H.P.ブラヴァツキーの名前が出てくる邦訳書ー地軸の変動、極について
☆地軸の変動
シークレット・ドクトリン第二巻スタンザ―2に地軸の変動についての記述がある。それは・・・
シュローカ5.・・・ 輪(車輪)は、30クロル(三億年)回転した。 それは形態を構築した、柔らかい石は 堅くなり、堅い植物たちは柔らかくなった。見えないものから見えるものが生まれ、昆虫たちや小さな生き物たちが生まれた。彼女(地球)は 彼らが母にはびこるたびに、それらを彼女の背中から振り落した**・・・30クロル(三億年)経った時、彼女は向きを変えた。 彼女は、仰向けに横たわった。 つぎに横向きになった・・・省略
脚注・・・これは地軸の変動とそれにともなう混乱をさしている。この混乱のなかで、怪物、半人間、半動物などが生まれた。これは寓話ではなく、死者の書や、カルデアの創世記やポイマンドレースにも記されている。
そしてスタンザ3,シュローカ11では・・・主たちの主*が来た。彼は彼女の体から水を切り離した、すると、それは上なる天に、つまり最初の天(大気、空気、或いは天球層)になった。
◎といったように地軸の変動の状態や物凄い天変地異の様子がはっきりと詩句にかかれている。
☆極について
ヒュペルボレアや、極の移動、ブラヴァツキーの名前まで書かれている邦訳書は珍しい、ジョスリン・ゴドウィン著 「北極の神秘主義」松田和也訳がその書である。(原書のタイトルは「ARKYOS」)
今から20年ぐらい前に図書館で借りて読んだときに、この著者がなにを言おうとしているのかが、さっぱりわからずにすぐに返却したことがある、何年か経ってシークレット・ドクトリン第2巻の予備ノートを読んだ後に、再度この書を読み、やっと少しわかってきました。
この邦訳書は極が主題であり、他にも黄金時代、ナチズム、スワスティカ、UFO、地球空洞説、地底都市シャンバラ、アガルタ、秘密結社、といったように取り扱う範囲は非常に広く、まとめようとしても、勉強不足な私にとっては難しく、興味深いが、続けて読むには大変なので気になっていた項目を時々、参照しようかしら?みたいな書でした。
地軸の変化
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この邦訳書の内容のうち、ブラヴァツキーが語る7つの大陸、失われたヒュペルボレア、アトランティスの両時代に関する解説、その要約が解りやすく述べられているので、その箇所だけ転載します。
7つの大陸
1—現在の「マンヴァンタラ(何百万年もの期間)の最初の大陸は、「不滅の聖地」である。これについてはほとんど何も語ることはできないが、ともかくそれは「ひとつの破壊され得ぬ地殻であり、北極全体を覆っていた・・・」。これは人類の第一根源人種の故郷であるが、この第一人種は「巨大ではあったが、形も色もなく、ほとんど目に見えなかった」。この我々の最初の祖先は、物質ではなくエーテル的な体をもっており、傷ついたり死んだりすることはなかった(プラトンによる、死ぬことも子を生むこともない種族との類似が思い起こされよう)。
2—第二の大陸は北極から南と西に広がっていた。それはグリーンランドからカムチャッカに広がる馬蹄形の大陸で、パフィン湾まで含んでいた。その上に出現したのが第二根源人種で、これは怪物的な、両生具有で半人間的な存在であった。彼らは「物質的な自然が人間の形をとろうとした最初の試みであったが、その大部分は最初の大破局によって滅んだ。このとき、グリーンランドおよびその他の北方の「常春のエデン」は「ヒュペルボレアの冥府」に変わってしまった。
3—第三の大陸はインド洋からオーストラリアまでおよんでいたので、ブラヴァツキーは当時の地理学者の用語である「レムリア」を借用した。これは第三根源人種の時代、「神々が地上を歩き、自由に人間と交わっていた」とされる(黄金時代)である。レムリア時代の進展とともに、最初の真正なる人類が出現した。彼らは両生具有の卵生生物から、次第にふたつの性に分かれていった。これが「人類の堕落」である。約1800万年前のことであった。
4—レムリア人々に終焉が訪れ、生き残った人々は第四根源人種を生んだ。彼らの故郷はアトランティスである。アトランティス最古の種族は、善の人種と悪の人種に分かれた。彼らの大陸は約85万年前に沈んだ。
5—第五根源人種である褐色—白色人種(アーリア人)は、アジアに出現した。それ以来、多くの土地が現れては消えた。その最後のものがプラトンの言う「アトランティス」であり、これは約12000年前に沈んだ巨大な大陸の残片である。
6.7—あとふたつの人種が、現在の「マンヴァンタラ」の終わりまでに出現することになっている。
ブラヴァツキーのもうひとつの主要な情報源であるヒンドゥー教の聖典「プラーナ」ではヒュペルボレアの土地はスヴィタ=ドヴィーパ、すなわち「白き島」と呼ばれ、その神話的中心は須彌山である。「ハイマヴァトチャンダ」によれば、この山は四つの巨大な基壇をもっていたという。この内、東の基壇は黄金、南は鉄、西は銀、北は真鍮でできていた。そこからは四つの川が流れ出ているが、そのすべては北極星の近くのヴィシュヌの足元から流れ出す天のガンジスに端を発する(聖書のエデンを流れていた四つの川を思い起こされよう)。ブラヴァツキーによれば、この聖なる土地は「各々の(周)を通じてマンヴァンタラの初めから終わりまで続く唯一のものである」——そしてこの(周)とは、おそらく四つの時代の金属でできた四つの支柱によって象徴されている。
以上転載いたしました。
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工作舎HP
http://www.kousakusha.co.jp/DTL/hokkyoku.html より目次等
北極の神秘主義[詳細]
人類の記憶に刻まれた「極の元型」の封印を解く!
太古、満天の星空が遙か北の一転を中心に回転していることに
人類が気づいて以来、われわれの心の奥深くに住み着き、
精神史の中に隠れた流れを形成してきた「極の元型」の記憶。
それは天の、地球の両極にまつわる観念を集積し、
古今の宗教やオカルト哲学に神々しいヴィジョンを提供する一方、
異端科学のさまざまな思想を編み上げてきた。
そしてナチスを優越人種の幻想に駆り立てたのも、
この「極の元型」がもつ強大なエネルギーだった!
■目次より ▲
第1部 ヒュペルボレアにて
第1章 黄金時代
地球の失われた時代/時代の周期
第2章 不滅の聖地
ブラヴァツキーの七つの大陸/ゲノンのヒュペルボレア論/ジャン・フォールの秘教年代学
第2部 北極光
第3章 北極の原郷
バイイの北方文化説/ウォレンの極の楽園説/ティラタの北極原郷
第4章 アーリア人の神話
アーリア人の優越性/アーリア主義と神智学/アーリア人のさまざまな原郷
第5章 トゥーレ協会
トゥーレの復活/ロシアのスワスティカ/ナチズムのオカルト的源流/監視者(ヴェイユール)たち/20世紀の神話/ユリウス・エヴォラ
第6章 黒騎士団
人ランディヒのトゥーレ主義小説/黒騎士団を追って/セラノは総統を賛美する/死者との進軍:ジャン・パルヴレスコの場合
第3部 隠された地
第7章 アガルタと〈北極星〉
アガルタ神話の起源/サン = ティーヴ・ダルヴェドール/極の同胞団/シャラトンのブラフマトマ
第8章 シャンバラ
チベットのシャンバラ観/ゴビのシャンバラ/リョーリョフ一家/シェイヴァー・ミステリー
第9章 極点の穴
地球空洞論小史/サイコメトリストと予言者たち/現代の地球空洞論者たち
第10章 南極大陸
南極の神話/ポオ、ヴェルヌ、ラヴクラフト/北と南の極性
第8章 シャンバラ
チベットのシャンバラ観/ゴビのシャンバラ/リョーリョフ一家/シェイヴァー・ミステリー
第4部 復活のアルカディア
第11章 象徴の極
ジョン・オニールの極の神話解読/スワスティカ/カドゥケウス/天の意志
第12章 太陽の伝説と極の伝統
ゲノンの黄道12宮仮説/黄道12宮の始まり/ミトラス教/諸天球の上昇
第13章 霊極
アンリ・コルバンによる神智学解釈/ダンテと〈極の伝統〉/二つの伝統とその危険性/地下の流れ
第5部 傾斜
第14章 激変論者たち
ギリシア哲学者たちの地軸傾斜観念/地球の神聖理論/初期の科学理論/彗星による洪水/月の接近
第15章 斉一論者たち
黄道傾斜角測定の変遷/モンマルトルの予言者/ノリッジの靴屋/現代の地質学理論
第16章 複合理論
ランドルフとドレイソンの破局理論/ブラヴァツキーの破局史/バビュスとサン = ティーヴ・ダルヴェドール
第17章 さまよえる極理論
大陸移動説小史/現代の地質学理論
第18章 復興/救済
極移動に関する科学の公式見解/極移動の予言
■著者紹介:ジョスリン・ゴドウィン Joscelyn Godwin 1945-
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イギリス出身の音楽史家。1966年にアメリカに移り、コーネル大学でPh. D. を取得。現在はコルゲート大学の音楽教授をつとめる。ピュタゴラス以来の音階的宇宙論への関心から、比較宗教学の領野も縦横に渉猟する。
邦訳書は『キルヒャーの世界図鑑』『星界の音楽』『音楽のエゾテリスム』(以上工作舎)、『交響するイコン』『図説 古代密儀宗教』(以上平凡社)がある。
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