H.P.B.著作の和訳を試みる & 関連の話題 blog

ヘレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー (1831年 – 1891年) は、近代神智学を創唱しました。・・・主に彼女の代表作である「シークレット・ドクトリン」の和訳を試みています。

【秘密教義】 第2巻―人類発生論 第1部  スタンザ+抄訳7〜12

    <<1888年に出版された H.P.ブラヴァツキー の著作>>

 

        シークレット・ドクトリン【秘密教義】 

 

 

         第2巻―第1部  スタンザ7〜12

 

                      H.P.ブラヴァツキー 著

                                 Aquamarith (ハテナ・名)    訳 

 

 

スタンザ―7 亜神性なる者から最初の人種への降下 (シュローカ24~27

 

 24. 再生の準備が整い、智慧の子たち、夜の子たちが、降下して来た、彼らは最初の第三人種(レムリア人)の邪悪な形体を見た、主たちは「我々は選択をすることができる」と言った、「我々は智慧を持っている」。何人かはチャーヤー、(影)の中に入った。 何人かは火花を放射した、何人かは第四人種(アトランティス人)まで待つことにした。彼ら自身の本質によってカーマ(欲望)は占められた。入った人々はアルハット(阿羅漢)になった。火花だけを受けとったものたちは、知識を欠いたままだった、火の粉は、低位のものたちを焼き尽くした。第三人種はマインド(意識)が無いままだった。 彼らのジーヴァはまだ準備ができていなかった。これらは七つに振り分けられた。 彼らは狭い頭部をしたもの、になった。第三人種の準備ができた。「これらの中に我々は住もう」と炎の主たちは言った。**

 

 <注(抄訳) >

 **・・・諸悪の秘密、いわゆる天使の堕落と人としての始まりの時の記憶から、哲学者の頭脳を困惑させた多くの問題についての、すべての鍵をこのスローカは含んでいる。

 

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 25. 智慧の子たちはどのように振舞ったか? 彼らは「自ら-生まれ」を拒否した。彼らは準備ができていない。彼らは「汗-生まれ」を軽蔑した。彼らは、まだ準備ができていない。彼らは最初の「卵-生まれ」に入るのを拒むだろう。

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 26. 「汗-生まれ」が「卵-生まれ」をつくった、「卵-生まれ(第三人種)」は二重で強く骨格があった、智慧の主は言った「いま我々が創造する。」**

 

 <注(抄訳) >

 **・・・創造が、この時期であり、なぜそれ以前ではだめなのだろう?それは、つぎのスローカで説明されている。

 

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 27. そして、第三人種は、智慧の主たちの乗り物になった*(a)。そしてクリヤーシャクティ*(b)によって「意志とヨーガの子たち」をつくった、つまり神聖な父、阿羅漢の先祖をつくった。 

 

 <注(抄訳) >

 **(a)・・・創造することを拒んだ「智慧の主たち」であるヒンドゥー教のデーヴァたちであるのに、彼らはどのように創造したのだろうか? 明らかに、彼らはヒンドゥー教の神々のクマーラたちで「プラーナ」聖典ブラフマーの年長の子たち「サナンダナとヴェドハのその他の子たち」である、彼らは「欲求または情熱なしで、汚れてなくて、神聖な知恵で満たされているのに後継者を望まないままで、どうやって創造したのだろうか?」

 

 **(b)・・・クリヤーシャクティ — 「思い」のもつ不思議な力は、それを有する固有のエネルギーによって外部に認識できる現象の結果を生じることを可能にする。古代においては、どのような思いを持っても、その人自身の注意(そして意志)によって強く集中するならば、どんな思いでも外部的に現れると考えた、 同様に、強力な意志力により望ましい結果が生じた。 ヨーガの行者は、Itchasakti(意志力)とクリヤーシャクティ によって奇蹟をおこす。

 

 最初の人々はチャーヤー、(影)だった(1)、第二番目は「汗-生まれ」であり(2)、第三番目はクリヤーシャクティの力によって聖なる父たちが生んだ「卵-生まれ」たちだった(3)。第四番目はパドマパーニ(観自在菩薩の異名)の子供たちだった(4)。

もちろんこのような生殖の原始的な方法、つまり、汗のしずくを媒介した自身のイメージによる進化の方法、そのあとのヨーガによる方法、人々の思いを媒介とする魔法(クリヤーシャクティ)による方法 ― これらは、おとぎ話と考えられてしまう運命にある。 それでも、最初から始めて、最後で終わって、見せる事の無い自然だけでなく、それらの中で奇跡がありえなかったのかどうかということ、これは証明されなければならない。

 

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 スタンザ―8 哺乳動物たちの進化―最初の転落 (シュローカ 28~32

 

 28. 汗のしずくたちから、 物質の残りから、つまり前の輪(第三連鎖)の人々と動物たちの死骸を構成していた物質と、投げ捨てられた塵から最初の動物がつくられた。

 

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 29. 骨をもつ動物たち、深みの龍たちと空飛ぶヘビたちが、這い回る生物たちの仲間に加わった。地上を這い回る彼らは翼を持った。水のなかの長い首をもつ彼らは空を飛ぶ鳥の先祖になった。

 

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 30. 第三人種の間に、骨がない動物たちは成長して変化した、 彼らは骨をもつ動物になった、彼らのチャーヤー、(影)たちも固くなった。

 

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 31. 動物たちが先に分離した。動物たちは繁殖し始めた。そして二重の“人”も分離した。彼(人)は言った、「彼らと同じようにしよう、結びついて生物たちをつくろう」。彼らはそうした。

 

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 32. そこで、火花を持たないものたち(狭い‐頭部のものたち)は、巨大な“雌‐動物たち”のそれらを受け入れた**(a)。彼らは口がきけない人種を生んだ。彼ら(狭い‐頭部のものたち)自身も口がきけなかった。しかし、彼らは舌を解き放った**(b)。彼らが生んだ者たちの舌はまだそのままだった。彼らは怪物を生んだ。ねじれた赤毛の怪物たちの種族は四つ足で這い回った。彼らが口をきくことが出来なかったのは、恥ずべき事を口にしないためである。

 

 <注(抄訳) >

 **(a)・・・シュローカ31では、動物たち(第三人種の時代の)が「先に分離した」と言っている。この時代の人々は生物学的に、現代の人間(第五人種の中期を過ぎている)とは異なるということを心に留めておきたい。我々は「巨大な雌-動物たち」が何であったかについて知らされていない、しかし、彼らは確かに人々ではあったが、我々が今知っている、いかなるものとも異なっていた。

 

 **(b)・・・人間の口がきけるようになったということに関しては、後に述べる。

    

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 スタンザ―9 人の最期の進化 (シュローカ 33~37) 

 

 33. その罪を見ていて、人々を創造しなかったラーたち(霊たち、智慧の息子たち)は嘆き悲しんでこう言った—

 

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 34. 思慮の無い亜人種は私たちの未来の住居を汚した。これがカルマだ。私たちは他のものたちの中に住もう。これ以上悪いことが起きないように私たちは彼らが善くなるように教えよう。彼らはそうした・・・

 

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 35. そして、すべての人々にマナス(理智)が授けられた。彼らは意識を持たない者の罪を見た。

 

 

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 36. 第四人種は、言葉を発達させた**。

 

 <注(抄訳) >

 **・・・第三人種の終わりごろの、ほぼ完全に発達した最初の人間は「金色の有色人種」であり、後になって両性具有者から分離した者たちで、彼らは自らの意識を目覚めさせた黄色い顔の人々であった。それ以前は、いわゆるテレパシーと呼ばれる伝達方法を通じて彼らは情報交換していた、しかし「意志とヨーガの子たち」と呼ばれている人種は除いてである。

― 誰が最初の「智慧の子たち」を具現化したのだろうか ― この周期の人は物質的な身体だったので、思考するという行為は殆ど発達せず、低い地球のレベルを上回るほど高くなることはなかった。彼らの物質的身体は地球に属し、彼らのモナド(分霊)たちは、より高い階層に残った。・・・

 

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 37. 一なる両性具有者は二つに別れ、いまだ両性具有だった生物たちや地を這うものたち、つまり巨大な魚、鳥たち、そして頭部が甲羅で覆われたヘビたちも分離した**。

 

 <注(抄訳) >

 **・・・これは明らかに水陸両生の爬虫類の存在した年代に関するものである。そして、その間その年代には科学は人が存在しなかったと主張している!しかし、有史以前の大洪水時代に動物たちや怪物たちが存在したことを、古代人たちは知っていた!注釈書の第六章には、次のような一節がある、第三人種が分離し「人‐動物」を生みだすという罪におちたとき、これらの動物たちは狂暴になり、人々と動物たちは互いに破壊的だった。

その時まで罪はなく、命を奪い合う事もなかった。分離の後にサティヤ・ユガ(#)が終わった。永遠の春は、好ましい恒久的な季節の変化になった。人々は寒さを避ける為にシェルターを建設して、衣類を考案した。そして、人は優れた父たち、つまり高次の神々と天使たちに訴えた。

光輝く賢い蛇たちと龍たちである、ニルマーナカーヤ(#)であるナーガ、そしてブッダたちの先駆者が降りてきた。神聖な王たちが降りてきて、人々に科学と芸術を教えた。なぜなら人は最初の土地(第一人種が住んでいたエデン)に、もはや住めなくなっていたからだ。その土地は白い凍った屍になってしまっていた。

 

 <訳者・注>

 (#)サティヤ・ユガ・・・ユガとはヒンドゥー教で使う時間の単位で、一ユガは通常の360年。サティヤ・ユガは黄金時代であった、トレター・ユガ、ドゥワパラ・ユガと時代が進むにしたがい悪化していき、カリ・ユガで暗黒時代になる。

 

 (#)ニルマーナカーヤ・・・涅槃を放棄した菩薩の精妙体のような体を持つ存在、高位のアデプトのアストラル体

 

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 スタンザ ―10 第四人種の歴史 (シュローカ38~42 )

 

 38. そうして、七つの領域で二つずつ分離して行き、第三人種は第四人種の人々を生んだ。神々(スーラ)は非神々(アスーラ)になった**(a)。

 

 <注(抄訳) >

 **(a)・・・このシュローカ38を理解するために、スタンザ9の三つの章句を共に読まれなければならない。 進化のこの地点まで、人は物質的な性質より形而上学的な性質に属していた。いわゆる転落のあと、人種は急速に人間らしい姿に発達し始めた。そして、それは彼が神秘と超自然的な行為の本当の重要性と、転落の完全な意味を正しく理解するように命じられたということなのかもしれない。

 

 彼らは、自分たちのアストラル体より劣った身体をもった。なぜなら、彼らのチャーヤー(影)は七つの種族のなかの劣った種族に属するものから生まれたものだからだ。 「智慧の子たち」は第四人種が現れるまで、具現化(incarnation)*を先に延ばした、しかし、第四人種は、すでに罪と不純に染まっていたので、彼らは恐ろしいカルマ的な結果を引き起こし、それは今日まで続いている。彼ら自身が将来の邪悪な種の運び手である。それは彼らが自分たちが入り込むはずの身体を、決めずに延ばしていたので、すっかり汚してしまったからだ。(シュローカ32、36を参照。)

なぜならば、これがカルマの法則に背く彼らの反逆つまり「天使たちの転落」だった。

 

 単一の共通する起源を持つものたちでありながら、彼らがそれぞれ異なっている理由はいくつかある、それは彼らの潜在的可能性と精神的資質、みかけ、未来の特性などであった。

 

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 39. あらゆる領域の第一人種は月のような黄白色をしていた、第二人種は黄金色のような黄色をしていた、第三人種は赤色だった、第四人種は茶褐色だったが、罪により黒くなった。最初の七つの人間の芽生えの頃は、すべて同じ外観だった。次の七亜人種は彼らの色を混合し始めた**(b)。

 

 <注(抄訳) >

 **(b)・・・このシュローカは、人種的な分類だけに関係する。 厳密に言うと、秘教哲学は、修正された多原発生説を説いている。それは人種の起源が一致することを説く、祖先たちまたは「創造者たち」はすべて神聖な存在であるが、彼らが存在する階層は、さまざまに異なり、完成の段階もさまざまであったという、それでも人々は〔彼らから〕、その周期の大陸にある七つの違った場所に生まれた。

 

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  1. それから第三人種と第四人種は背が高く、誇り高くなった。「 我々は王であり、我々は神である」と言った**(a)。

 

 <注(抄訳) >

 **(a)・・・〔第三人種(レムリア人)は〕神聖な力をもつようになり、自身のなかの内なる神を感じることができるようになったので、身体的には動物でありながら、第三人種の誰もが、自分自身の本性が「人-神」であるように感じるようになっていた。彼らが智慧の木の果実を食べたまさしくその日から、二つのものの間で争いが始まった、二つのものとは、霊と魂、魂と肉体のことである。身体の支配を得て低級本質を征服したものたちは「光の子たち」に加わった。低級本質の犠牲になったものたちは、物質の奴隷になった。このものたちは「光と智慧の子たち」から「闇の子たち」になってしまった。彼らは不死の生命と死を免れない生命との葛藤に陥った、そして落ちてしまった、それら全ては来るべきアトランティス人〔後期第四人種〕の種子となった。

 

 

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 41. 彼らは美しい妻をめとった。狭い-頭部を持つ、意識を持たない(亜人種)妻たちである。彼らは怪物を育てた。邪悪な悪魔たちと、男女を生んだ、僅かに意識を持つカド(ダキニ)*を生んだ**(b)。

 

<注(抄訳) >

 *カド(ダキニ)・・・チベット語で、正しくはカドマ(khadoma)のこと。サンスクリット語では、ダーキニーという。インドの民話におけるダキニは、人間に敵対する女悪魔で、裸体でドクロや杯や武器をもって、未知の危険が潜む所、寂しく薄気味悪い所をうろついている。

 

 **(b)・・・ 地球での既知の最初の戦争は、最初の人間の暴力による発散で、人の目と感覚が開かれた結果であった、そのことは、彼を自分の娘より兄弟の娘や妻のほうが、美しく見えるようにしたということだった。サビヌ人(#)たち以前に略奪や強姦が起こり第五根本人種が生まれる前に彼らのへレネス(古代ギリシア人)のメネラウサスは奪われた。巨人たちのほうが、より強かった。 彼らは敵がいることにより賢明になった。第四人種の時代にこれらが起こり――これが巨人たちの伝説となった。

 

 <訳者・注>

(#)サビニ人 – Wikipediaより~サビニ人(ラテン語:Sabini)は、イタリア半島はローマの北東、ティベリス川一帯に住んでいた古代の部族である。好戦的で城壁を持たない町に住んでおり、サビニ人は自らの起源を「スパルタからの移民であると言っている」と言う。

 

ローマ人によって女性が強奪されたいわゆるサビニの女たちの略奪の後、ローマと4度の戦争を起こすが、結果的にローマに併合された。サビニ族出身のクラウディウス氏族はローマ最高の名門に登り詰めている。

 

 

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 42. 彼らは、人間の体の為にいくつかの寺院を建てた。彼らは男性と女性を崇拝した。もはや第三の目は機能していなかった。

 

 <注(抄訳) >

 **(c)・・・これは、崇拝行為の始まりである。これは後に堕落し、性的シンボルの崇拝になってしまった。

 

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 スタンザ―11 第四人種と第五人種種の文明と崩壊 (シュローカ43~46 )

 

 43. 彼ら(レムリア人)は巨大な都市を建造した。彼らは希土酸化物(レアアース)と金属で建造した、それらは溶岩から吐きだされたものだった。彼らは山々の白い大理石と地下の火で黒くなった石を使い自分たちの大きさや姿かたちに酷似した像を彫った、そして彼らはそれを崇拝した**(a)。

 

 <注(抄訳) >

 **(a)・・・最初の二つの人種の歴史 — 最後のレムリア人と最初のアトランティス人 — わたしたちはこの双方の彼らについて、しばらくの間話すことにする。

 

 ここでは神聖王朝が、エジプト人、カルデア人ギリシア人などの人間の王たちに先行して存在したという主張にまで言い及んでいる、今でも現代のヒンドゥー教徒らは先行した王朝の存在を信じていて、それらが記されている複数の聖典がある。

 

 現代の地質学者は、海中に沈んだ大陸の明白な存在を認めざるを得ない状況にある。しかし地質学的年代の初期に、それらの場所に人々が住んでいたことを認めたわけではない。

-なんということだろう、聖なる統治者たちの導きのもとで、文化的な国の人たちと旧石器時代の野蛮ではない人たちだけで、巨大な都市を築き、芸術と科学を発達させ、天文学を知り、建築と数学を完成させていた。.

 

現代人の想像とは違い、この原始的な文明においては、彼らの心理学的変化はすぐにはおきなかった。最初の都市が建設されて、最終的な進化がおきるまでの間は、数万年もの時が過ぎていった。・・・

 

 文明は、霊魂を犠牲にして身体と知力を発達させた。

 

 そしてアトランティス人たちが出現した、彼らは巨人で、身体的美しさと力は完璧で最高点に達した。進化の法則によれば、彼らは周期の真中に現れる第四亜人種だからだ。しかし注釈書は、つぎのようなことを述べている。

 

 ホワイト島(原始的なスヴェタ-デヴィパ(#))のブロンドの子供たちの最後の生存者は幾世代も前に絶滅した。彼ら(レムリア人)の選ばれた人は、神聖な島(今日ではゴビ砂漠にあるというシャンバラ伝説になっている)に避難した。一方、金色の黄色人種(第四人種)のその向う先は「罪による黒」であった、呪われた者たちのうち少数は、主流から離れ、密林と地下世界(「穴居人」)に住みついた。

 

 三度目の大変動が地球を襲い、極から極まで、地表の様子はすっかり変わってしまっていた、そしてもはや、ホワイト島の子たち、天上の人々、アディビヒターヤ(#)の子たちは住まなかった、東や西、最初のものと純粋なものは腐敗した・・・。 第三人種の半神半人たちは、第四人種の半魔半人に場所を譲った。

 

 <訳者・注>

(#)アディビヒターヤ(Adbhitanya)・・・(読み方?不明)多土地の名称。【この土地のもう一つの名前または地球の太古に居住された一部は、Adi-varsha.である】神智学用語集より。

 

(#)スヴェタ-デヴィパ(Sveta-dvipa)・・・(サンスクリット語、読み方?不明)ホワイト島のこと。 プラーナス(〔読み方?不明〕ヴィシュヌの住居、メール山とマハーヨギたちが住む島と呼ばれている)の天上の人々の住居。「ヴィシュヌのすべてのアバターはホワイト島が起源であり、その島から訪れると言われている。 チベットの伝統によると、ホワイト島は、他のドワイパ〔読み方、意味も不明〕で通常の運命を逃れることが出来る、火によっても水によっても破壊されることのない唯一の場所で — それは『永遠の土地』である。」神智学用語集より。

 

(#追加の注)・・・第三人種(レムリア人)を襲った大洪水のあと、人々の身体は、驚くほど小さくなり、寿命も短くなった。神に似たものに堕したために、かれらは動物種族と結婚したり、極地方に残っていた巨人族や小人族と結婚した。多くの者たちが神性を獲得した。しかし、もっと多くの者たちが不法な知識を手にし、自らの意志で左手の道(黒魔術)にすすんだ。

 

 

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 44. 彼ら(アトランティス人)は9ヤティス(27フィート〔約8メートル10センチ〕)の高さの巨像(彼らの身体の大きさ)を建てた。内なる火が彼らの父たちの地(レムリア大陸)を破壊した。水が第四人種を脅かした**(a)。

 

 <注(抄訳) >

 **(a)・・・イースター島(一部の疑う余地のない海中の大陸)で発見された殆どの巨大な像は注視する価値がある — 幾世代もの間(水中)に浸されていた地域、それらがゴビ砂漠の周辺で発見されていた、(巨大な像の)すべては、20フィートから30フィートの高さがある。クックがイースター島で発見した巨像郡は、測定すると殆どが高さ約27フィートと肩幅が約8フィートだった。

 

 

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 45. 最初の大洪水*が来た。洪水は七つの偉大な島々を飲み込んだ。

 

 <注(抄訳) >

 *最初の大洪水・・・これは、第四周期に地球上で起きた四番目の大洪水である。

 

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 46. すべての聖なる者たちは救われ、聖なる者でないものは滅びた。地の汗から生まれた巨大な動物たちの、その殆どは供に滅んだ。

 

 <注(抄訳) >

 **(b)・・・このように、巨人たちは滅びた。空想的な普通の伝承では、「聖なる全ては救われて」、魔術師たちや妖術使いたち、つまり「邪悪なものだけが破壊された」と付け加えられていた。しかし、そのことはカルマや自然の法則によって「第3の目」を失う事のなかった「神聖な」者たちから予知されていた。つぎに現れてくる第五根本人種について、注釈書はつぎのように述べている。

 

「選ばれた一握りの聖なる指導者たちだけが、聖なる島に移住した — 『そこから最後の救世主がやって来る』―彼らは、人類の半分が残りの半分を滅ぼさないように見張っている。人類は分割された。3分の2は、より低次の質料霊の王朝によって支配され、簡単にアクセスできる体を手に入れた、3分の1は聖なる具現者になった、つまり信仰を残しながら第五根本人種へとつながっていった。

(四回目の)地軸変動のときでも、第四人種から分離した者たちは保護されていて影響を受けなかった。レムリア人の時と同様に、不信心なアトランティス人は滅びた、『これ以上見られなかった。』・・・」

 

 

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 スタンザ12 第五人種とその神聖な指導者たち (シュローカ47~49 )

 

 47. 僅かな人々が残った、あるものは黄色で、ある者は茶褐色そして黒く、さらに赤い者たちもいた、月色の者たち(原初の神聖な種族)は永遠に失われた・・・**(a)

 

 <注(抄訳) >

 **(a)・・・この詩句47は、第五人種について述べている。歴史、あるいは歴史と称されているものは、ここで始まったわけではなく、永遠に繰り返される「生きる」という慣習ともいえる。これは 、実は我々の第五亜人種の幻想的な起源に基づいているのではなく、わずか数千年の出来事をそうよんでいるに過ぎない。それは、「黄色、茶褐色と黒色そして、赤色のいくらかは、残こった」という文章にあるように、第五人種の第一亜人種の細目について述べているのである。

 

「月色」(すなわち、第一と第二人種)は、全く痕跡を残さずに永遠に戻ることなく去っていった。なんということだろう、レムリア人を襲った三回目の「大洪水」である巨大な龍は、その尾で一瞬のうちに存在している全ての国家を跡形もなく消滅させてしまったのだ。

 これが注釈書に記された詩句の本当の意味である。「巨大な龍は、あえて智慧の『ヘビたち』に敬意をはらった、智慧のヘビたちが住む複数の穴は、現在、三角形状の石の下「つまり、世界の四つの場所(あるいは四隅)にあるピラミッドの下」にある。

 

 <訳者・注>

 指導者たち(Instructors)とは・・・シークレット・ドクトリンでは、初期の人種は聖なる半神存在によって案内されて、導かれたと述べる。このように、第四人種またはアトランティス人種は、聖なる半神の支配者から、諸周期と天文学についての本来の知識、さらに芸術と科学についての本来の知識の教えを受けた。アトランティス以前の、レムロ‐アトランティスには、最初の「霊‐王」たちの王朝があった、ディヤーニたち(または半神たち)も教えを説き人類を案内するために姿を現した、そして人間に芸術と科学を教えた。(SD 2:222)神智学用語集より

 

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 48. 残った神聖な種族から第五人種がつくられた。それらは彼女の最初の聖なる王たちによって統治された。

 

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 49. ・・・再び降下した「ヘビたち」**は第五人種と供に平和を築いた、「ヘビたち」は教え、それを導いた・・・

 

 <注(抄訳) >

 **・・・これは、注釈書のなかで一度ならずとも話したことである、大師または、賢者たち(三つの人種〔第三、第四、第五人種〕)は地下に住んでいる、実際にピラミッドの下にいるとはかぎらないが、一般的にはピラミッド状の構造物の下に住んでいる、そのような「ピラミッド」が世界の四つの場所に存在したが、決してファラオたちの専有物ではなかった、そしてアメリカの二つの場所、それは地面の上と下、原始林の下や中に、平野と谷といった場所に散らばっていたのが発見されている、それらはエジプトに属する独自のものであると推測された。

 

 ヨーロッパのモルビアンとブルターニュ地域の、初期の新石器時代の洞穴の多い、ピラミッドがあるのではないかと推定された場所で、幾何学的に本当に正しいピラミッド(巨大な三角形のピラミッド状で円錐メンヒル(立石))がもはや見つからないならば、デンマークの塚やサルデーニャの「巨大な墓」でさえも、彼らが分けることができない仲間(ヌラギ、石の住居)と一緒で、その多くはピラミッドの劣った模造物である。

 

 ミシシッピ川の岸のニューオリンズでドゥラー博士が、発見した骨格に今から57,000年ほど遡った古代の人種のものであると推定年代を当てはめた事を、受け入れることができない人々は、これらの事実をもちろん拒むだろう。・・・

 

・・・しかし、「智慧のヘビ」は彼らの記録を良く維持した、人間の進化の歴史は、地下の壁に実際に痕跡を残したように、そのまま天上に痕跡を残した。人間性と星々は壊せないほど結びつく、なぜならば知性〔を含む様々な情報〕が最後に支配するからである。

 

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 これで第2巻スタンザの超抄訳および説明は終わりです。

 

 

  H.P.ブラヴァツキー の著作であるシークレット・ドクトリンの日本語訳は昨年(2017年)12月に第2巻・第1部が竜王文庫・源忠氏翻訳で発売されています、抄訳では、東條氏の『シークレット・ドクトリンを読む』が既に出版されていて、高額な中古本となっています。                     

 

 

 原書として、Theosophical University Press版 【 The Secret Doctrine】 を参照しました。

 

  ◎このシークレット・ドクトリンのスタンザ及び脚注の抄訳は、2012年4月~5月に書いた某SNS日記を編集・修正してこちらにまとめたものです。

 (2018/5/26 字句修正・・・ 根本人種から 人種に)