H.P.B.著作の和訳を試みる & 関連の話題 blog

ヘレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー (1831年 – 1891年) は、近代神智学を創唱しました。・・・主に彼女の代表作である「シークレット・ドクトリン」の和訳を試みています。

【秘密教義のオカルティズム】 — 第9章 ヘルメスとカバラの教義、『カバラ』と『エノク書』など・・・(その3) 

  <初版1897年発行> 

  ーー 数と測り方。ーーー教義はあらゆるものに属している。ーー

 

         シークレット・ドクトリンのオカルティズム

            (第3巻) ― 第9章

 

                     H.P.ブラヴァツキー 原著

                                                        アニー・ベサント    編著

                                                  Aquamarith (ハテナ名)    訳

                <[角括弧]はアニー・ベサントによる追補>

                    <[各単語] はaquamarithによる追補>

 

 ◎数と測り方

 歴史はこうして古代の神秘に捕らわれ、後に19世紀の大スフィンクスになったのである。唯一、歴史がそれを認めるか否かにかかわらず、その謎を解き明かそうとする、あまりにも愚鈍な質問者を退ける代わりに、スフィンクスが水浸しにされて滅びるという、推測の海に分け入る前に、歴史は現代のオイディプスによって冒涜され叩き潰されるのである。これは出し惜しんだ末に開示されたのであろう、だが秘密の教えを貫いたこと、加えて真面目で学識のある象徴学者や幾何学者によって、今では明らかになったのである。

 シンシナティの教養のあるメーソン、ラルストン・スキナー氏が、「聖書のヤハウェ」の普遍的な神の謎を否定するような不信心な方法で、解き明かした著書が「ヘブライ・エジプトの神秘の鍵」である、さらにオハイオ州出身の、ある紳士を会長として4人の副会長を立てた学会が設立された。副会長のうちの一人は有名な天文学者でありエジプト学者でもあるピアッツィ・スミスである。

 

 スコットランドの王立天文台のディレクターであり、「ファラオ名のついた偉大なピラミッド、人道主義的事実とその驚異、神秘とその教え」の著者は、メイソンであるアメリカの著者と同じ問題を証明しようとしている、即ち英国の測量体系は、古代エジプト人がピラミッドを建設する際に使用したものと同じであるか、あるいはスキナー自身の言葉では、ファラオの『測量の基礎』が『イギリスのインチと古代のキュビット』を起源としていたというのである。そういった“起源”はもっと多くあり、"次の世紀の終わりまでに完全に実証されるだろう。

 

 西洋の宗教のすべてが測量、幾何学的図形、時間計算に関連しているだけでなく、主な存続期間は歴史的な人物殆どを基準にしている、しかし後者は実際に天と地なのであり、インド・アーリア人の天と地だけに関係していて、パレスチナのそれらではない。*(13)

 

 聖書に登場する、ほぼすべての人物の原型は、インド初期の神々に求めるべきである。それは、『マインド生まれ』のブラフマーの子たち、というよりディヤーニ-ピタラ(『父なる神々』)の子たち、『光の子たち』であって、彼らは『地球の子たち』 である族長を誕生させたのである。

 マナ・スムリティ[Mana-Smriti] が語っているように、リグ・ヴェーダとその3姉妹編ヴェーダが『火(アグニ)、空気(インドラ)、太陽(スーリヤ)から搾取された』、ものであり、旧約聖書は、一部はエジプト、さらにもう一部は - バーンズ・ケネディ大佐の言説によれば『起源から学ぶサンスクリット文学とバラモンの座』のようであり - バビロニアヘブライ・カバリストの最も独創的な頭脳から、まさしく『搾取された』ものであり、そのような転写の一つが、アブラムまたはアブラハムであって、それらの懐 - 『雲の中の天』即ちアブラとして局地化され -すべての正統派のユダヤ人が死後に集まることを望んでいるということであった。*(14)

 

 アブラハムからエノクのタローまで、かなり隔たりがあるようだが、両者は一つ以上の繋がりにより密接に関係している。ガファレルが示したように、七枚が三組 [即ち21枚]で構成されているタローの21番目 [『世界』のカード] の鍵となる4つの象徴的な動物は、アブラムの父テラが考案、崇拝し「ウリムとトンミム」の神託において用いられたユダヤ人のテラピムである。さらに、天文学的にアブラハムは太陽-度量単位であり、太陽の一部であるのに対して、エノクはヘルメスやトートと同程度に太陽の運行年である。そしてトートは数値的に『モーセまたはヘルメスと同等であった』、『これらの下位領域の主も、知恵の教師として尊敬されていた』と同じメイソンの数学者が私たちに語った。

 そしてタローは、ローマ教皇の最新の教書によれば、『地獄の発明』 であり、メイソンリーやオカルティズムと同じであり、その関係は明らかである。タローは実際にそういった登場人物の恒星への変容およびその逆の謎を含んでいる。『エノクの輪』は古代の発明であり最古のものは、中国で発見されている。エリファス・レヴィによれば、そこには民族は存在しないが、それがあったと言う、その真の意味は、最高の秘密として保存されていた。それは普遍的な相続財産であった。

 

◎教義はあらゆるものに属している

 エノク書(彼の輪)も、ゾハールも、他のいかなるカバラ的な書も、ユダヤの知恵だけを含むものではないと、我々は見る。

 

  したがって、教義そのものは、幾千年紀の思想の結果であり、太陽のもとにある、すべての国のアデプトたちの共有財産である。それにもかかわらず、ゾハールは、その主題に関する他のどの研究よりも、実際的なオカルト主義を教える、ただしそれは、様々な多くの批評家によって翻訳されたのではなく、その余白に書かれた秘密の記号による教えである。

 それらの記号には隠された指示が含まれているのであり、それらは決して秘儀参入しなかったヨセフスが形而上学的解釈と明白な不条理を完全に信じ、彼がそれらを受け入れたように、滅んだ文字を信じて伝えた。*(15)

 

 脚注ーーーーーーー

*(13) 「グノーシス派とそれらの遺物」の著者C.W.キングは、その書の(13頁)で、ブラフマーとアブラムの名についてこのように述べた、『この人間、Seir Anpin、の姿は、243の数で構成されていて、‘アブラム’の名の諸文字は数的な価値を意味しており、天体の階層における序列を表している。実際には、ブラフマーとアブラムの名は数値的には同等である』

 このように、秘教の記号体系の心得の一つである、ローカ-パーラ*(八柱のヒンドゥー神によって擬人化された羅針盤の4つの主要な方位と、その中間の方位)にアブハラ- (マタンガ)という名のインドラの象と彼の妻アブハラムが見つかるが、何の不思議も見当たらない、見方によれば、アブハラは知恵の神である、なぜなら、シヴァによって切り捨てられた知恵の神ガネーシャ(ガナパティ)の頭に取って代わったのがこの象の頭だからである。

 今やアブラは“雲”を意味し、それはまたアブラムが、おそらく住んだであろう都市の名でもある。逆から読むと、『4つの都市であるアルバ(キルヤト)・・・アブラ[Abra]の綴のあとにmをつけたのがアブラム[Abram]であり、そしてアブラ[Abra]を逆から読めばアルバ[Arba]である。』(ヘブライ・エジプトの神秘の鍵)。著者はサンスクリット語でアブラの意味を『雲の中に(の)』と追加した、そのことでアブラムの宇宙天文学の象徴は一層明白になるからであろう。これらはすべてサンスクリット語の原本で読むべきである。

*(14)  これらの理論と推測を拒絶される前に - つまり我々がそのようなことを喜んで受け入れる前に – 次の幾つかの点を説明しておくべきである。(1)エジプトを去った後、エホバによって族長の名前がアブラムからアブラハムに変えられたのはなぜなのか。(2)なぜサライが同じ原則でサラになるのだろうか(創世記、17章)。 (3)名前の奇妙な偶然の一致はいつからなのか? (4)アレクサンダー・ポリヒスターは、なぜアブラハムがカマリナあるいはウリアといった占い師たちの都市で生まれ、天文学を創り出したと言ったのだろうか? (5)「アブラハムについての回想は、ヤコブの祖父より少なくとも3千年遡る」とブンゼンは言う。(歴史上でのエジプトの位置、五章35)

*(15)  イシス・アンヴェールド、第二巻 p350.

 

 第3巻第9章 終わり

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☆原書として、Kessinger Pub Co【Occultism Of The Secret Doctrine】 を参照しました。