【秘密教義】 第2巻 第2部ー21章 エノイキオン — へノック(その4)
<<1888年に出版された H.P.ブラヴァツキー の著作>>
ーーアウグスティヌスとエノクーー
シークレット・ドクトリン【秘密教義】
第2巻―第2部 ―21章
H.P.ブラヴァツキー 著
aquamarith (ハテナ名) 訳
◎アウグスティヌスとエノク
エノクはフレデリック・クレーの研究書に記述されている大洪水に関する数行(79頁)に預言的な出来事を読んだとでもいうのだろうか、“太陽を基準とする天体地球の位置が、今の時代と原初の時代では違っていたことは明らかである、これは地軸のずれに起因したのではないだろうか。”?
これは即ち、(現在の)太陽が現れる所で、かつては必ずしも上昇しなかった、そして黄道が赤道を直角に横断*していたということである、このことはエジプトの司祭たちがヘロドトスに示した他の非科学的陳述を思い起こさせる。
プラーナ、聖書と神話の至る所に “暗い格言”があり、それらはオカルティストに対して二つの事実を明かす、 (a) 古代の人々は現代人よりも、おそらく天文学、幾何学、宇宙史を熟知していただろう。(b) そして、地球とその生態は、原始的な状態から幾度も変わってきた。そして例えば、フェートンは隠された真理を学びたいと渇望したときに、太陽が通常の進路から逸脱したと決めた、それは彼の“無知な”宗教の盲信によるものであった — クセノパネスは“太陽が別の国に向かう”と断言した、もし大胆にもヨシュアが太陽の進路を完全に止めているのであれば、これは若干科学的である。 しかし実際に、万物の道理の前に、太陽が南から昇り、東側に寒冷地帯を位置づける北欧神話(Jeruskovenから)の教えを説明するかもしれない、ところが現在、寒冷地帯は北にある。
簡潔にいえば、エノク書は、第3、第4、第5人種の歴史における主な特徴が混成された概要である — そして世界的にも現時代からみても極めて少ない預言の書である — そして地質学的、民族学的、天文学的、および超自然的な歴史的出来事を古代ローマ時代の記録から切り取った長い回顧録であり — 内省的かつ予言的な要約である。この不思議な人物の書は、ピスティス・ソフィア、そしてゾハールとその最も古くからのミドラーシムにもおびただしく引用されていた。
アレクサンドリアのオリゲネスとクレメントは最高の尊敬のもとにその書を支えた。 そのなかで、オリゲネスが、その時代、すなわち西暦紀元2世紀に生涯を過ごした間に、エノク書の古さについて言及したのである、それをキリスト教以降の偽造であると述べることは不合理であり、時代錯誤を犯すことである、そしてエノク書は古代の尊敬に値する書だとした。
古い書によって、神秘で神聖な名前とその効力は寓意的に説明されており明確である。第18番目から50番目の章まで、エノクの見通す力はすべて、秘儀参入の神秘を描写している。そのうちの一つは、“堕天使”の燃えている谷である。
教会にとって、それが非常に古い、(極端に古代)という理由でエノク書が門前払いされたと、おそらく聖アウグスティヌスは間違いなく言ったであろう。4004年という紀元前の範囲内で認識された出来事の余地などなかったのであり、その“創造”から世界に割り当てられていたのである!
脚注 ———————————
* 古代の天文学、バイイ、第一巻、第一章 203頁、そして、第一巻、第二章、216頁。
*神の都市、第一巻、15章、23節。
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ーー*第2巻—第2部—21章 終わり。*ーー
☆個人的に興味があった章を記載しました、素人の翻訳で、間違いもあるかと思いますので、不明な箇所は原著の頁を御覧ください。
☆このシークレット・ドクトリンの第2巻ー第2部—21章(その1〜その4)の翻訳は、2017年4月に書いたSNS(mixi)日記を編集・修正してこちらにまとめたものです。
☆原書として、Theosophical University Press版 【 The Secret Doctrine Vol.2】 を参照しました。