————

 

  1. 彼らは、それぞれが割り当てられた土地に行った、彼ら七存在がそれぞれの土地に。 炎の主たちは背後に残った。彼らは行かない、彼らは創造しない。**

 <注(抄訳) >

 **秘教の教えは、聖なる創造者たちが地球の七つの部分に人間を創造したと教えている。つまり、七つの異なる領域に外見も中身も異なる七種の人種を創造したということだ。この多産的な主張についてはスタンザ7で考察する。

  

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 スタンザ-4.  第一人種の創造(シュローカ 14~17)

  

 14. 七つの大軍「意識-生まれの主」は、生命付与の霊によって動かされ、彼ら自身から分離させ、それぞれ彼自身の領域上においた**。

     

 <注(抄訳) >

 **・・・彼らは「影」またはアストラル体を脱ぎすてた。 「月の霊」のようなエーテルの存在が殆ど具現化されていない体を脇において、ひとつの星のなかで喜ぶのではないかと推測できるかもしれない。 ブラフマンがスーラたち(神々)を吐きだすとアスラになったように「祖先たち」は最初の「人」を息のように吐き出したと述べている。第三の注釈書は、彼らは新しく生まれた「人々」で、影の影だと述べている。

 

  ——————————*—————————*—————————

 

 15. 七度、未来の人々の七つの影が、それぞれが独自の色と種類で生まれた。どれも彼らの父よりも劣っていた。骨のない父たちは、骨のある存在に生命を与えることができなかった。かれらの後に続くものたちは形体もマインドもないブータ(地縛の魂)たちだった。したがって彼らはチャーヤー(像あるいは影)と呼ばれた。

 

   ——————————*—————————*—————————

 

 16. どのように、マヌーシャが生まれたのか? 意識をもつマヌ*たちである彼らはどのように作られたのか? 父は、彼ら自身の火に助けを求めた、それは地球の中で燃える火だ。 地球の霊は、太陽の火に彼の助けを求めた。 これらの三つは協力して良いルパ(形体)を生みだした。それは立ち、歩き、走り、よこたわり、飛べた。だが、それはまだ感覚のない影に過ぎなかった・・・。

 

 <注(抄訳)>

 *マヌ・・・この名はサンスクリット語で「考える」ことを意味する動詞“man”即ち”人“に由来している、実際には第一番目のマヌであるスヴァヤンブーのことだった。彼らは独立自在者のスヴァヤンブー《即ちブラフマー》から生まれたのであるから、最初の立法者たちであるマヌは殆ど神といえるような存在である。またインドの偉大な立法者名でもある。

 

   ——————————*—————————*—————————

 

 17. 息は、形体を必要とした、父たちがそれを与えた。 息は、大雑把な身体を必要とした、 地球がそれを形作った。息は、生命の霊を必要とした、太陽のラー(太陽霊)が息をその形体に吹き込んだ。息は、その身体の鏡を必要とした、「我々は我々自身の鏡を与えた」とディヤーニ(天使)たちは言った。息は、欲望の乗り物を必要とした、「それはもう持っている」と水を干上がらせた者はいった。しかし、息は、宇宙を受け入れるマインド(意思)を必要とした、「我々は、それを与えることができない」と父たちは言った。「私はそれを決して持たなかった」と地球の霊は言った。「私のそれを与えると、身体は焼きつくされてしまうだろう」と偉大な火が言った・・・「人」は、空ろで無感覚なブータ(地縛の魂・エレメンタル)のままでいた・・・このように、骨格の無いものたちは生命を授かり第三人種の中で骨格をもつ人々になった。**。

 

 <注(抄訳)>

 **・・・十分な説明はスタンザ5にあるので、ここでは、いくつかの注釈にとどめる。原始的な物理的人間あるいは、その身体の〈父たち〉というのは、太陽に住む生命電気の原理のことである。月が母である。なぜなら月の神秘的な力は、動植物の成長に決定的な影響をあたえるのとおなじように、人間の発芽と成長に決定的な影響をあたえ、それを方向づけるからだ。 “風”あるいはエーテルは、ここでは地球上に太陽と月の作用を伝えてまきちらす働きをするものを意味している。もちろん、このほかに真の人間をつくりだすには“生ける火”が必要だ。

 

 

   ——————————*—————————*—————————

  

  スタンザ ―5. 第二人種の進化  (シュローカ 18~21 ) 

 

 18. 最初は、ヨーガの子たちだった。彼らは黄色い父と白い母の子たちである。

 

≪後になって注釈書は、この文を次のように訳している≫

「太陽の子たち、そして月の子たち(風あるいは)エーテルの幼子たち・・・**(a)。

彼らは主たちの影の影だった**(b)。 彼ら(影)は拡がった。 地球の霊は彼らに被いをかけた、 太陽のラー(太陽霊)は彼らを暖めた(すなわち展開途中の物理的形態のなかで生命の火を保った)息吹たちは生命を持ったが、そのことを理解しなかった。 彼らは彼ら自身の火も水も持たなかった。

 

 <注(抄訳)>

**(a)・・・この点について、ヘルメスのエメラルドタブレットは秘教的な意味合いの七つの鍵を持っていることを忘れないでいよう。(宇宙-科学は学徒たちには周知のことであり、文化人類学的なものをいま与えるだろうか。「人」についての「ひとつの存在」の記載がある。 それは「ひとつの存在の父は太陽である。その母は月である。風は彼の胸でそれを運ぶ、そして、その養生者は霊的な地球である。」同じことを秘教の解釈のなかで付け加えていた「霊的な火はその導師である」。この火はハイヤーセルフ(霊的本質)、つまり霊的な自我(霊我)であり、自身の低級自我の影響をうけて、生きようという欲望に満たされて、生まれ変わるたびに変化しながら永遠に転生を続けている。

 

**(b)・・・「彼らは主たちの影の影であった」という一文は、先祖たちが彼ら自身のアストラル体から人をつくったと、普遍的な信条を説明する。デーヴァ(自然霊)たちは、彼ら自身の影を持たないで、東側に残っている。「デーヴァ(自然霊)たちは、無の影たちを投げた」、これは良い聖なる霊の確かな徴候である。

なぜ彼らは、彼ら自身の火や水を持たなかっただろう?

 

 

   ——————————*—————————*—————————

 

 

 19. 二番目の人種は発芽と増殖によって生成された。性別のない影たちから生成された単性の生命形体である。おおラヌー(弟子)よ、第二人種はこのようにして生成されたのだ**。

 

 <注(抄訳)>

**・・・科学の権威者たちからは、第二人種である「汗-生まれ」の父たちと、「卵-生まれ」の両性具有者である第三人種は、最も激しい批判を浴びるであろう。これらのふたつの生殖方法は、西欧的な精神を持つ者にとって、最も理解するのが難しいだろう。

 

「芽を出す」は、スタンザでよく使われる言葉である。これらのチャーヤー(影)たちは、どのように彼ら自身を繁殖させることができたのだろうか、 彼らはエーテル体で、性とは無関係で、まだカーマ・ルーパ(欲望によって作られた精妙な体で、第三人種で唯一進化したのか?)という欲望の乗り物さえ持たずに第二人種として生じた。

 

  ——————————*—————————*—————————

 

 20. 彼らの父は自ら生まれた存在だった。チャーヤー(影)は自ら生まれた存在、つまり薄明の子たちとよばれる主たち(父たち)の輝く身体から生まれた。

 

   ——————————*—————————*—————————

 

 21. その人種が老いたとき、古い水がもっと新鮮な水と混ざった。その水滴が濁ると、それらは新しい流れの中に拡散して消えた。最初のものの外殻は二番目のものの内部になった。 古い翼は新しい影になり、翼の影になった。

 

    ——————————*—————————*—————————

 

 

 スタンザ―6「汗‐生まれ」の者たちの進化 (シュローカ 22~23)

 

 22. それから第二人種は第三人種**(卵‐生まれ)を進化させた。 汗*は成長し、そのしずくたちは成長して堅く、丸くなった。太陽はそれを暖めた。月がそれを冷やして形づくった。風がそれを養うと、それらは熟した。星の天空から白鳥が大きいしずくを覆いこんだ。これは将来の種になる卵(人-白鳥)、つまり後期第三人種の卵である。最初は両性具有者であったが、後になって男性と女性に分離した。

 

 <訳者注>

**第三人種・・・人類を進化させるため、バルヒシャッド(月連鎖の天体D出身者)たちの一部は、後期第三人種のなかに転生し、その形体は神々しいほど美しく、眩しい額より宝石のように輝く単眼で眉目麗しい両性具有の巨人族となった。彼らは聖王として君臨して、いくつもの巨大都市と壮麗な神殿をたてた。(・神智学大要第五巻 たま出版 P238より)

 

 <注>

*汗・・・第三人種は無性生殖によって生じた。

  

    ——————————*—————————*—————————

 

 

 23. 「自己‐生まれ」のものたちはチュハーヤたち、すなわち薄明かりの子たちの身体の影たちであった。水も火も彼らを破壊することはできない。だが彼らの子たちは破壊された。**

 

 <注(抄訳)>

**・・・この文は、注釈書の助けがないと理解できない。先祖の「影」たちである、第一人種は傷つくこともなく、死により破壊されることもなかった。エーテル的な存在で、あまりにも非人間的なので、いかなる元素の影響もなく、洪水や火災であっても影響を与えることができないからだ。しかし彼らの「子たち」つまり第二人種は、そうであっても破壊された。

「先祖」が彼ら自身がつくりだしたアストラル体のなかに吸収されたように、アストラル体は、「汗-生まれ」のなかに吸収された。これら第二番目の人類は、多くの異種混交によって巨大な半-人間の怪物になった、人間の身体をつくろうとした自然の最初の試みであった。永遠の花園であった第二大陸(現在のグリーンランド)は常春のエデンの楽園から、極北の冥府に変わった。この変化は地球上の海床の変化による。この地殻変動によって、第二人種の殆どが死滅した。

 

    ——————————*—————————*—————————

 

(つづく)

 

  ◎このシークレット・ドクトリンのスタンザ及び脚注の抄訳は、2012年4月~5月に書いたSNS(mixi)日記を編集・修正してこちらにまとめたものです。

(2018/5/6  字句修正・・・根本人種から 人種に)

【秘密教義】 第2巻 人類発生論 スタンザ

   <<1888年に出版された H.P.ブラヴァツキー の著作>>

 

シークレット・ドクトリン【秘密教義】 第2巻 人類発生論 スタンザ

   

                      H.P.ブラヴァツキー 著

                         Aquamarith (ハテナ・名)    訳  

 

 原書として、Theosophical University Press版 【 The Secret Doctrine】 を参照しました。

 

       

   第二巻人類発生論  

 

  スタンザ-1. 知覚を持つ生命の始まり (シュローカ 1~4)

 

 1.四番目の回転をさせるラー(霊)は、7つのラー(惑星霊)に仕え、彼らは、彼らの主(一つ目)のまわりに自らの戦車(馬車)を動かし進ませる。彼の息は七つに生命を授けた、彼の息は最初のものに生命を授けた。

 

 

 2.地球は言った、— 「輝く顔の主よ、私の家は空っぽです。この輪(車輪)の人々にあなたの子たちを送りこんでください。あなたは智慧の主にあなたの七人の子たちを送ったではないですか。智慧の主は近づくあなたを七倍も近く見て彼はあなたを七倍も近くに感じている。あなたに仕える小さな環たちに光と熱をつかまえることや、その通路上を遮断するという、あなたの偉大なる恩恵を禁じている。あなたに仕えるものに同じことをいま与えてください。」

 

 3.「輝く顔の支配者」は言った、—「きみの働きが始まったら、私はきみに火をひとつ送ろう。 きみの声を他のロカス(Lokas)まで上げよ、きみの父である蓮華の主より彼の子たちを遣わせよ・・・きみの"人々"は、父の法の下に支配されるだろう。きみの“人々”は死ぬべき運命をもつ。智慧の主の人々は、月の子たちとは違って、不死だ。不満をやめよ。きみは七つの殻をいまだにまとう・・きみと、きみの"人々"はまだ準備ができていない。」 

 

 4.はげしい苦しみの後、彼女は古い三つを脱ぎ捨て、新しい七つの殻をまとい、彼女の最初のひとつとして立った。

 

 

  スタンザ―2. 援助を受けなかった自然は失敗する  (シュローカ 5~10)

 

 5. 輪(車輪)は、30クロル(三億年)回転した。 それは形態を構築した、柔らかい石は 堅くなり、堅い植物たちは柔らかくなった。見えなかったものが見えるようになり、昆虫たちや小さな生き物たちが生まれた。彼女(地球)は 彼らが母にはびこるたびに、それらを彼女の背中から振り落した・・・30クロル(三億年)回転したあと、彼女は向きを変えた。 彼女は、仰向けに横たわった。 つぎに横向きになった・・・ 彼女は天上の子たちを誰も呼ぼうとしなかった、彼女は智慧の子たちに何も尋ねなかった。 彼女は、彼女自身の胸から創造した。 彼女は恐ろしく邪悪な「水-人」たちを進化させた。

 

 6. 彼女は恐ろしく邪悪な「水-人」を彼女自身から創造した、他の残骸(鉱物、植物、そして動物の残り)と、ねば土(スライム)から彼女の第一、第二、第三の彼らを形作った。ディヤーニ(天使)たちが来て、これらを見た。 — 輝く父-母からのディヤーニ(天使)たち、彼らは白い領域から、不死なる者と死すべき者の住処から来た。

 

 7. 彼らは不快だった。 我々の肉体は、そこにない。五番目の我々の兄弟たちにふさわしい形体はない。ここは生命が住む為の場所ではない。濁っていない純粋な水を彼らは飲まなければならない。それらを干上がらせてしまおう。

 

 

 8. 炎たちが到来した。火花を散らす炎たち。夜の火たちと昼の火たち。彼らは、濁った暗い海を干上げた。 自らの熱で彼らはそれらを消した。高位のラーたちと、低位のラーマインたちがやってきた。彼らは、二つの顔や四つの顔をもつ者たちを根絶した。 彼らはヤギ人間と犬頭人間、そして半漁人と戦った。

 

 9. 母なる水、偉大な海は泣いた。彼女は立ち上がり、彼女を持ち上げた月のなかに姿を消した、月は彼女の生命を与えた場所だ。

 

 10. 彼らが絶滅した後、母なる地球は不毛の地であった。 彼女は干上がりたいと、頼んだ。

 

 

  スタンザー 3.人を創造する試み  (シュローカ 11~13 )

 

 11. 主たちの主が来た。彼は彼女の体から水を切り離した、すると、それは上なる天に、つまり最初の天(大気、空気、或いは天球層)になった。

 

 12. 偉大なチョーハン〈天使〉たちは、空気のような身体の月の主たちを呼んだ。「“人々”を出現させよと彼らは命じられた。あなたがたと同じ本質をもつ“人々”をつくりなさい。 彼らの内面にそれらの形態を与えなさい。 彼女(母なる地球または自然)は外側の覆いをつくるだろう。彼らは、男女両性体になる。炎の主たちもまたそうであろう・・・。」

 

 13. 彼らは、それぞれが割り当てられた土地に行った、彼ら七存在がそれぞれの土地に。 炎の主たちは背後に残った。彼らは行かなかったし、彼らは創造しなかった。

 

  スタンザー 4. 第一人種の創造  (シュローカ 14~17)

 

 14. 七つの大軍「意識-生まれの主」は、生命付与の霊によって動かされ、彼ら自身から分離させ、それぞれ彼自身の領域上においた。

 

 15. 七度、未来の人々の七つの影が、それぞれが独自の色と種類で生まれた。どれも彼らの父よりも劣っていた。骨のない父たちは、骨のある存在に生命を与えることができなかった。かれらの後に続くものたちは形体もマインドもないブータ(地縛の魂)たちだった。したがって彼らはチャーヤー(像あるいは影)と呼ばれた。

 

 16. どのように、マヌーシャが生まれたのか?マインドをもつマヌたちである彼らはどのように作られたのか? 父たちは、彼ら自身の火に助けを求めた、それは地球の中で燃える火だ。 地球の霊は、太陽の火に助けを求めた。 これらの三つは協力して良いルパ(形体)を生みだした。それは立ち、歩き、走り、よこたわり、飛べた。だが、それはまだ感覚のない影に過ぎなかった・・・。

 

 17.息は、形体を必要とした、父たちがそれを与えた。 息は、大雑把な身体を必要とした、 地球がそれを形作った。息は、生命の霊を必要とした、太陽のラー(太陽霊)が息をその形体に吹き込んだ。息は、その身体の鏡を必要とした、「我々は我々自身の鏡を与えた」とディヤーニ(天使)たちは言った。息は、欲望の乗り物を必要とした、「それはもう持っている」と水を干上がらせた者はいった。しかし、息は、宇宙を受け入れるマインド(意思)を必要とした、「我々は、それを与えることができない」と父たちは言った。「私はそれを決して持たなかった」と地球の霊は言った。「私のを与えると、身体は焼きつくされてしまうだろう」と偉大な火が言った・・・「人」は、空ろで無感覚なブータ(地縛の魂・エレメンタル)のままでいた・・・このように、骨格の無いものたちは生命を授かり第三根本人種の中で骨格をもつ人々になった。

 

 

  スタンザ ―5. 第二人種の進化  (シュローカ 18~21 )

 

 18. 最初は、ヨーガの子たちだった。彼らは黄色い父と白い母の子たちである。

 

 ≪後になって注釈書は、この文を次のように訳している≫

「太陽の子たち、そして月の子たち(風あるいは)エーテルの幼子たち・・・。

彼らは主たちの影の影だった。 彼ら(影)は拡がった。 地球の霊は彼らに被いをかけた、 太陽のラー(太陽霊)は彼らを暖めた(すなわち展開途中の物理的形態のなかで生命の火を保った)息吹たちは生命を持ったが、そのことを理解しなかった。 彼らは彼ら自身の火も水も持たなかった。

 

 19. 二番目の人種は発芽と増殖によって生成された。性別のない影たちから生成された単性の生命形体である。おおラヌー(弟子)よ、第二人種はこのようにして生成されたのだ。

 

 20. 彼らの父は自ら生まれた存在だった。チャーヤー(影)は自ら生まれた存在、つまり薄明の子たちとよばれる主たち(父たち)の輝く身体から生まれた。

 

 21. その人種が老いたとき、古い水がもっと新鮮な水と混ざった。その水滴が濁ると、それらは新しい流れの中に拡散して消えた。最初のものの外殻は二番目のものの内部になった。 古い翼は新しい影になり、翼の影になった。

 

  スタンザ ―6. 「汗‐生まれ」の者たちの進化 (シュローカ22~23)

 

 22. それから第二人種は第三人種(卵‐生まれ)を進化させた。 汗は成長し、そのしずくたちは成長して堅く、丸くなった。太陽はそれを暖めた。月がそれを冷やして形づくった。風がそれを養うと、それらは熟した。星の天空から白鳥が大きいしずくを覆いこんだ。これは将来の種になる卵(人-白鳥)、つまり後期第三人種の卵である。最初は両性具有者であったが、後になって男性と女性に分離した。

 

 23. 「自己‐生まれ」のものたちはチャーヤーたち、すなわち薄明かりの子たちの身体の影たちであった。水も火も彼らを破壊することはできない。だが彼らの子たちは破壊された。

 

  スタンザ ―7. 亜神性なる者から最初の人種への降下 (シュローカ 24~27)

 

 24. 再生の準備が整い、智慧の子たち、夜の子たちが、降下して来た、彼らは最初の第三人種(レムリア人)の邪悪な形体を見た、主たちは「我々は選択をすることができる」と言った、「我々は智慧を持っている」。何人かはチャーヤー(影)の中に入った。 何人かは火花を放射した、何人かは第四人種(アトランティス人)まで待つことにした。彼ら自身の本質によってカーマ(欲望)は占められた。入った人々はアルハット(阿羅漢)になった。火花だけを受けとったものたちは、知識を欠いたままだった、火の粉は、低次のものたちを焼き尽くした。第三人種はマインドが無いままだった。 彼らのジーヴァはまだ準備ができていなかった。これらは七つに振り分けられた。 彼らは狭い頭部をしたもの、になった。第三人種の準備ができた。「これらの中に我々は住もう」と炎の主たちは言った。

 

 25. 智慧の子たちはどうのどのように振舞ったか? 彼らは「自ら-生まれ」を拒否した。彼らは準備ができていない。彼らは「汗-生まれ」を軽蔑した。彼らは、まだ準備ができていない。彼らは最初の「卵-生まれ」に入るのを拒むだろう。

 

 26. 「汗-生まれ」が「卵-生まれ」をつくった、「卵-生まれ(第三人種)」は二重で強く骨格があった、智慧の主は言った「いま我々が創造する。」

 

 27. そして、第三人種は、智慧の主たちの乗り物になった。そしてクリヤーシャクティによって「意志とヨーガの子たち」をつくった、つまり神聖な父、阿羅漢の先祖をつくった。 

 

  スタンザ―8. 哺乳動物たちの進化―最初の転落 (シュローカ 28~32 )

 

 28. 汗のしずくたちから、 物質の残りから、つまり前の輪(第三連鎖)の人々と動物たちの死骸を構成していた物質と、投げ捨てられた塵から最初の動物がつくられた。

 

 29. 骨をもつ動物たち、深みの龍たちと空飛ぶヘビたちが、這い回る生物たちの仲間に加わった。地上を這い回る彼らは翼を持った。水のなかの長い首をもつ彼らは空を飛ぶ鳥の先祖になった。

 

 30. 第三人種の間に、骨がない動物たちは成長して変化した、 彼らは骨をもつ動物になった、彼らのチャーヤー(影)たちも固くなった。

 

 31. 動物たちが先に分離した。動物たちは繁殖し始めた。そして二重の“人”も分離した。彼(人)は言った、「彼らと同じようにしよう、結びついて生物たちをつくろう」。彼らはそうした。

 

 32. そこで、火花を持たないものたち(狭い‐頭部のものたち)は、巨大な“雌‐動物たち”のそれらを受け入れた。彼らは口がきけない人種を生んだ。彼ら(狭い‐頭部のものたち)自身も口がきけなかった。しかし、彼らは舌を解き放った。彼らが生んだ者たちの舌はまだそのままだった。彼らは怪物を生んだ。ねじれた赤毛の怪物たちの種族は四つ足で這い回った。彼らが口をきくことが出来なかったのは、恥ずべき事を口にしないためである。

 

  スタンザ ―9. 人の最期の進化  (シュローカ33~37) 

 

 33. その罪を見ていて、人々を創造しなかったラーたち(霊たち、智慧の息子たち)は嘆き悲しんでこう言った—

 

 34. 意識を持たない亜人種は私たちの未来の住居を汚した。これがカルマだ。私たちは他のものたちの中に住もう。これ以上悪いことが起きないように私たちは彼らが善くなるように教えよう。彼らはそうした・・・

 

 35. そして、すべての人々にマナス(理智)が授けられた。彼らは意識を持たない者の罪を見た。

 

 36. 第四人種は、言葉を発達させた。

 

 37. 一なる両性具有者は二つに別れ、いまだ両性具有だった生物たちや地を這うものたち、つまり巨大な魚、鳥たち、そして頭部が甲羅で覆われたヘビたちも分離した。

 

 

  スタンザ ―10.    第四人種の歴史  (シュローカ 38~42)

 

 38. そうして、七つの領域で二つずつ分離して行き、第三人種」は第四人種の人々を生んだ。神々(スーラ)は非神々(アスーラ)になった。

 

 39. あらゆる領域の第一人種は月のような黄白色をしていた、第二人種は黄金色のような黄色をしていた、第三人種は赤色だった、第本人種は茶褐色だったが、罪により黒くなった。最初の七つの人間の芽生えの頃は、すべて同じ外観だった。次の七亜人種は彼らの色を混合し始めた。

 

 40. それから第三人種と第四人種は背が高く、誇り高くなった。「 我々は王であり、我々は神である」と言った。

 

 41. 彼らは美しい妻をめとった。狭い-頭部を持つ、意識を持たない(亜人種)妻たちである。彼らは怪物を育てた。邪悪な悪魔たちと、男女を生んだ、僅かに意識を持つカド(ダキニ)を生んだ。

 

 42. 彼らは、人間の体の為にいくつかの寺院を建てた。彼らは男性と女性を崇拝した。もはや第三の目は機能していなかった。

 

 

 スタンザ ―11. 第四人種と第五人種の文明と崩壊  (シュローカ43~46)

 

 43. 彼ら(レムリア人)は巨大な都市を建造した。彼らは希土酸化物(レアアース)と金属で建造した、それらは溶岩から吐きだされたものだった。彼らは山々の白い大理石と地下の火で黒くなった石を使い自分たちの大きさや姿かたちに酷似した像を彫った、そして彼らはそれを崇拝した。

 

 44. 彼ら(アトランティス人)は9ヤティス(27フィート〔約8メートル10センチ〕)の高さの巨像(彼らの身体の大きさ)を建てた。内なる火が彼らの父たちの地(レムリア大陸)を破壊した。水が第人種を脅かした。

 

 45. 最初の大洪水が来た。洪水は七つの偉大な島々を飲み込んだ。

 

 46. すべての聖なる者たちは救われ、聖なる者でないものは滅びた。地の汗から生まれた巨大な動物たちの、その殆どは供に滅んだ。

 

  スタンザー12. 第五人種とその神聖な指導者たち (シュローカ47~49 )

 

 47. 僅かな人々が残った、あるものは黄色で、ある者は茶褐色そして黒く、さらに赤い者たちもいた、月色の者たち(原初の神聖な種族)は永遠に失われた。

 

 48. 残った神聖な種族から第五人種がつくられた。それらは彼女の最初の聖なる王たちによって統治された。

 

 49. ・・・再び降下した「ヘビたち」は第五人種と供に平和を築いた、「ヘビたち」は教え、導いた・・・

 

 

 これで第2巻のスタンザは終わりです。

 

 ◎このシークレット・ドクトリン第2巻のスタンザは、2012年4月~5月に書いた某SNS(mixi)日記をこちらにまとめたもの(掲載にあたり多少修正有)です。

 

2019/12/29   スタンザ4・シュローカ14の字句翻訳の訂正  「招き入れる七存在たち」を「7つの大群」に変えました。

はじめに。

 ブラヴァツキー夫人の著作である シークレット・ドクトリンの第1巻は宇宙的な全体像を描き出し、第2巻では人類の霊性及び進化や歴史、秘教の伝統の解説をしています。シークレット・ドクトリンの日本語訳は田中恵美子氏によって、第2巻・第1部まで翻訳されており、それ以外は未翻訳でした。昨年(2017年)12月に第2巻・第1部が竜王文庫(忠源氏翻訳)から発売されています、抄訳では、東條氏の『シークレット・ドクトリンを読む』が既に出版されていて、高額な中古本となっています。

 シークレット・ドクトリンは100年以上も前に英語で出版され、英語圏の国々においては隠れたベストセラーとして広く読まれていると言われています、当時、英語版からドイツ語への翻訳は早期になされたようです、最近は英語版、ドイツ語版の両方がインターネット上で無料で読むことができます、それなのに日本語訳が殆どなされていない事、中古本が高額になっていることは、とても残念なことだと思います。

 今回まったくの素人の翻訳それも、ほんの僅かな抄訳ですがチャレンジしてみました、誤訳もあるかと思いますので不明な箇所は原著を御覧ください、