H.P.B.著作の和訳を試みる & 関連の話題 blog

ヘレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー (1831年 – 1891年) は、近代神智学を創唱しました。・・・主に彼女の代表作である「シークレット・ドクトリン」の和訳を試みています。

神智学の大海  概略

<初版1893年発行>

 

  内容の概略、第一章〜第十七章

 

  第一章 神智学と大師たち

 神智学は一般的に定義されている。 宇宙に高度に発達した人々は存在する。 これらの人々は、マハトマ、秘儀参入者、ブラザー、アデプトたちである。 彼らはどのように働いているのか、なぜ今は隠れているのだろうか。そのロッジはいかに? 彼らは進化していた他の諸時代からの完璧な人たちであり、歴史上の様々な名前を持っている。 アポロニウス、モーセ、ソロモン、その他の人たちは、この同胞団の一員であり、単一な教義を持っていた。人間は最後には彼らと同じ存在になるかもしれないことが、彼らの存在が可能な理由である。彼らは真の教義を守り、適切な時にそれを再現させる。

 

  第ニ章 諸本質の概略

 宇宙を支配する共通法則の見解。体系の七つの部分。 実在する物質は見えない、これは常にロッジに知られている。宇宙の知性の一部であるマインド。ユニバーサルマインドには、七つの宇宙の計画が含まれている。進展が普遍的なマインドの計画を進める。進展の期間は終わる、これがブラフマの夜である。宇宙創世記のモーセの律法は、現代の概念を大きく揺さぶっている。ユダヤ教は、古代エジプト人から取られた教義の一部にすぎなかった、そして教義は創世記の内的意味と一致している。進展の期間の一般的な長さ。ハーバート・スペンサーと同じ教義。古ヒンドゥー語の年表は詳細を提供する。ソロモンの寺院の物語は人間の進化の物語である。キリスト教の一つの宗派よりもはるかに古い教義。世界の本当の時代。人が誕生したのは千八百万年以前。進展は自我(エゴ)によってのみ達成され、最後に自我は人間の形態の使用者になる。人間の七つの本質のそれぞれは、宇宙の七つの大きな部分の一つから派生している。

 

  第三章 地球チェーン

 地球に関係する教義。それはまた七つである。それは人間に対応する七つのチェーンのひとつである。七つがそれぞれに分かれたのではなく、互いに貫いているチェーンである。地球チェーンは、過去の古い滅んだチェーンからの転生である。我々の月は見てわかる典型例であり、古いチェーンの一つである。月は今死んだ状態で収縮している。金星、火星などは、他と同様に我々の諸チェーンの生きているメンバーである。各チェーンの自我の集団。その数は決して計算できないが、確定している。七つの球体(globes)を通したそれらの進化の過程。我々の性質のある部分がそれぞれの中で、発達している。第四の球体で縮合の過程が始まり、そして限界に達する。

 

  第四章 人の七つの構成 

 人間の構成。この教義が普通のキリスト教とどのように異なるか。真の教義は、この時代の最初の世紀には知られていたが、それを容認することができない国から意図的に撤回された。教義が撤回されなかった場合の危険性。七つの部分。分類された本質。複数部分は七つの球体(globes)のチェーンと一致する。低位の人間は複合的な存在である。存在のより高位な三位一体。低位の四つの本質は一時的であり、滅びやすい。死は我々の唯一の永続的な部分として三位一体を残す。肉体的な人間とは何か、目に見えない内なる人間の死とは何か。二番目の肉体人間はまだ見えないが、依然として死んでいる。認識は目に見えない人間に関係し、目に見える人間には関係しない。

 

  第五章 身体とアストラル体

 身体と生命の本質。生命の神秘。睡眠と死は、身体組織によって耐えられない生命の逸脱のはずである。肉体は幻想。細胞とは何であろうか?生命は普遍的である。それは身体組織の結果ではない。アストラル体。それは如何なるものか。その諸力と機能。身体の原型として。それは自然のすべての王国によって所有されている。その旅する力。実際の感覚器官はアストラル体の内にある。アストラル体は霊的な降霊術の場所でもある。アストラル体は、テレパシー、透視、透聴、そしてそのようなすべての超自然現象を説明する。

 

  第六章 カーマ - 欲望

 第四の本質。カーマルーパ。意味は情熱と欲望。カーマルーパは肉体によって産生されるのではなく、肉体の原因である。これは七つのバランスの本質である。これは意志の動きと移動の基礎である。正しい欲望は正しい行動につながる。この本質には、より高い面と低い面がある。この本質はアストラル体にある。死に至ると、それはアストラル体と合体し、それを人間の殻にする。それは自動的な性質のそれ自身の力を持っている。この殻は、降霊術のいわゆる「霊」である。それは人種にとって危険である。エレメンタルは、この「殻」を降霊術で助ける。そこには魂も良心も存在しない。自殺と処刑された犯罪者は、非常に一貫した殻を残す。欲望の本質はすべての組織された王国に共通している。それは人間の獣的な部分である。人間は完全に発展した四つ組であり、部分的に発展したより高い本質を持っている。

 

  第七章 マナス

 マナス、第五の本質。最初の実在した人間。マナスは思考の本質であり、脳が産み出すのではない。脳はその楽器なだけである。どのようにマインドの光が愚かな人間に与えられたのか。古い体系の完全な人間は、継承者からそれを得たときにそれを与えた。マナスはすべての考えの貯蔵庫である。マナスは先見者である。マナスと脳のつながりが壊れていると、その人は認識ができない。体の器官は何も認識しない。マナスは上下に分かれている。その四つの特色。ブッダ、イエス、そして他の人々はマナスが完全に発達していた。アートマ、神の自我。恒久的個性。この恒久的個性は、多くの生命体であらゆる種類の経験を経てきた。マナスと物質は、以前の時よりもいっそう大きな作用の仕組みを持っている。マナスは欲望に縛られており、これは転生を必要とする。

 

  第八章 転生

 なぜ彼は人間であるのか、そして彼はどのように来たのか。宇宙はそれのためのもの。霊的および肉体的進化には、転生が必要である。身体上のレベルの転生は、形態の再現または変更である。球体の要素の全体の集団は、ある日遠く離れた時代の人間たちになるだろう。古代の教義。初期のキリスト教徒によって開らかれた。イエスによる教え。転生とは。高級本質の未完成な転生から、生命の神秘が生じる。それは低級な諸形体の転生ではない。これについてのマヌの説明。

 

  第九章 転生の連続

 反対は強い。欲望は法則を変えることはできない。天への早い到達。彼らは我々を待つ必要がある。客観性に依存しない魂の認識。遺伝性は異論ではない。どのような遺伝があるのか?遺伝の多様性は認識されない。歴史は遺伝に逆らっている。転生は不当ではない。正義とは何であろうか?我々は他者ために苦しむのではなく、我々自身の行為のために苦しむ。記憶。なぜ我々は別の人生を覚えていないのか。誰なのか?人口の増加をどう説明するか。

 

  第十章 転生を支持する主張

 魂の性質から。マインドと魂の法則から。個性の違いから。規律と進化の必要性から。受容能力の違いと発祥地の生命の違いから。個人のアイデンティティはそれを証明する。可能性として生命の目的は転生を必要とする。性質の目的を達成するのに一回の人生では十分ではない。単なる死は前進をもたらさない。死後の学校は非論理的。野蛮な固執と民族の腐敗がそれを支持している。天才の出現は転生によるものである。人に共通の固有の考えがそれを示している。偏見に基づいた教義に対する反対。

 

  第十一章 カルマ

 単語の定義。不慣れな用語。有益な法則。別の人生の過去の行為によって、現在の人生がどのように影響を受けるか。それぞれの行為は根源により考えられている。 マナスを通して、それらは、それぞれの個人的な生命に反応する。なぜ人々は変質された、あるいは悪い状況で生まれたのだろうか?カルマの三つの階層とその三つの活動分野。国家と人種のカルマ。個々の不幸と幸福。カルマについての大師の言葉。

 

  第十二章 カーマ・ローカ

 死後の最初の状態。天国と地獄はどこに、そこに何があるのか?肉体の死は死の第一段階である。それ以降の二番目の死。 七つの本質を三つの組に分ける。カーマ・ローカとは何か?キリスト教の煉獄の起源。それは数多くの段階を持つアストラル領域である。五蘊[ごうん]。カーマ・ローカのなかの人間のアストラル殻。それは魂、マインド、そして良心が欠けている。それは降霊会の「霊」である。カーマ・ローカの殻の分類。黒魔術師がそこにいる。自殺とその他の運命。前デヴァチャン的無意識。

 

  第十三章 デヴァチャン[第二の死のあとの極楽・天国]

 用語の意味。アートマ・ブッディ・マナスの状態。デヴァチャンでのカルマの作用。デヴァチャンの必要性。それはそれを詰まらせるために肉体がない別の種類の考えである。原因を操るための、主観的および客観的な場。デヴァチャンはひとつである。魂のための時間がそこにはない。そこに滞在する期間。魂の数学。死の状態でのデヴァチャンでの平均滞在期間は千五百年である。人生の霊的衝動に依存する。その使用と目的。死の瞬間の最後の考えによってデヴァチャン的状態が形作られている。デヴァチャンは無意味ではない。背後に残っているものが見えるだろうか?我々は我々の前にそれらのイメージを持っている。デヴァチャンの実在は、彼らが愛するものを助ける力を持っている。まれなケースや人物が純粋な場合を除き、媒体はデヴァチャンに行くことはできない。アデプトたちはデヴァチャンのそれらだけを助けることができる。

 

  第十四章 諸周期

 最も重要な教義のひとつ。サンスクリット語に対応する言葉。西洋に知られている諸周期は殆どない。それらは以前の重要人物の再現を引き起こす。それらは人生と進化に影響を与える。最初の瞬間はいつ来たのか?最初の振動速度は、後続振動速度を決定する。人間が球体(地球)を離れると、諸力は消える。痙攣と大災害。転生とカルマは周期的法則と混在している。文明は逆転する。アバターの周期。クリシュナ、ブッダ、その他の者たちが周期的に来る。劣った人物と偉大な指導者。諸周期の交差は痙攣を引き起こす。月、日、および恒星の周期。個々の周期と転生の周期。星座を通した動き、そしてヨナの物語の意味。黄道十二宮の時計。諸理念がどのように民族に感銘を与え、保存されていたか。地震、宇宙の火、氷河、洪水の原因。ブラフマニカル周期。

 

  第十五章 種の分化 –ミッシング・リンク

 発見できない人間の究極の起源。人間は一組から派生していないし、動物からも派生していない。地球上には七人種が同時に現れた。彼らは今では混血され、差別化される。 類人猿。彼らの起源。彼らは人から来た。彼らは第三、第四人種での不自然な結びつきによって改良された諸人種の子孫である。諸人種は遅れた。質問に付随する秘密の書。類人猿の人間の特徴が説明されている。他の惑星からのより低い王国。 ディヤーニたちによる知的干渉による彼らの差別化。進化の中間点。旧ラウンドのアストラル形体は物理ラウンドで固まった。諸ミッシング・リンク、それらは何であるのか、なぜ科学がそれらを発見できないのか。このすべての仕事における自然の目的。

 

  第十六章:サイキックの法則、諸動力、および現象

 西洋には真の心理学はない。それは東洋に存在する。全ての諸動力の鏡。重力だけが半分の法則。極性と凝集の重要性。完成予想の物体は表示されない。想像力はすべて強力である。心的な電信。マインドリーディングは不法侵入である。心霊現象、透視力、透聴力、第二の視力。アストラル光の描写。夢と先見。出現。本当の透視。内側の刺激は外側の印象を作る。アストラル光のすべての表示(Register)。

 

  第十七章 サイキック現象とスピリチュアリズム(心霊主義)

 スピリチュアリズムは誤って命名された。降霊術と死者の崇拝と呼ばれる必要がある。このカルトはアメリカでは起きなかった。インドで長い間知られている実践。記録された事実は審査に値する。神智学徒(セオソフィスト)たちは事実を認めるが、「スピリチュアリスト」とは違った解釈をする。審査は死んだものが戻ったかどうかの問題に限定されていた。死んだものは戻ってこない。コミュニケーションの大部分は人のアストラルの殻からのものである。反対意見表明は、霊媒の主張で作られる。記録は科学の嘲笑を正当化する。(霊の)具現化とは何であろうか。その上にアストラル光からの描写を持つ電気磁性物質の塊。それとも、生きている体から押し出された霊媒アストラル体であるのか。現象の前に知るべき法則の分析が理解できる。「独自の声」の音色。アストラル領域の重要性。霊媒状態の危険性。お金や利己的な目的のために、これらの力を得るための試みもまた危険である。周期の法則は、この時の力の緩和を規定している。ロッジの目的。

 

——神智学の大海 内容の概略 終わりーー

神智学の大海  序文

 <初版1893年発行>

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      序 文

 本書では、ごく普通の読者が理解できるように神智学について述べることを試みている。大胆な主張というものは作者の知識に基づくが、それと同時に、書かれていることへの責任が、作者自身にあることは明確に理解されるべきである、神智学協会、およびそのメンバーたちの中には、本書の中で述べられていることや、私が設定したものを受け入れない者もいるかもしれない、即ちそれは、それほど良い神智学徒もいないということである。各章にいきわたっていると考えられる、定着した論調の傾向は、ドグマ的、あるいは奇抜な考えの結果ではなく、証拠および経験に基づく知識からの流れである。

 神智学協会のメンバーたちは、特定の理論や教義が行なわれていないことを認識するであろう。なぜならば、それは彼らが不当に本の内容を拡張し、不必要な論争を起こしてしまうような扱いをした為である。

 「意志」の主体は、その力や能力が隠されており、微妙で、エッセンスとしては発見できず、可視なだけであるため、論じられてはいない。それは絶対的に色が無く背後の欲望に一致して道徳的な質が変化する、即ち、それは我々の知識なしで頻繁に変動する。それは霊性と欲望から離れたその中で、人間の下のすべての王国で作用するので、それを尋ねることによって得られるものは何もないのである。

 この本の独創性を私は主張しない。私はそれを考案しておらず、まして見つけ出してはいない、私が教えられ、そして立証されたことを単に書きとめただけである。したがって以前から知られていたものを差し出すだけのことである。

    ウイリアム・クァン・ジャッジ

 

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 ☆当ブログ管理人より、神智学協会の分裂についての簡単な説明をします、1891年、ブラヴァツキー夫人(以下敬称省略)が亡くなり、後継者としてアニー・ベサント(1889年神智学協会に入会)が指名されたといわれていましたが、後継者をめぐり権力闘争になりました。

 1895年、米国のW.Q.ジャッジはインドのH.S.オルコットとA.ベザントと決別し、ジャッジは「米国神智学協会」を設立し神智学協会は分裂しました。その分裂以降、オルコットとベサントの率いるインド、欧州の派閥はアディヤール派と呼ばれるようになりました。

 1896年、米国神智学協会を率いたジャッジが死去し、キャサリン・ティングリーがその運営を引き継ぎ、ポイント=ローマ派と呼ばれるようになり、現在は神智学協会パサディナと呼ばれています。 <ウイリアム・クァン・ジャッジ(1851年4月13日 –1896年3月21日)>

 ☆ウイリアム・クァン・ジャッジ著「神智学の大海」の邦訳は、他の方がブログに掲載されておられましたが、残念なことに一般公開が中止になっています、そこで当ブログで序文や概略を翻訳して掲載することにしました。尚、本文は後日掲載するかもしれません。

 

 ☆ネオ神智学 (分裂の経緯がわかりやすい)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%AA%E7%A5%9E%E6%99%BA%E5%AD%A6  

H.P.ブラヴァツキーの名前が出てくる邦訳書ー地軸の変動、極について

☆地軸の変動

 シークレット・ドクトリン第二巻スタンザ―2に地軸の変動についての記述がある。それは・・・ 

 シュローカ5.・・・ 輪(車輪)は、30クロル(三億年)回転した。 それは形態を構築した、柔らかい石は 堅くなり、堅い植物たちは柔らかくなった。見えないものから見えるものが生まれ、昆虫たちや小さな生き物たちが生まれた。彼女(地球)は 彼らが母にはびこるたびに、それらを彼女の背中から振り落した**・・・30クロル(三億年)経った時、彼女は向きを変えた。 彼女は、仰向けに横たわった。 つぎに横向きになった・・・省略

 

 脚注・・・これは地軸の変動とそれにともなう混乱をさしている。この混乱のなかで、怪物、半人間、半動物などが生まれた。これは寓話ではなく、死者の書や、カルデアの創世記やポイマンドレースにも記されている。

 

 そしてスタンザ3,シュローカ11では・・・主たちの主*が来た。彼は彼女の体から水を切り離した、すると、それは上なる天に、つまり最初の天(大気、空気、或いは天球層)になった。

 

 ◎といったように地軸の変動の状態や物凄い天変地異の様子がはっきりと詩句にかかれている。

 

 ☆極について

 ヒュペルボレアや、極の移動、ブラヴァツキーの名前まで書かれている邦訳書は珍しい、ジョスリン・ゴドウィン著  「北極の神秘主義松田和也訳がその書である。(原書のタイトルは「ARKYOS」)

 今から20年ぐらい前に図書館で借りて読んだときに、この著者がなにを言おうとしているのかが、さっぱりわからずにすぐに返却したことがある、何年か経ってシークレット・ドクトリン第2巻の予備ノートを読んだ後に、再度この書を読み、やっと少しわかってきました。

 

 この邦訳書は極が主題であり、他にも黄金時代、ナチズム、スワスティカ、UFO、地球空洞説、地底都市シャンバラ、アガルタ、秘密結社、といったように取り扱う範囲は非常に広く、まとめようとしても、勉強不足な私にとっては難しく、興味深いが、続けて読むには大変なので気になっていた項目を時々、参照しようかしら?みたいな書でした。

 

地軸の変化

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 この邦訳書の内容のうち、ブラヴァツキーが語る7つの大陸、失われたヒュペルボレア、アトランティスの両時代に関する解説、その要約が解りやすく述べられているので、その箇所だけ転載します。

 

7つの大陸

1—現在の「マンヴァンタラ(何百万年もの期間)の最初の大陸は、「不滅の聖地」である。これについてはほとんど何も語ることはできないが、ともかくそれは「ひとつの破壊され得ぬ地殻であり、北極全体を覆っていた・・・」。これは人類の第一根源人種の故郷であるが、この第一人種は「巨大ではあったが、形も色もなく、ほとんど目に見えなかった」。この我々の最初の祖先は、物質ではなくエーテル的な体をもっており、傷ついたり死んだりすることはなかった(プラトンによる、死ぬことも子を生むこともない種族との類似が思い起こされよう)。

 

2—第二の大陸は北極から南と西に広がっていた。それはグリーンランドからカムチャッカに広がる馬蹄形の大陸で、パフィン湾まで含んでいた。その上に出現したのが第二根源人種で、これは怪物的な、両生具有で半人間的な存在であった。彼らは「物質的な自然が人間の形をとろうとした最初の試みであったが、その大部分は最初の大破局によって滅んだ。このとき、グリーンランドおよびその他の北方の「常春のエデン」は「ヒュペルボレアの冥府」に変わってしまった。

 

3—第三の大陸はインド洋からオーストラリアまでおよんでいたので、ブラヴァツキーは当時の地理学者の用語である「レムリア」を借用した。これは第三根源人種の時代、「神々が地上を歩き、自由に人間と交わっていた」とされる(黄金時代)である。レムリア時代の進展とともに、最初の真正なる人類が出現した。彼らは両生具有の卵生生物から、次第にふたつの性に分かれていった。これが「人類の堕落」である。約1800万年前のことであった。

 

4—レムリア人々に終焉が訪れ、生き残った人々は第四根源人種を生んだ。彼らの故郷はアトランティスである。アトランティス最古の種族は、善の人種と悪の人種に分かれた。彼らの大陸は約85万年前に沈んだ。

 

5—第五根源人種である褐色—白色人種(アーリア人)は、アジアに出現した。それ以来、多くの土地が現れては消えた。その最後のものがプラトンの言う「アトランティス」であり、これは約12000年前に沈んだ巨大な大陸の残片である。

 

6.7—あとふたつの人種が、現在の「マンヴァンタラ」の終わりまでに出現することになっている。

 

 ブラヴァツキーのもうひとつの主要な情報源であるヒンドゥー教聖典「プラーナ」ではヒュペルボレアの土地はスヴィタ=ドヴィーパ、すなわち「白き島」と呼ばれ、その神話的中心は須彌山である。「ハイマヴァトチャンダ」によれば、この山は四つの巨大な基壇をもっていたという。この内、東の基壇は黄金、南は鉄、西は銀、北は真鍮でできていた。そこからは四つの川が流れ出ているが、そのすべては北極星の近くのヴィシュヌの足元から流れ出す天のガンジスに端を発する(聖書のエデンを流れていた四つの川を思い起こされよう)。ブラヴァツキーによれば、この聖なる土地は「各々の(周)を通じてマンヴァンタラの初めから終わりまで続く唯一のものである」——そしてこの(周)とは、おそらく四つの時代の金属でできた四つの支柱によって象徴されている。

 

以上転載いたしました。

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工作舎HP

http://www.kousakusha.co.jp/DTL/hokkyoku.html より目次等

   北極の神秘主義[詳細]

 

   人類の記憶に刻まれた「極の元型」の封印を解く!

  

   太古、満天の星空が遙か北の一転を中心に回転していることに

   人類が気づいて以来、われわれの心の奥深くに住み着き、

   精神史の中に隠れた流れを形成してきた「極の元型」の記憶。

   それは天の、地球の両極にまつわる観念を集積し、

   古今の宗教やオカルト哲学に神々しいヴィジョンを提供する一方、

   異端科学のさまざまな思想を編み上げてきた。

   そしてナチスを優越人種の幻想に駆り立てたのも、

   この「極の元型」がもつ強大なエネルギーだった!

 

 

   ■目次より ▲

   第1部 ヒュペルボレアにて

   第1章 黄金時代

   地球の失われた時代/時代の周期

   第2章 不滅の聖地

   ブラヴァツキーの七つの大陸/ゲノンのヒュペルボレア論/ジャン・フォールの秘教年代学

 

   第2部 北極光

   第3章 北極の原郷

   バイイの北方文化説/ウォレンの極の楽園説/ティラタの北極原郷

   第4章 アーリア人の神話

   アーリア人の優越性/アーリア主義と神智学/アーリア人のさまざまな原郷

   第5章 トゥーレ協会

   トゥーレの復活/ロシアのスワスティカ/ナチズムのオカルト的源流/監視者(ヴェイユール)たち/20世紀の神話/ユリウス・エヴォラ

   第6章 黒騎士団

   人ランディヒのトゥーレ主義小説/黒騎士団を追って/セラノは総統を賛美する/死者との進軍:ジャン・パルヴレスコの場合

 

   第3部 隠された地

   第7章 アガルタと〈北極星

   アガルタ神話の起源/サン = ティーヴ・ダルヴェドール/極の同胞団/シャラトンのブラフマトマ

   第8章 シャンバラ

   チベットのシャンバラ観/ゴビのシャンバラ/リョーリョフ一家/シェイヴァー・ミステリー

   第9章 極点の穴

   地球空洞論小史/サイコメトリストと予言者たち/現代の地球空洞論者たち

   第10章 南極大陸

   南極の神話/ポオ、ヴェルヌ、ラヴクラフト/北と南の極性

   第8章 シャンバラ

   チベットのシャンバラ観/ゴビのシャンバラ/リョーリョフ一家/シェイヴァー・ミステリー

 

   第4部 復活のアルカディア

   第11章 象徴の極

   ジョン・オニールの極の神話解読/スワスティカ/カドゥケウス/天の意志

   第12章 太陽の伝説と極の伝統

   ゲノンの黄道12宮仮説/黄道12宮の始まり/ミトラス教/諸天球の上昇

   第13章 霊極

   アンリ・コルバンによる神智学解釈/ダンテと〈極の伝統〉/二つの伝統とその危険性/地下の流れ

 

   第5部 傾斜

   第14章 激変論者たち

   ギリシア哲学者たちの地軸傾斜観念/地球の神聖理論/初期の科学理論/彗星による洪水/月の接近

   第15章 斉一論者たち

   黄道傾斜角測定の変遷/モンマルトルの予言者/ノリッジ靴屋/現代の地質学理論

   第16章 複合理論

   ランドルフとドレイソンの破局理論/ブラヴァツキーの破局史/バビュスとサン = ティーヴ・ダルヴェドール

   第17章 さまよえる極理論

   大陸移動説小史/現代の地質学理論

   第18章 復興/救済

   極移動に関する科学の公式見解/極移動の予言

 

   ■著者紹介:ジョスリン・ゴドウィン Joscelyn Godwin 1945-

   ▲

   イギリス出身の音楽史家。1966年にアメリカに移り、コーネル大学でPh. D. を取得。現在はコルゲート大学の音楽教授をつとめる。ピュタゴラス以来の音階的宇宙論への関心から、比較宗教学の領野も縦横に渉猟する。

   邦訳書は『キルヒャーの世界図鑑』『星界の音楽』『音楽のエゾテリスム』(以上工作舎)、『交響するイコン』『図説 古代密儀宗教』(以上平凡社)がある。

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【秘密教義】第一巻から第三巻&関連の話題のURL

 

【秘密教義】第一巻 宇宙発生論

  スタンザ1
   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/06/12/204743

  スタンザ2

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/06/15/185754

  スタンザ3

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/06/19/072628

  スタンザ4

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/06/22/081016

  スタンザ5

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/06/25/202344

  スタンザ6

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/06/28/160902

  スタンザ7

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/07/01/110426

 

【秘密教義】第二巻 人類発生論 

 目次 

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/05/06/182718

 第一部

  予備的ノート(1)

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/03/144820

  予備的ノート(2)

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/03/152845

 

  スタンザのみ

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/02/25/142328

 

  スタンザ+抄訳1〜6

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/02/28/102515

  スタンザ+抄訳7〜12

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/02/094823

 

  《結論》より

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/12/132056

 

 第二部

   18章『堕天使』の神話、そのさまざまな面について(1〜4)

   (1) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/15/141504

   (2) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/27/165049

   (3) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/01/182437

   (4) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/01/184035

 

  21章 エノイキオン — へノック(1〜5)

   (1) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/13/143605

   (2) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/17/133140

   (3) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/18/105310

   (4) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/21/223225

   (5) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/25/085851

 

 第三部

  6章 歴史に痕跡を残す巨人族、諸文明、海面下の諸大陸。(1~4)

   (1) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/05/180000

   (2) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/09/161620

   (3) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/13/113842

   (4) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/14/083508

 

【秘密教義のオカルティズム】第三巻

 目次 

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/05/11/094153

 

 8章「エノク書」、エノクについて (1〜5)

   (1) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/03/195805

   (2) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/04/121251

   (3) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/08/134301

   (4) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/11/125205

   (5) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/12/130617

 

 第9章 ヘルメスとカバラの教義(1〜3)

   (1) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/25/085851

     (2) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/26/154544

     (3) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/27/073818

 

 

関連の話題

 「人類が神になる日」byデニケンから、そして・・・秘密教義・宇宙発生論スタンザより・・・

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 備忘録ー初期神智学文献

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 神智学の大海  序文

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 神智学の大海  概略

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【秘密教義のオカルティズム】 目次

 シークレット・ドクトリンの第3巻だといわれている「シークレット・ドクトリンのオカルティズム」の目次です。一つの項目ごとに一行使用すると四百五十行にもなってしまうので、序文、各章、論文ごとに、まとめて記載しました、項目ごとの区切りには「・・・」を使用しています。

 

 

  序文

 全ての聖典への一つの鍵・・・仮説は証明されなければならない・・・プラトンの教えの精神・・・自己矛盾をしている批判・・・アンモニウス・サッカスの人柄・・・ピタゴラスの継承者プラトン

 

  第一章

 予備的概説・・・中国の保護者たち・・・魔術のA.B.C.・・・魔術は、人類と同じくらい古い・・・知恵の木・・・オカルティズムは時代に勝利しなければならない・・・黒魔術実践・・・黒魔術と催眠術・・・自らの業績の上に立つ哲学

  

  第二章

 現代の批判と古代の批判・・・真の科学者に全ての敬意を払う・・・神話とは何か?・・・カルデア神託

 

  第三章

 魔術の起源・・・ヘルメスの文書・・・魔術の起源は何であろうか・・・シュロスのペレキュデース・・・数学的そして擬人感的な観点から見たカイン

 

  第四章

 イニシエート(秘儀参入者)の秘密・・・顕教の教えと秘教の教え・・・『創世記』の起源・・・聖書の『暗い格言』・・・かつてなされた完全犯罪・・・アジアの宗教は秘教の教えを公開している・・・智恵の宗教

 

  第五章

 秘密である理由・・・実践的なテウルギー(降神術)の鍵・・・存在のはしご・・・アデプト(熟達者)への 三つの道・・・人間は神である・・・イエスは輪廻を説く

  

  第六章

 実践魔術の危険性・・・名はシンボルそのもの・・・三母・・・聖書と言葉の奇術・・・モーゼとユダヤ

 

  第七章

 新しい瓶に入っている古いワイン・・・本物の前に現れた模造品・・・盗んだのは誰?・・・『聖書』の本性

 

  第八章

 『エノク書』・・・キリスト教の起源と基礎・・・『エノク書』とキリスト教・・・エノクは、人種を記している・・・象徴的『エノク書』・・・オカルティストは、『聖書』を拒まない

 

  第九章

 ヘルメスとカバラの教義・・・『カバラ』と『エノク書』・・・数と測り方・・・教義はあらゆるものに属している

 

  第十章

 アルファベットと数の、様々なオカルト体系解釈・・・数字と魔術・・・神と数字・・・世界言語

 

  第十一章

 中心点がある六芒星、即ち第七の鍵・・・オカルトの武器

  

  第十二章

 宗教に対する真のオカルティストの義務・・・キリスト教徒と非キリスト教のアデプト(熟達者)たち

 

  第十三章

 後のキリスト教アデプト(熟達者)たちと、その教義・・・不当な批判・・・永遠なる二つの立場

  

  第十四章

 シモンと彼の伝記作者イッポリット・・・崩れたバランス・・・『石』が『証拠』である

 

  第十五章

 聖パウロ、現代キリスト教の真の創始者・・・イニシエートたちによる法の廃止・・・パウロは、シモンに替わった

  

  第十六章

 ペテロは、イニシエートではなくユダヤ人のカバリスト・・・ペテロの座

 

  第十七章

 ティアナのアポロニウス・・・神秘的な教師・・・アポロニウスは滅びない・・・アポロニウスに関するメルヴィルの見解 ・・・アポロニウスは架空の人物ではない

 

  第十八章

 アデプトの伝記に隠されている事実・・・イエスとアポロニウス・・・イニシエート達の伝説・・・伝説の類似性・・・キリストの正体・・・重大な誤訳・・・イエスの秘密教義・・・十字架と受難 ・・・イエスの物語・・・原初的な女性・・・福音書カバラ的読み方・・・普遍的な教え

 

  第十九章

 アンティオキアの聖キプリアン・・・アンティオキアの魔術・・・妖術使いが聖者になった

 

  第二十章

東洋のグプタ・ヴィデヤー(隠れた智恵)とカバラ・・・神秘のなかの神秘・・・『ゾハール』の著者・・・カルデア人ヘブライ人・・・最初の人々・・・歴史に記されない多くの出来事・・・真のヘブライ語は失われている・・・ヘブライ語の秘教性は、原初的ではない・・・宝のなかの宝・・・一の中の三、と四・・・ 七つのセフィロト・・・盲人が盲人を導いている

 

  第二十一章

 ヘブライの寓話・・・ヘブライ人の聖書は存在しない・・・ヘブライ人のうちの幾人かはイニシエート・・・神の七つの創造・・・全ての寓意を解く七つの鍵・・・七つの創造に関するスタンザジェラルド・マッシーの言説・・・父と母

 

  第二十二章

 『ゾハール』における創造とエロヒム・・・建築者としての天使たち・・・エロヒムとは誰のことか?・・・モナド、一対と三つ組 ・・・創造者なる神・・・ホストである神

 

  第二十三章

 オカルティストとカバリストについて、何を語るか・・・太陽の神秘

 

  第二十四章

 科学とオカルト天文学における現代のカバリストたち・・・海王星の位置づけ・・・無からの創造・・・星に天使は住んでいるか?

 

  第二十五章

 東洋と西洋のオカルティズム・・・原初物質・・・大いなる深み・・・創世記における混沌・・・人類の聖書・・・混沌は神であり、しかもコスモスである・・・百八(つ)

 

  第二十六章

 偶像とテラフィムたち・・・テラフィムによる占い棒の発見・・・ヤハウェとテラフィム・・・月の偶像

 

  第二十七章

 エジプトの魔術・・・パピルスの証拠・・・象徴とその解読・・・再生と移住・・・エジプトのホウス ・・・エジプトにおける憑依・・・魔術における二つの儀式・・・不思議な像・・・ローマ人―誠実な者たち

 

  第二十八章

 神秘の起源・・・天界を垣間見る・・・民衆の宗教的意識の成長・・・真の司祭意識・・・エジプトの司祭者たち・・・公開と隠蔽・・・アトランティス人たちの退化

 

  第二十九章

 太陽イニシエートの試み・・・ヴィスヴァカルマとヴィカルタナ・・・光の伝播・・・メイソンリーとイエズス会

 

  第三十章

 『太陽イニシエート』の神秘・・・神としての太陽

 

  第三十一章

 神秘の対象・・・神顕現と諸神秘・・・メイソンリーと神秘

 

  第三十二章

 神秘の痕跡・・・キリストスとキレストス・・・ナラダの象徴体系・・・エジプト人のイニシエーション・・・自らを供物にする犠牲者・・・オルフェウス

 

  第三十三章

 ヨーロッパにおける最後の神秘・・・失読症とビブラクテ ・・・エジプトの教え

 

  第三十四章

 後のキリスト教徒が継承する神秘・・・根本人種・・・偽グノーシス派・・・アンモニオスの教え・・・苦難と危険・・・新プラトン学院

 

  第三十五章

 太陽と星々の象徴・・・円舞・・・キリスト教徒の星辰崇拝・・・征服者ミカエル・・・キリスト教の太陽神

 

  第三十六章

 ペイガン(異教徒)の恒星崇拝と天文学・・・惑星天使・・・天の車輪・・・プロメテウスの神秘

 

  第三十七章

 星の魂ー普遍的な太陽崇拝・・・キリスト教の星辰崇拝・・・他に類のない告白

 

  第三十八章

 占星術と星辰崇拝・・・占星術の防衛・・・占星術はその後の悪化した・・・卓越した弟子

 

  第三十九章

 周期と化身・・・成就されていない預言・・・周期の秘密

 

  第四十章

 周期の秘密・・・ナロス ・・・古代のヴェーダ・・・天の歌の証言・・・マッケイの議論

 

  第四十一章

 化身に関する教義・・・全ての化身は現れである・・・自発的な化身・・・枢機卿クザ・・・七光線・・・特別な機会・・・星界の高み

 

  第四十二章

 七つの基本原理

 

  第四十三章

 ブッダの神秘・・・シャンカラチャリヤ・・・ブッダは転生出来なかった・・・フラー説明・・・犠牲・・・シャンカラチャリヤは今もなお生きている

 

  第四十四章

 ブッダの生まれ変わり・・・ヴァジラダーラ・・・生きている仏たち・・・ヴェールの裂け目

 

  第四十五章

 ブッダの未発表の教え・・・誤った見解

 

  第四十六章

 ニルヴァーナ(涅槃)解脱・・・アーカーシャ・・・物質は生きている・・・盲目的な信仰は期待されていない・・・絶滅が、何を意味するか

 

  第四十七章

 秘密の書『ラム-リンの書』と『ジャーンの書』

 

  第四十八章

 アミタブッダ、観世音、観音―『ジャーンの書』とツォンカパは何と語ったか

 

  第四十九章

 中国のツォンカパ・・・失われた言葉・・・チベットの予言

 

  第五十章

 いくつかの誤解の修正・・・仏教の誤説・・・神秘的な地・・・不合理な結論・・・唯物論的な東洋学者・・・チベットにおける仏教の導入

 

  第五十一章

 『目の教義』と『ハートの教義』・・・スウェーデンボルグの主張・・・『誰か』なる神・・・いまだに誤説・・・アリーヤサンガ

 

 

 オカルト哲学に関する論文

   論文−1

 ノート・・・警告・・・ロータスの中の宝石・・・ピタゴラスの三つ組・・・七つの符合する内容・・・諸人種と人間の相関関係・・・人間そしてロゴス・・・宇宙、スピリチュアル、そして身体のセンター・・・女性とアルケミー・・・音と色・・・一週間への曜日の割り当て

 

   論文−2

 ひとつの説明・・・占星術と月の週・・・見える音、そして聞こえる色・・・惑星そして人間の身体・・・惑星と能力・・・魔術師サイモンマグス・・・アイオーンのシリーズ・・・三倍のアイオーン・・・魔術と奇跡・・・魔術それは神の科学・・・七つの階層・・・起源・・・色と本質・・・原初的七・・・階層と人・・・知恵と真実

 

  論文−3

 オカルトの秘密・・・自然の光と暗闇・・・自然の良い性質フォース・・・『七つの本質』・・・オーリック卵・・・七つのタットワのうちの五つ・・・タットワ・・・エソテリックとタットワのタントラ表・・・ハタ・ヨーガとラージャ・ヨーガ・・・第七の感覚の目ざめ・・・マスター・チャクラ・・・人間ハープ(竪琴)・・・マナスの二元性・・・生と死者・・・利益を得ている不死・・・光と生命・・・二つのエゴ・・・魂の死・・・低位魂の転生・・・入り口の上の居住者・・・言葉・・・神聖な目撃者・・・付録・・・マントラ熟練者・・・色とスピリチュアルな音・・・音階・・・口伝の覚書・・・入り口の上の居住者・・・恐れと憎悪・・・三角形と四つ組・・・プラーナとアンタカラナ・・・身体の聖なる中心・・・アーカーシャは自然のレコード盤・・・宇宙意識・・・アストラル界の分割・・・宇宙界・・・分化・・・人々とピトリ・・・想像力のパワー・・・周期の戻りとは何か・・・タラスとロカス・・・意識の階級 ・・・人のロカス・・・スヴァローカにあるヨーガ行者たち・・・意識と自己意識・・・意識の目盛・・・振動と印象・・・キリストスの磔・・・頭上へ昇る・・・キリストとアポロニウス・・・創生・・・カルマ効果・・・クリヤシャクティの火・・・責任とエゴ・・・アストラル体の機能

  

   ------------------------------------------

 

追記・・・第五十一章より後に書かれている論文について(原書から抜粋・翻訳)

 H.P.Bによって書かれた論文1,2,3は、私的に編纂されて生涯にわたって使用されており、これらは先々出版するという考えで書かれていました。論文1,2,3は一般読者のためというよりも学徒向けのものであり、慎重な研究と思案に報いるものです。 『口伝の覚え書』は彼女の数人の弟子によって書きとめられて、彼女によって部分的に修正されましたが、それらは断片的な特徴を和らげる試みはありませんでした。彼女は最初に書きとめたものを基にして、それらに類似した論文を作るつもりでしたが、健康を害していて不可能でした、そのような状況なので、限られたサークルのみに公開を制限することを条件とする彼女の意見に弟子たちは同意して公開することになりました。

 

アニー・ベサント

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 ☆原書として、Kessinger Pub Co【Occultism Of The Secret Doctrine】 を参照しました。

 

【秘密教義】第二巻 人類発生論 目次

第二巻 人類発生論

 予備ノート

  太古のスタンザと先史時代の四大陸

  永遠の神聖な地

  ヒュペルボレア大陸

  アトランティス大陸

  北極は熱帯だった

 

 第一部 人類発生論

  ジャーンの書からのスタンザ

 スタンザ1.知覚をもつ生命の始まり

   人間、即ち第三のロゴス 

   人類を見張る天の統治者たち

   親なる星々と姉妹諸惑星

   三種の光

   創造の回数

   天における最初の戦い

   ノアの大洪水前の二人の天文学者

 スタンザ2. 援助を受けなかった自然は創造に失敗する

   混沌の怪物たち

   『二重のドラゴン』

   炎たちとはだれのことか?

   ヒンドゥーバラモン(ブラフミン)たちの年代学

   不死の種族

   宇宙創生論、聡明な計画

 スタンザ3. 人を創造しようとする試み

   創造に携わる者たちのさまざまな階級

   人間は、動物の姿をした神である

  『火』、『火花』、そして『炎』

 スタンザ4.第一根本人種の創造

   神々とデーモンたちのピトリたち

   プロメテウスは何を象徴しているか?

   トールのハンマー

   神聖な反乱

   人間の父なる太陽

 スタンザ5. 第二根本人種の創造

   ヒラムの秘密活動

   根本人種の副産物

   レダ、カスト-ルとポルックス

   両性具有者ヤハウェ

   ユダヤの神の名

 スタンザ6. 『汗-生まれ』の者たちの発達

   両性具有者たちの自己増殖

   無垢な第三根本人種

   大洪水とノアについての若干の話

   さまざまな洪水

   箱船の象徴

   1800万年前に人間は存在していたか?

   自発的な世代

   プラーナ文献による太陽系

   炭酸の大洋?

 スタンザ7. 亜神性なる者から最初の人種まで

   モナドと周期

   暗示的説明  

   催眠術をかけられた聖者

   『汗-生まれ』の者と両性具有者たち

 スタンザ8. 哺乳類の進化、最初の堕落

   太古の動物学 

   マインドをもたない人間たちの罪

  これまで述べた事に対する、いかなる反論があるか

 スタンザ9. 人間の最期の進化

   中国の毛深い人々

   両性の分離

   最初の言語

  楽園、ヘビたち、そしてドラゴンたち

   大学としてのエデンの園

   空飛ぶラクダたち

   魔術の二つの学校

   飛翔するドラゴンたち

  神の子たちと聖なる島

   アトランティスの魔術師たち

 スタンザ10. 第四人種の歴史

   マヤ族のあいだに伝わる神秘

   サタンの神話

   マハスラとサタン

   人間は、神の淡い影である

   ヴァシシュタの呪い

  プラーナ文献と聖書の創世記にある太古の教え

   脚のない地面を這うものから人間へ

   人類と動物の胎児の起源

  初期の根本人種の展望

   当然の『堕落』

   クロノスが象徴するもの

 スタンザ10. 続き

   ゴールデン・エイジ(黄金時代)

   デビルたちの外見は人間

   巨人族は作り話か?

   七名の無垢な若者

   チベットのリリト

   根本人種のすべてが人間とはいえない

  第三の目をもつ種族

   オカルト生理学

   目の進化

   第三の目は、今では松果腺になっている

  人類の最初のマヌたち

   最初の四つの根本人種

   『魚』の秘教的な意味

 スタンザ11. 第四・第五人種の文明と崩壊

   人類の堕落

   アトランティスは今では海床になっている

   気象変動

   象徴の読み方

   大洪水前のブッダたち

  一つ目巨人族の滅亡と巨人族の証としての巨石建造物

   生きて、話し、うごく巨石たち

   神は人になる

 スタンザ12. 第五人種とその神聖な教師たち

   天文学的なドラゴン

   異なる象徴体系におけるヘビとドラゴン

   恒星と宇宙の象形文字

   私たちの聖なる指導者たち

   サタン的神話の起源

   ノアはカビルであった、それゆえ、ノアはデーモンだったはず

   極地と水没した諸大陸についてのペルシア最古の伝説

   ギリシアとプラーナ文献の伝承に基づく西欧の考察

   哲学的観点から見た『呪い』

 補足 スタンザ12からの詩句についての注釈からの断片

   アトランティスについての最古の記録

   アトランティス滅亡

   根本人種、亜人種、そして民族

 むすび

 

  第二部 世界-宗教における太古の象徴

 あらゆる聖典のなかに確認される秘教の教義

 16. アダムーアダミ

     カバラ的な四人のアダム

 17. 『至聖所』、その荒廃

     キリスト教の象徴

     『四つ顔』のブラフマー

     古いヤハウェと新しいヤハウェ

 18. 『堕天使』の神話、そのさまざまな面について

     邪悪な霊とは: 誰なのか、何者だろうか?

     光の神々は闇の神々から現れた

    『天の戦い』の多くの意味

 19. プレローマはサタンの隠れ家なのか?

     ヤハウェの名をかたる霊

     大いなる神秘

     ロゴスとサタンは同一存在

 20. 巨人プロメテウス

     彼の起源は古代インドにある

     彼があたえた恩恵

 21. エノイキオン―エノク

 22. 神秘名イアオ(IAO)とヤハウェの象徴

     十字と円

     物質のなかへ転落した十字

 23. グノーシス派文献のなかのウパニシャド

     永くない時間

     神聖な自己の智慧

 24. 十字とピタゴラス学派のデカド(10)

     ポセイドンの五人の援助者たち

     数字6の神秘

     十字とキリスト教の後智慧

 25. ヘブドマド(7つ)の神秘

     サプタパルナ

     テトラクテュスと七角形の関係 

     ヴェーダ文献における七元素

     顕教の著作における七

     天文学、科学、魔術における七

     エジプト学者たちの七つの魂

 

  第三部 補遺:科学と秘密教義の対比

 1. 太古の人類学、あるいは現代の人類学のどちらか?

     オカルトと現代の教義

     科学は、あらゆる問題について沈黙する

 2. 人類の祖先は科学によって提案されている

     繁殖に見合った多様な方法

     猿人をさがせ

     柔軟に変化する魂と意識をもつ神経-細胞

     私たちの『父なるバティビウス』の原子

 3. 人間と類人猿の化石

     ダーウィン主義者の克服できない難問

     『痕跡器官』についての論争

     フェートゥスにおける『典型的な歴史』

     頭蓋骨の証拠

 4. 地質学的期間の長さ、人種の周期と太古の人間

     セイスの年代学の略図

  (a)地球の年齢についての考察

     アデプト―天文学者

  (b)諸惑星の連鎖とその多様性

     意識の諸状態

     聖書に書かれている諸世界

  (c)秘教的地質年代

     生命の平行性

     二つの科学の対比

     旧石器時代の(動物画家)ランドシア

     アストラル人間が解決策  

     カバラ主義者たちと科学

 5. 生物における組織の進化と創造の中心

     ディヤーニ・チョーハンたちと彼らの中心

  (a)哺乳類の起源と進化

  (b)ヨーロッパの旧石器時代の諸人種―何処へ、どのように広がっていったか

 6. 歴史に痕跡を残す巨人族、諸文明、そして海面下の諸大陸

     神秘的な国

     七つの安息日

     『啓示』と『秘密教義』

     ドルイドの石

     巨人族

     マズダー教の『七つの地球』

  (a)聖なる島々についての記述

     アトランティスの遺産

     神を生んだ地

     名前のパワー

     カエルスとテラの子たち

     ニオベと彼女の子たち

     時の諸周期

     幽閉された巨人族

 7. 海中に没した大陸がいくつかあったという科学的、地質学的な証拠

     地質学によって確認されたオカルティズム

     フローラの根拠

     民俗学にとって必要なアトランティス

     自らの頭上に落ちる正義の女神アストラエアー

     南洋の島々の間の相互交流

     言語の証拠

     ラゴンはフリーメイソンの象徴を説明する

     真理へのふさわしい前奏曲的な結末

  

  ーーーーーーーーーーーー   

【秘密教義のオカルティズム】 — 第9章 ヘルメスとカバラの教義、『カバラ』と『エノク書』など・・・(その3) 

  <初版1897年発行> 

  ーー 数と測り方。ーーー教義はあらゆるものに属している。ーー

 

         シークレット・ドクトリンのオカルティズム

            (第3巻) ― 第9章

 

                     H.P.ブラヴァツキー 原著

                                                        アニー・ベサント    編著

                                                  Aquamarith (ハテナ名)    訳

                <[角括弧]はアニー・ベサントによる追補>

                    <[各単語] はaquamarithによる追補>

 

 ◎数と測り方

 歴史はこうして古代の神秘に捕らわれ、後に19世紀の大スフィンクスになったのである。唯一、歴史がそれを認めるか否かにかかわらず、その謎を解き明かそうとする、あまりにも愚鈍な質問者を退ける代わりに、スフィンクスが水浸しにされて滅びるという、推測の海に分け入る前に、歴史は現代のオイディプスによって冒涜され叩き潰されるのである。これは出し惜しんだ末に開示されたのであろう、だが秘密の教えを貫いたこと、加えて真面目で学識のある象徴学者や幾何学者によって、今では明らかになったのである。

 シンシナティの教養のあるメーソン、ラルストン・スキナー氏が、「聖書のヤハウェ」の普遍的な神の謎を否定するような不信心な方法で、解き明かした著書が「ヘブライ・エジプトの神秘の鍵」である、さらにオハイオ州出身の、ある紳士を会長として4人の副会長を立てた学会が設立された。副会長のうちの一人は有名な天文学者でありエジプト学者でもあるピアッツィ・スミスである。

 

 スコットランドの王立天文台のディレクターであり、「ファラオ名のついた偉大なピラミッド、人道主義的事実とその驚異、神秘とその教え」の著者は、メイソンであるアメリカの著者と同じ問題を証明しようとしている、即ち英国の測量体系は、古代エジプト人がピラミッドを建設する際に使用したものと同じであるか、あるいはスキナー自身の言葉では、ファラオの『測量の基礎』が『イギリスのインチと古代のキュビット』を起源としていたというのである。そういった“起源”はもっと多くあり、"次の世紀の終わりまでに完全に実証されるだろう。

 

 西洋の宗教のすべてが測量、幾何学的図形、時間計算に関連しているだけでなく、主な存続期間は歴史的な人物殆どを基準にしている、しかし後者は実際に天と地なのであり、インド・アーリア人の天と地だけに関係していて、パレスチナのそれらではない。*(13)

 

 聖書に登場する、ほぼすべての人物の原型は、インド初期の神々に求めるべきである。それは、『マインド生まれ』のブラフマーの子たち、というよりディヤーニ-ピタラ(『父なる神々』)の子たち、『光の子たち』であって、彼らは『地球の子たち』 である族長を誕生させたのである。

 マナ・スムリティ[Mana-Smriti] が語っているように、リグ・ヴェーダとその3姉妹編ヴェーダが『火(アグニ)、空気(インドラ)、太陽(スーリヤ)から搾取された』、ものであり、旧約聖書は、一部はエジプト、さらにもう一部は - バーンズ・ケネディ大佐の言説によれば『起源から学ぶサンスクリット文学とバラモンの座』のようであり - バビロニアヘブライ・カバリストの最も独創的な頭脳から、まさしく『搾取された』ものであり、そのような転写の一つが、アブラムまたはアブラハムであって、それらの懐 - 『雲の中の天』即ちアブラとして局地化され -すべての正統派のユダヤ人が死後に集まることを望んでいるということであった。*(14)

 

 アブラハムからエノクのタローまで、かなり隔たりがあるようだが、両者は一つ以上の繋がりにより密接に関係している。ガファレルが示したように、七枚が三組 [即ち21枚]で構成されているタローの21番目 [『世界』のカード] の鍵となる4つの象徴的な動物は、アブラムの父テラが考案、崇拝し「ウリムとトンミム」の神託において用いられたユダヤ人のテラフィムである。さらに、天文学的にアブラハムは太陽-度量単位であり、太陽の一部であるのに対して、エノクはヘルメスやトートと同程度に太陽の運行年である。そしてトートは数値的に『モーセまたはヘルメスと同等であった』、『これらの下位領域の主も、知恵の教師として尊敬されていた』と同じメイソンの数学者が私たちに語った。

 そしてタローは、ローマ教皇の最新の教書によれば、『地獄の発明』 であり、メイソンリーやオカルティズムと同じであり、その関係は明らかである。タローは実際にそういった登場人物の恒星への変容およびその逆の謎を含んでいる。『エノクの輪』は古代の発明であり最古のものは、中国で発見されている。エリファス・レヴィによれば、そこには民族は存在しないが、それがあったと言う、その真の意味は、最高の秘密として保存されていた。それは普遍的な相続財産であった。

 

◎教義はあらゆるものに属している

 エノク書(彼の輪)も、ゾハールも、他のいかなるカバラ的な書も、ユダヤの知恵だけを含むものではないと、我々は見る。

 

  したがって、教義そのものは、幾千年紀の思想の結果であり、太陽のもとにある、すべての国のアデプトたちの共有財産である。それにもかかわらず、ゾハールは、その主題に関する他のどの研究よりも、実際的なオカルト主義を教える、ただしそれは、様々な多くの批評家によって翻訳されたのではなく、その余白に書かれた秘密の記号による教えである。

 それらの記号には隠された指示が含まれているのであり、それらは決してイニシエーションしなかったヨセフスが形而上学的解釈と明白な不条理を完全に信じ、彼がそれらを受け入れたように、滅んだ文字を信じて伝えた。*(15)

 

 脚注ーーーーーーー

*(13) 「グノーシス派とそれらの遺物」の著者C.W.キングは、その書の(13頁)で、ブラフマーとアブラムの名についてこのように述べた、『この人間、Seir Anpin、の姿は、243の数で構成されていて、‘アブラム’の名の諸文字は数的な価値を意味しており、天体の階層における序列を表している。実際には、ブラフマーとアブラムの名は数値的には同等である』

 このように、秘教の記号体系の心得の一つである、ローカ-パーラ*(八柱のヒンドゥー神によって擬人化された羅針盤の4つの主要な方位と、その中間の方位)にアブハラ- (マタンガ)という名のインドラの象と彼の妻アブハラムが見つかるが、何の不思議も見当たらない、見方によれば、アブハラは知恵の神である、なぜなら、シヴァによって切り捨てられた知恵の神ガネーシャ(ガナパティ)の頭に取って代わったのがこの象の頭だからである。

 今やアブラは“雲”を意味し、それはまたアブラムが、おそらく住んだであろう都市の名でもある。逆から読むと、『4つの都市であるアルバ(キルヤト)・・・アブラ[Abra]の綴のあとにmをつけたのがアブラム[Abram]であり、そしてアブラ[Abra]を逆から読めばアルバ[Arba]である。』(ヘブライ・エジプトの神秘の鍵)。著者はサンスクリット語でアブラの意味を『雲の中に(の)』と追加した、そのことでアブラムの宇宙天文学の象徴は一層明白になるからであろう。これらはすべてサンスクリット語の原本で読むべきである。

*(14)  これらの理論と推測を拒絶される前に - つまり我々がそのようなことを喜んで受け入れる前に – 次の幾つかの点を説明しておくべきである。(1)エジプトを去った後、エホバによって族長の名前がアブラムからアブラハムに変えられたのはなぜなのか。(2)なぜサライが同じ原則でサラになるのだろうか(創世記、17章)。 (3)名前の奇妙な偶然の一致はいつからなのか? (4)アレクサンダー・ポリヒスターは、なぜアブラハムがカマリナあるいはウリアといった占い師たちの都市で生まれ、天文学を創り出したと言ったのだろうか? (5)「アブラハムについての回想は、ヤコブの祖父より少なくとも3千年遡る」とブンゼンは言う。(歴史上でのエジプトの位置、五章35)

*(15)  イシス・アンヴェールド、第二巻 p350.

 

 第3巻第9章 終わり

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☆原書として、Kessinger Pub Co【Occultism Of The Secret Doctrine】 を参照しました。