【秘密教義】 第1巻 宇宙発生論 スタンザ2
<<1888年に出版された H.P.ブラヴァツキー の著作>>
シークレット・ドクトリン【秘密教義】
第1巻 第1部 スタンザ2
H.P.ブラヴァツキー 著
aquamarith (ハテナ名) 訳
分化の概念
1....建設者たち、すなわちマンヴァンタラ*の夜明けの輝かしい子たちは、どこにいたのか? ... 彼らのア・ヒ的*パラニシュパンナ*の未知の暗黒の中に、無形-体すなわち世界の根から形体を作る者、デーヴァマートリ*とスヴァバヴァット*は非-存在と呼ばれる無上の喜びの中で休息していた。
2. ... 沈黙は、どこにあったのか? 沈黙を感じる耳はどこにあるのか? いや、沈黙も音もなかった、自らを知らぬ、絶え間のない永遠の息以外何もなかった。
3. 時間はまだ生じていなかった、 光線**は胚種のなかにはまだ閃めかなかった。マートリパドマ(母なる蓮華)*はまだ膨らまなかった。
4. 彼女のハート(心臓)は、一つの光線が入るためには、まだ開かれていなかった、それから、三つが四つになるように、マーヤー(幻影)*の膝の中に落ちていく。
5. 七名の子は、光の網からまだ生まれていなかった。暗黒だけが、父-母であり、スヴァバヴァット(抽象的宇宙物質)だった。スヴァバヴァットは暗黒のなかにあった。
6. これら二つは胚種であるが胚種はひとつである。宇宙はまだ神聖な思いと神聖な胸の中に隠されていた. . . .
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(訳者による・注)
*マンヴァンタラ・・・顕現期。アイオーンと同義。休息期をプララヤ(Pralaya)と言い、マンヴァンタラとプララヤは交互にくりかえす。
*ア・ヒ的・・・(チョーハン的、ディヤーニ・ブッダ的)ディヤーニ・チョーハンとは、宇宙の神々の総称。宇宙を管理する天上の存在たちのこと、ディヤーニ・ブッダとは金剛界五仏のこと。
*パラニシュパンナ・・・最高善つまり絶対者のこと、パラニルヴァーナと同義語。パラニルヴァーナ(般涅槃、円寂)
*デーヴァマートリ・・・神母。
*スヴァバヴァット・・・宇宙を満たしている万物の根源。科学のいうエーテルをある程度考慮すれば、宇宙にあまねく偏在する可塑質料である、単なる物質ではなく、霊(意識)と原初質料が混ざり合い一体となったもの、宇宙意識物質を意味する。秘教的には「父と母」のことである。
**光線・・・『永遠の闇』の光線は放射されると、輝かしい光、すなわち生命の『光線』となって『胚種』のなかへと射し込む。『胚種』は世界卵の中の一点である。世界卵は形而上学的な質料を象徴する。『一点』を言葉通りに受け取り、空間の中の特定の一点と理解してはいけない。すべての原子の中心に『胚種』がある、これらの中心が集合的に『胚種』を形成しているからである。
*マートリパドマ・・・母なる蓮華。
*マーヤー・・・幻影。インド哲学によると、顕現した宇宙はすべてマーヤーである。
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英文
1.. . . Where were the builders, the luminous sons of Manvantaric dawn? . . . In the unknown darkness in their Ah-hi Paranishpanna. The producers of form from no-form — the root of the world — the Devamatri and Svabhavat, rested in the bliss of non-being.
- . . . Where was silence? Where the ears to sense it? No, there was neither silence nor sound; naught save ceaseless eternal breath, which knows itself not.
- The hour had not yet struck; the ray had not yet flashed into the Germ; the Matripadma had not yet swollen.
- Her heart had not yet opened for the one ray to enter, thence to fall, as three into four, into the lap of Maya.
- The seven sons were not yet born from the web of light. Darkness alone was father-mother, Svabhavat; and Svabhavat was in darkness.
- These two are the Germ, and the Germ is one. The Universe was still concealed in the Divine thought and the Divine bosom. . . .
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- このシークレット・ドクトリンのスタンザの試訳は、2012年03月28日に書いたMIXI日記を編集・修正してこちらにまとめたものです。
- 原書として、Theosophical University Press版 【 The Secret Doctrine】 を参照しました。