【秘密教義】 第1巻 宇宙発生論 スタンザ6
<<1888年に出版された H.P.ブラヴァツキー の著作>>
シークレット・ドクトリン【秘密教義】
第1巻 第1部 スタンザ6
H.P.ブラヴァツキー 著
aquamarith (ハテナ名) 訳
我々の世界、その成長と発展
- 慈悲と知識の母、観音、すなわち観音天に住む観世音の『三重』の在力により、フォーハット(宇宙電気)、彼らの子孫の息、子たちの子は、下方の深淵(混沌)からシエン・チャン(私たちの宇宙)の幻影的形体と七元素とを呼びおこした。**
- すばしこく輝かしいフォーハットが七つのラヤ中心*をつくる、 『我々と供にあれ』という偉大な日までは、それらの中心に逆らうものはない、フォーハットは元素の胚種でシエン・チャンを包んで、七つのラヤ中心という永遠の土台の上に据える。
- 七つの中で最初の一が現れ、六つは隠された、二つが現れ、五つは隠された。三つが現れ、四つは隠された。四つが生じ、三つは隠された。四つと一つの半分が現れ、二つと半分が隠された。現されるべきものは六つで一つは別にされた。最後に七つの小さな車輪が回転し、一つは別のものを生む。
- 彼は古い車輪 (諸世界) に似せてそれらをつくり、それらを不滅の(ラヤ)中心に据える。フォーハットはどのようにしてそれらをつくるのか?彼は火の塵を集め、火の球をつくり、その中を通り抜け回転させる、そこへ生命を注いで、動きのなかに一つの方法や他の方法でそれをすえる。それらは冷たいので、彼らはそれらを熱くする。それらは乾いており、彼はそれらを湿らせる。それらは輝き、彼はそれを扇ぎ冷やす。このようにフォーハットは黄昏から次の黄昏まで、七つの永遠の間動く。
- 四番目(のラウンド)に、子たちは自分達たちの像を創造するように命じられる。三分の一は拒絶し、三分の二は従う。
呪いが発せられる。彼らは四番目*に生まれ、苦しんで、苦しみを引き起こすだろう。これが最初の戦いである。
- 古い車輪は下へ上へと回転した. . .母の産んだものは宇宙全体を満たした。創造者たちと破壊者たちの間で戦闘が行われた。そして空間をめぐって戦闘が行われ、種子が次々と現れた。
- 弟子よ、もし汝らが小さな車輪の正しい年齢を知ろうと思うならば、数えてみるがよい。その四番目の輻(スポーク)は我らの母(地球)である。ニルヴァーナ(涅槃)へ至る知識の第四の道の第四の『果実』に至れ。そうすれば汝は見て理解するだろう. . . .
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(訳者による・注)
**スタンザ六の第一節は他のスタンザよりもずっと後のものである。だがそれでも極めて古い。この節の原文には、東洋学者には全く知られていない名前がはいっているので、学徒には全く分らないだろう。
**秘教の教えでは、『慈悲と知識の母』は、寓意的で形而上学的な神統系譜において、母すなわち理想的な物質、ムーラプラクリティであり、自然の根である。形而上学的な観点からいうなら、彼女は顕現して(宇宙意識)つまり観世音の中に顕現した(原初の智慧)の相補的構造の一方である。純粋に秘教的かつ宇宙的にいうなら、彼女は『子の子』フォーハット、すなわち、この『ロゴスの光』から生まれた両性具有のエネルギーである、そのエネルギーは客観的宇宙の中で、現れ同時に隠れた電気として顕現する、そしてこの電気は生命である。
*ラヤ中心・・・七つのラヤ中心は七つのゼロポイントであるというのは、化学者たちと同じ意味でゼロという単語を使用しており、秘教的には、分化の段階が始まるポイントを示している。ラヤ (Laya) はサンスクリット語で消失・分解を意味するリー(Li)からつくられた単語。上位の存在階層にあるものは、ラヤ中心を通って下位の存在階層にあらわれる。逆方向の動きをするラヤ中心もある。諸世界(七つの地球)はラヤ中心の周囲に鞘状につくりだされていく。
*四番目・・第四根本人種(アトランティス人)に転生してという意味。
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英文
- By the power of the Mother of Mercy and Knowledge — Kwan-Yin — the “triple”* of Kwan-shai-Yin,、residing in Kwan-yin-Tien, Fohat, the Breath of their Progeny, the Son of the Sons, having called forth, from the lower abyss, the illusive form of Sien-Tchang and the Seven Elements:*
- The Swift and Radiant One produces the Seven Laya Centres, against which none will prevail to the great day “Be-with-Us,” and seats the Universe on these Eternal Foundations surrounding Tsien-Tchan with the Elementary Germs.
- Of the Seven — first one manifested, six concealed, two manifested, five concealed; three manifested, four concealed; four produced, three hidden; four and one tsan revealed, two and one half concealed; six to be manifested, one laid aside. Lastly, seven small wheels revolving; one giving birth to the other.
- He builds them in the likeness of older wheels, placing them on the Imperishable Centres. How does Fohat build them? he collects the fiery dust. He makes balls of fire, runs through them, and round them, infusing life thereinto, then sets them into motion; some one way, some the other way. They are cold, he makes them hot. They are dry, he makes them moist. They shine, he fans and cools them. Thus acts Fohat from one twilight to the other, during Seven Eternities.
- At the fourth, the sons are told to create their images. One third refuses — two obey.
The curse is pronounced; they will be born on the fourth, suffer and cause suffering; this is the first war.
- The older wheels rotated downwards and upwards. . . . The mother’s spawn filled the whole. There were battles fought between the Creators and the Destroyers, and battles fought for space; the seed appearing and re-appearing continuously.
- Make thy calculations, Lanoo, if thou wouldest learn the correct age of thy small wheel. Its fourth spoke is our mother. Reach the fourth “fruit” of the fourth path of knowledge that leads to Nirvana, and thou shalt comprehend, for thou shalt see . . . . .
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- このシークレット・ドクトリンのスタンザの試訳は、2012年04月03日に書いたmixi日記を編集・修正してこちらにまとめたものです。
- 原書として、Theosophical University Press版 【 The Secret Doctrine】 を参照しました。