H.P.B.著作の和訳を試みる & 関連の話題 blog

ヘレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー (1831年 – 1891年) は、近代神智学を創唱しました。・・・主に彼女の代表作である「シークレット・ドクトリン」の和訳を試みています。

神智学の大海  序文

 <初版1893年発行>

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      序 文

 本書では、ごく普通の読者が理解できるように神智学について述べることを試みている。大胆な主張というものは作者の知識に基づくが、それと同時に、書かれていることへの責任が、作者自身にあることは明確に理解されるべきである、神智学協会、およびそのメンバーたちの中には、本書の中で述べられていることや、私が設定したものを受け入れない者もいるかもしれない、即ちそれは、それほど良い神智学徒もいないということである。各章にいきわたっていると考えられる、定着した論調の傾向は、ドグマ的、あるいは奇抜な考えの結果ではなく、証拠および経験に基づく知識からの流れである。

 神智学協会のメンバーたちは、特定の理論や教義が行なわれていないことを認識するであろう。なぜならば、それは彼らが不当に本の内容を拡張し、不必要な論争を起こしてしまうような扱いをした為である。

 「意志」の主体は、その力や能力が隠されており、微妙で、エッセンスとしては発見できず、可視なだけであるため、論じられてはいない。それは絶対的に色が無く背後の欲望に一致して道徳的な質が変化する、即ち、それは我々の知識なしで頻繁に変動する。それは霊性と欲望から離れたその中で、人間の下のすべての王国で作用するので、それを尋ねることによって得られるものは何もないのである。

 この本の独創性を私は主張しない。私はそれを考案しておらず、まして見つけ出してはいない、私が教えられ、そして立証されたことを単に書きとめただけである。したがって以前から知られていたものを差し出すだけのことである。

    ウイリアム・クァン・ジャッジ

 

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 ☆当ブログ管理人より、神智学協会の分裂についての簡単な説明をします、1891年、ブラヴァツキー夫人(以下敬称省略)が亡くなり、後継者としてアニー・ベサント(1889年神智学協会に入会)が指名されたといわれていましたが、後継者をめぐり権力闘争になりました。

 1895年、米国のW.Q.ジャッジはインドのH.S.オルコットとA.ベザントと決別し、ジャッジは「米国神智学協会」を設立し神智学協会は分裂しました。その分裂以降、オルコットとベサントの率いるインド、欧州の派閥はアディヤール派と呼ばれるようになりました。

 1896年、米国神智学協会を率いたジャッジが死去し、キャサリン・ティングリーがその運営を引き継ぎ、ポイント=ローマ派と呼ばれるようになり、現在は神智学協会パサディナと呼ばれています。 <ウイリアム・クァン・ジャッジ(1851年4月13日 –1896年3月21日)>

 ☆ウイリアム・クァン・ジャッジ著「神智学の大海」の邦訳は、他の方がブログに掲載されておられましたが、残念なことに一般公開が中止になっています、そこで当ブログで序文や概略を翻訳して掲載することにしました。尚、本文は後日掲載するかもしれません。

 

 ☆ネオ神智学 (分裂の経緯がわかりやすい)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%AA%E7%A5%9E%E6%99%BA%E5%AD%A6  

H.P.ブラヴァツキーの名前が出てくる邦訳書ー地軸の変動、極について

☆地軸の変動

 シークレット・ドクトリン第二巻スタンザ―2に地軸の変動についての記述がある。それは・・・ 

 シュローカ5.・・・ 輪(車輪)は、30クロル(三億年)回転した。 それは形態を構築した、柔らかい石は 堅くなり、堅い植物たちは柔らかくなった。見えないものから見えるものが生まれ、昆虫たちや小さな生き物たちが生まれた。彼女(地球)は 彼らが母にはびこるたびに、それらを彼女の背中から振り落した**・・・30クロル(三億年)経った時、彼女は向きを変えた。 彼女は、仰向けに横たわった。 つぎに横向きになった・・・省略

 

 脚注・・・これは地軸の変動とそれにともなう混乱をさしている。この混乱のなかで、怪物、半人間、半動物などが生まれた。これは寓話ではなく、死者の書や、カルデアの創世記やポイマンドレースにも記されている。

 

 そしてスタンザ3,シュローカ11では・・・主たちの主*が来た。彼は彼女の体から水を切り離した、すると、それは上なる天に、つまり最初の天(大気、空気、或いは天球層)になった。

 

 ◎といったように地軸の変動の状態や物凄い天変地異の様子がはっきりと詩句にかかれている。

 

 ☆極について

 ヒュペルボレアや、極の移動、ブラヴァツキーの名前まで書かれている邦訳書は珍しい、ジョスリン・ゴドウィン著  「北極の神秘主義松田和也訳がその書である。(原書のタイトルは「ARKYOS」)

 今から20年ぐらい前に図書館で借りて読んだときに、この著者がなにを言おうとしているのかが、さっぱりわからずにすぐに返却したことがある、何年か経ってシークレット・ドクトリン第2巻の予備ノートを読んだ後に、再度この書を読み、やっと少しわかってきました。

 

 この邦訳書は極が主題であり、他にも黄金時代、ナチズム、スワスティカ、UFO、地球空洞説、地底都市シャンバラ、アガルタ、秘密結社、といったように取り扱う範囲は非常に広く、まとめようとしても、勉強不足な私にとっては難しく、興味深いが、続けて読むには大変なので気になっていた項目を時々、参照しようかしら?みたいな書でした。

 

地軸の変化

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 この邦訳書の内容のうち、ブラヴァツキーが語る7つの大陸、失われたヒュペルボレア、アトランティスの両時代に関する解説、その要約が解りやすく述べられているので、その箇所だけ転載します。

 

7つの大陸

1—現在の「マンヴァンタラ(何百万年もの期間)の最初の大陸は、「不滅の聖地」である。これについてはほとんど何も語ることはできないが、ともかくそれは「ひとつの破壊され得ぬ地殻であり、北極全体を覆っていた・・・」。これは人類の第一根源人種の故郷であるが、この第一人種は「巨大ではあったが、形も色もなく、ほとんど目に見えなかった」。この我々の最初の祖先は、物質ではなくエーテル的な体をもっており、傷ついたり死んだりすることはなかった(プラトンによる、死ぬことも子を生むこともない種族との類似が思い起こされよう)。

 

2—第二の大陸は北極から南と西に広がっていた。それはグリーンランドからカムチャッカに広がる馬蹄形の大陸で、パフィン湾まで含んでいた。その上に出現したのが第二根源人種で、これは怪物的な、両生具有で半人間的な存在であった。彼らは「物質的な自然が人間の形をとろうとした最初の試みであったが、その大部分は最初の大破局によって滅んだ。このとき、グリーンランドおよびその他の北方の「常春のエデン」は「ヒュペルボレアの冥府」に変わってしまった。

 

3—第三の大陸はインド洋からオーストラリアまでおよんでいたので、ブラヴァツキーは当時の地理学者の用語である「レムリア」を借用した。これは第三根源人種の時代、「神々が地上を歩き、自由に人間と交わっていた」とされる(黄金時代)である。レムリア時代の進展とともに、最初の真正なる人類が出現した。彼らは両生具有の卵生生物から、次第にふたつの性に分かれていった。これが「人類の堕落」である。約1800万年前のことであった。

 

4—レムリア人々に終焉が訪れ、生き残った人々は第四根源人種を生んだ。彼らの故郷はアトランティスである。アトランティス最古の種族は、善の人種と悪の人種に分かれた。彼らの大陸は約85万年前に沈んだ。

 

5—第五根源人種である褐色—白色人種(アーリア人)は、アジアに出現した。それ以来、多くの土地が現れては消えた。その最後のものがプラトンの言う「アトランティス」であり、これは約12000年前に沈んだ巨大な大陸の残片である。

 

6.7—あとふたつの人種が、現在の「マンヴァンタラ」の終わりまでに出現することになっている。

 

 ブラヴァツキーのもうひとつの主要な情報源であるヒンドゥー教聖典「プラーナ」ではヒュペルボレアの土地はスヴィタ=ドヴィーパ、すなわち「白き島」と呼ばれ、その神話的中心は須彌山である。「ハイマヴァトチャンダ」によれば、この山は四つの巨大な基壇をもっていたという。この内、東の基壇は黄金、南は鉄、西は銀、北は真鍮でできていた。そこからは四つの川が流れ出ているが、そのすべては北極星の近くのヴィシュヌの足元から流れ出す天のガンジスに端を発する(聖書のエデンを流れていた四つの川を思い起こされよう)。ブラヴァツキーによれば、この聖なる土地は「各々の(周)を通じてマンヴァンタラの初めから終わりまで続く唯一のものである」——そしてこの(周)とは、おそらく四つの時代の金属でできた四つの支柱によって象徴されている。

 

以上転載いたしました。

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工作舎HP

http://www.kousakusha.co.jp/DTL/hokkyoku.html より目次等

   北極の神秘主義[詳細]

 

   人類の記憶に刻まれた「極の元型」の封印を解く!

  

   太古、満天の星空が遙か北の一転を中心に回転していることに

   人類が気づいて以来、われわれの心の奥深くに住み着き、

   精神史の中に隠れた流れを形成してきた「極の元型」の記憶。

   それは天の、地球の両極にまつわる観念を集積し、

   古今の宗教やオカルト哲学に神々しいヴィジョンを提供する一方、

   異端科学のさまざまな思想を編み上げてきた。

   そしてナチスを優越人種の幻想に駆り立てたのも、

   この「極の元型」がもつ強大なエネルギーだった!

 

 

   ■目次より ▲

   第1部 ヒュペルボレアにて

   第1章 黄金時代

   地球の失われた時代/時代の周期

   第2章 不滅の聖地

   ブラヴァツキーの七つの大陸/ゲノンのヒュペルボレア論/ジャン・フォールの秘教年代学

 

   第2部 北極光

   第3章 北極の原郷

   バイイの北方文化説/ウォレンの極の楽園説/ティラタの北極原郷

   第4章 アーリア人の神話

   アーリア人の優越性/アーリア主義と神智学/アーリア人のさまざまな原郷

   第5章 トゥーレ協会

   トゥーレの復活/ロシアのスワスティカ/ナチズムのオカルト的源流/監視者(ヴェイユール)たち/20世紀の神話/ユリウス・エヴォラ

   第6章 黒騎士団

   人ランディヒのトゥーレ主義小説/黒騎士団を追って/セラノは総統を賛美する/死者との進軍:ジャン・パルヴレスコの場合

 

   第3部 隠された地

   第7章 アガルタと〈北極星

   アガルタ神話の起源/サン = ティーヴ・ダルヴェドール/極の同胞団/シャラトンのブラフマトマ

   第8章 シャンバラ

   チベットのシャンバラ観/ゴビのシャンバラ/リョーリョフ一家/シェイヴァー・ミステリー

   第9章 極点の穴

   地球空洞論小史/サイコメトリストと予言者たち/現代の地球空洞論者たち

   第10章 南極大陸

   南極の神話/ポオ、ヴェルヌ、ラヴクラフト/北と南の極性

   第8章 シャンバラ

   チベットのシャンバラ観/ゴビのシャンバラ/リョーリョフ一家/シェイヴァー・ミステリー

 

   第4部 復活のアルカディア

   第11章 象徴の極

   ジョン・オニールの極の神話解読/スワスティカ/カドゥケウス/天の意志

   第12章 太陽の伝説と極の伝統

   ゲノンの黄道12宮仮説/黄道12宮の始まり/ミトラス教/諸天球の上昇

   第13章 霊極

   アンリ・コルバンによる神智学解釈/ダンテと〈極の伝統〉/二つの伝統とその危険性/地下の流れ

 

   第5部 傾斜

   第14章 激変論者たち

   ギリシア哲学者たちの地軸傾斜観念/地球の神聖理論/初期の科学理論/彗星による洪水/月の接近

   第15章 斉一論者たち

   黄道傾斜角測定の変遷/モンマルトルの予言者/ノリッジ靴屋/現代の地質学理論

   第16章 複合理論

   ランドルフとドレイソンの破局理論/ブラヴァツキーの破局史/バビュスとサン = ティーヴ・ダルヴェドール

   第17章 さまよえる極理論

   大陸移動説小史/現代の地質学理論

   第18章 復興/救済

   極移動に関する科学の公式見解/極移動の予言

 

   ■著者紹介:ジョスリン・ゴドウィン Joscelyn Godwin 1945-

   ▲

   イギリス出身の音楽史家。1966年にアメリカに移り、コーネル大学でPh. D. を取得。現在はコルゲート大学の音楽教授をつとめる。ピュタゴラス以来の音階的宇宙論への関心から、比較宗教学の領野も縦横に渉猟する。

   邦訳書は『キルヒャーの世界図鑑』『星界の音楽』『音楽のエゾテリスム』(以上工作舎)、『交響するイコン』『図説 古代密儀宗教』(以上平凡社)がある。

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【秘密教義】第一巻から第三巻&関連の話題のURL

 

【秘密教義】第一巻 宇宙発生論

  スタンザ1
   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/06/12/204743

  スタンザ2

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/06/15/185754

  スタンザ3

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/06/19/072628

  スタンザ4

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/06/22/081016

  スタンザ5

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/06/25/202344

  スタンザ6

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/06/28/160902

  スタンザ7

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/07/01/110426

 

【秘密教義】第二巻 人類発生論 

 目次 

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/05/06/182718

 第一部

  予備的ノート(1)

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/03/144820

  予備的ノート(2)

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/03/152845

 

  スタンザのみ

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/02/25/142328

 

  スタンザ+抄訳1〜6

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/02/28/102515

  スタンザ+抄訳7〜12

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/02/094823

 

  《結論》より

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/12/132056

 

 第二部

   18章『堕天使』の神話、そのさまざまな面について(1〜4)

   (1) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/15/141504

   (2) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/27/165049

   (3) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/01/182437

   (4) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/01/184035

 

  21章 エノイキオン — へノック(1〜5)

   (1) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/13/143605

   (2) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/17/133140

   (3) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/18/105310

   (4) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/21/223225

   (5) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/25/085851

 

 第三部

  6章 歴史に痕跡を残す巨人族、諸文明、海面下の諸大陸。(1~4)

   (1) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/05/180000

   (2) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/09/161620

   (3) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/13/113842

   (4) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/14/083508

 

【秘密教義のオカルティズム】第三巻

 目次 

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/05/11/094153

 

 8章「エノク書」、エノクについて (1〜5)

   (1) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/03/195805

   (2) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/04/121251

   (3) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/08/134301

   (4) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/11/125205

   (5) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/12/130617

 

 第9章 ヘルメスとカバラの教義(1〜3)

   (1) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/25/085851

     (2) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/26/154544

     (3) https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/04/27/073818

 

 

関連の話題

 「人類が神になる日」byデニケンから、そして・・・秘密教義・宇宙発生論スタンザより・・・

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/04/142130

 備忘録ー初期神智学文献

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/03/02/205850

 

   H.P.ブラヴァツキーの名前が出てくる邦訳書ー地軸の変動、極について

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/05/19/210118

 

 神智学の大海  序文

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/05/31/221504

 神智学の大海  概略

   https://aquamarith.hatenablog.com/entry/2018/05/31/222324

【秘密教義のオカルティズム】 目次

 シークレット・ドクトリンの第3巻だといわれている「シークレット・ドクトリンのオカルティズム」の目次です。一つの項目ごとに一行使用すると四百五十行にもなってしまうので、序文、各章、論文ごとに、まとめて記載しました、項目ごとの区切りには「・・・」を使用しています。

 

 

  序文

 全ての聖典への一つの鍵・・・仮説は証明されなければならない・・・プラトンの教えの精神・・・自己矛盾をしている批判・・・アンモニウス・サッカスの人柄・・・ピタゴラスの継承者プラトン

 

  第一章

 予備的概説・・・中国の保護者たち・・・魔術のA.B.C.・・・魔術は、人類と同じくらい古い・・・知恵の木・・・オカルティズムは時代に勝利しなければならない・・・黒魔術実践・・・黒魔術と催眠術・・・自らの業績の上に立つ哲学

  

  第二章

 現代の批判と古代の批判・・・真の科学者に全ての敬意を払う・・・神話とは何か?・・・カルデア神託

 

  第三章

 魔術の起源・・・ヘルメスの文書・・・魔術の起源は何であろうか・・・シュロスのペレキュデース・・・数学的そして擬人感的な観点から見たカイン

 

  第四章

 イニシエート(秘儀参入者)の秘密・・・顕教の教えと秘教の教え・・・『創世記』の起源・・・聖書の『暗い格言』・・・かつてなされた完全犯罪・・・アジアの宗教は秘教の教えを公開している・・・智恵の宗教

 

  第五章

 秘密である理由・・・実践的なテウルギー(降神術)の鍵・・・存在のはしご・・・アデプト(熟達者)への 三つの道・・・人間は神である・・・イエスは輪廻を説く

  

  第六章

 実践魔術の危険性・・・名はシンボルそのもの・・・三母・・・聖書と言葉の奇術・・・モーゼとユダヤ

 

  第七章

 新しい瓶に入っている古いワイン・・・本物の前に現れた模造品・・・盗んだのは誰?・・・『聖書』の本性

 

  第八章

 『エノク書』・・・キリスト教の起源と基礎・・・『エノク書』とキリスト教・・・エノクは、人種を記している・・・象徴的『エノク書』・・・オカルティストは、『聖書』を拒まない

 

  第九章

 ヘルメスとカバラの教義・・・『カバラ』と『エノク書』・・・数と測り方・・・教義はあらゆるものに属している

 

  第十章

 アルファベットと数の、様々なオカルト体系解釈・・・数字と魔術・・・神と数字・・・世界言語

 

  第十一章

 中心点がある六芒星、即ち第七の鍵・・・オカルトの武器

  

  第十二章

 宗教に対する真のオカルティストの義務・・・キリスト教徒と非キリスト教のアデプト(熟達者)たち

 

  第十三章

 後のキリスト教アデプト(熟達者)たちと、その教義・・・不当な批判・・・永遠なる二つの立場

  

  第十四章

 シモンと彼の伝記作者イッポリット・・・崩れたバランス・・・『石』が『証拠』である

 

  第十五章

 聖パウロ、現代キリスト教の真の創始者・・・イニシエートたちによる法の廃止・・・パウロは、シモンに替わった

  

  第十六章

 ペテロは、イニシエートではなくユダヤ人のカバリスト・・・ペテロの座

 

  第十七章

 ティアナのアポロニウス・・・神秘的な教師・・・アポロニウスは滅びない・・・アポロニウスに関するメルヴィルの見解 ・・・アポロニウスは架空の人物ではない

 

  第十八章

 アデプトの伝記に隠されている事実・・・イエスとアポロニウス・・・イニシエート達の伝説・・・伝説の類似性・・・キリストの正体・・・重大な誤訳・・・イエスの秘密教義・・・十字架と受難 ・・・イエスの物語・・・原初的な女性・・・福音書カバラ的読み方・・・普遍的な教え

 

  第十九章

 アンティオキアの聖キプリアン・・・アンティオキアの魔術・・・妖術使いが聖者になった

 

  第二十章

東洋のグプタ・ヴィデヤー(隠れた智恵)とカバラ・・・神秘のなかの神秘・・・『ゾハール』の著者・・・カルデア人ヘブライ人・・・最初の人々・・・歴史に記されない多くの出来事・・・真のヘブライ語は失われている・・・ヘブライ語の秘教性は、原初的ではない・・・宝のなかの宝・・・一の中の三、と四・・・ 七つのセフィロト・・・盲人が盲人を導いている

 

  第二十一章

 ヘブライの寓話・・・ヘブライ人の聖書は存在しない・・・ヘブライ人のうちの幾人かはイニシエート・・・神の七つの創造・・・全ての寓意を解く七つの鍵・・・七つの創造に関するスタンザジェラルド・マッシーの言説・・・父と母

 

  第二十二章

 『ゾハール』における創造とエロヒム・・・建築者としての天使たち・・・エロヒムとは誰のことか?・・・モナド、一対と三つ組 ・・・創造者なる神・・・ホストである神

 

  第二十三章

 オカルティストとカバリストについて、何を語るか・・・太陽の神秘

 

  第二十四章

 科学とオカルト天文学における現代のカバリストたち・・・海王星の位置づけ・・・無からの創造・・・星に天使は住んでいるか?

 

  第二十五章

 東洋と西洋のオカルティズム・・・原初物質・・・大いなる深み・・・創世記における混沌・・・人類の聖書・・・混沌は神であり、しかもコスモスである・・・百八(つ)

 

  第二十六章

 偶像とテラフィムたち・・・テラフィムによる占い棒の発見・・・ヤハウェとテラフィム・・・月の偶像

 

  第二十七章

 エジプトの魔術・・・パピルスの証拠・・・象徴とその解読・・・再生と移住・・・エジプトのホウス ・・・エジプトにおける憑依・・・魔術における二つの儀式・・・不思議な像・・・ローマ人―誠実な者たち

 

  第二十八章

 神秘の起源・・・天界を垣間見る・・・民衆の宗教的意識の成長・・・真の司祭意識・・・エジプトの司祭者たち・・・公開と隠蔽・・・アトランティス人たちの退化

 

  第二十九章

 太陽イニシエートの試み・・・ヴィスヴァカルマとヴィカルタナ・・・光の伝播・・・メイソンリーとイエズス会

 

  第三十章

 『太陽イニシエート』の神秘・・・神としての太陽

 

  第三十一章

 神秘の対象・・・神顕現と諸神秘・・・メイソンリーと神秘

 

  第三十二章

 神秘の痕跡・・・キリストスとキレストス・・・ナラダの象徴体系・・・エジプト人のイニシエーション・・・自らを供物にする犠牲者・・・オルフェウス

 

  第三十三章

 ヨーロッパにおける最後の神秘・・・失読症とビブラクテ ・・・エジプトの教え

 

  第三十四章

 後のキリスト教徒が継承する神秘・・・根本人種・・・偽グノーシス派・・・アンモニオスの教え・・・苦難と危険・・・新プラトン学院

 

  第三十五章

 太陽と星々の象徴・・・円舞・・・キリスト教徒の星辰崇拝・・・征服者ミカエル・・・キリスト教の太陽神

 

  第三十六章

 ペイガン(異教徒)の恒星崇拝と天文学・・・惑星天使・・・天の車輪・・・プロメテウスの神秘

 

  第三十七章

 星の魂ー普遍的な太陽崇拝・・・キリスト教の星辰崇拝・・・他に類のない告白

 

  第三十八章

 占星術と星辰崇拝・・・占星術の防衛・・・占星術はその後の悪化した・・・卓越した弟子

 

  第三十九章

 周期と化身・・・成就されていない預言・・・周期の秘密

 

  第四十章

 周期の秘密・・・ナロス ・・・古代のヴェーダ・・・天の歌の証言・・・マッケイの議論

 

  第四十一章

 化身に関する教義・・・全ての化身は現れである・・・自発的な化身・・・枢機卿クザ・・・七光線・・・特別な機会・・・星界の高み

 

  第四十二章

 七つの基本原理

 

  第四十三章

 ブッダの神秘・・・シャンカラチャリヤ・・・ブッダは転生出来なかった・・・フラー説明・・・犠牲・・・シャンカラチャリヤは今もなお生きている

 

  第四十四章

 ブッダの生まれ変わり・・・ヴァジラダーラ・・・生きている仏たち・・・ヴェールの裂け目

 

  第四十五章

 ブッダの未発表の教え・・・誤った見解

 

  第四十六章

 ニルヴァーナ(涅槃)解脱・・・アーカーシャ・・・物質は生きている・・・盲目的な信仰は期待されていない・・・絶滅が、何を意味するか

 

  第四十七章

 秘密の書『ラム-リンの書』と『ジャーンの書』

 

  第四十八章

 アミタブッダ、観世音、観音―『ジャーンの書』とツォンカパは何と語ったか

 

  第四十九章

 中国のツォンカパ・・・失われた言葉・・・チベットの予言

 

  第五十章

 いくつかの誤解の修正・・・仏教の誤説・・・神秘的な地・・・不合理な結論・・・唯物論的な東洋学者・・・チベットにおける仏教の導入

 

  第五十一章

 『目の教義』と『ハートの教義』・・・スウェーデンボルグの主張・・・『誰か』なる神・・・いまだに誤説・・・アリーヤサンガ

 

 

 オカルト哲学に関する論文

   論文−1

 ノート・・・警告・・・ロータスの中の宝石・・・ピタゴラスの三つ組・・・七つの符合する内容・・・諸人種と人間の相関関係・・・人間そしてロゴス・・・宇宙、スピリチュアル、そして身体のセンター・・・女性とアルケミー・・・音と色・・・一週間への曜日の割り当て

 

   論文−2

 ひとつの説明・・・占星術と月の週・・・見える音、そして聞こえる色・・・惑星そして人間の身体・・・惑星と能力・・・魔術師サイモンマグス・・・アイオーンのシリーズ・・・三倍のアイオーン・・・魔術と奇跡・・・魔術それは神の科学・・・七つの階層・・・起源・・・色と本質・・・原初的七・・・階層と人・・・知恵と真実

 

  論文−3

 オカルトの秘密・・・自然の光と暗闇・・・自然の良い性質フォース・・・『七つの本質』・・・オーリック卵・・・七つのタットワのうちの五つ・・・タットワ・・・エソテリックとタットワのタントラ表・・・ハタ・ヨーガとラージャ・ヨーガ・・・第七の感覚の目ざめ・・・マスター・チャクラ・・・人間ハープ(竪琴)・・・マナスの二元性・・・生と死者・・・利益を得ている不死・・・光と生命・・・二つのエゴ・・・魂の死・・・低位魂の転生・・・入り口の上の居住者・・・言葉・・・神聖な目撃者・・・付録・・・マントラ熟練者・・・色とスピリチュアルな音・・・音階・・・口伝の覚書・・・入り口の上の居住者・・・恐れと憎悪・・・三角形と四つ組・・・プラーナとアンタカラナ・・・身体の聖なる中心・・・アーカーシャは自然のレコード盤・・・宇宙意識・・・アストラル界の分割・・・宇宙界・・・分化・・・人々とピトリ・・・想像力のパワー・・・周期の戻りとは何か・・・タラスとロカス・・・意識の階級 ・・・人のロカス・・・スヴァローカにあるヨーガ行者たち・・・意識と自己意識・・・意識の目盛・・・振動と印象・・・キリストスの磔・・・頭上へ昇る・・・キリストとアポロニウス・・・創生・・・カルマ効果・・・クリヤシャクティの火・・・責任とエゴ・・・アストラル体の機能

  

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追記・・・第五十一章より後に書かれている論文について(原書から抜粋・翻訳)

 H.P.Bによって書かれた論文1,2,3は、私的に編纂されて生涯にわたって使用されており、これらは先々出版するという考えで書かれていました。論文1,2,3は一般読者のためというよりも学徒向けのものであり、慎重な研究と思案に報いるものです。 『口伝の覚え書』は彼女の数人の弟子によって書きとめられて、彼女によって部分的に修正されましたが、それらは断片的な特徴を和らげる試みはありませんでした。彼女は最初に書きとめたものを基にして、それらに類似した論文を作るつもりでしたが、健康を害していて不可能でした、そのような状況なので、限られたサークルのみに公開を制限することを条件とする彼女の意見に弟子たちは同意して公開することになりました。

 

アニー・ベサント

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 ☆原書として、Kessinger Pub Co【Occultism Of The Secret Doctrine】 を参照しました。

 

【秘密教義】第二巻 人類発生論 目次

第二巻 人類発生論

 予備ノート

  太古のスタンザと先史時代の四大陸

  永遠の神聖な地

  ヒュペルボレア大陸

  アトランティス大陸

  北極は熱帯だった

 

 第一部 人類発生論

  ジャーンの書からのスタンザ

 スタンザ1.知覚をもつ生命の始まり

   人間、即ち第三のロゴス 

   人類を見張る天の統治者たち

   親なる星々と姉妹諸惑星

   三種の光

   創造の回数

   天における最初の戦い

   ノアの大洪水前の二人の天文学者

 スタンザ2. 援助を受けなかった自然は創造に失敗する

   混沌の怪物たち

   『二重のドラゴン』

   炎たちとはだれのことか?

   ヒンドゥーバラモン(ブラフミン)たちの年代学

   不死の種族

   宇宙創生論、聡明な計画

 スタンザ3. 人を創造しようとする試み

   創造に携わる者たちのさまざまな階級

   人間は、動物の姿をした神である

  『火』、『火花』、そして『炎』

 スタンザ4.第一根本人種の創造

   神々とデーモンたちのピトリたち

   プロメテウスは何を象徴しているか?

   トールのハンマー

   神聖な反乱

   人間の父なる太陽

 スタンザ5. 第二根本人種の創造

   ヒラムの秘密活動

   根本人種の副産物

   レダ、カスト-ルとポルックス

   両性具有者ヤハウェ

   ユダヤの神の名

 スタンザ6. 『汗-生まれ』の者たちの発達

   両性具有者たちの自己増殖

   無垢な第三根本人種

   大洪水とノアについての若干の話

   さまざまな洪水

   箱船の象徴

   1800万年前に人間は存在していたか?

   自発的な世代

   プラーナ文献による太陽系

   炭酸の大洋?

 スタンザ7. 亜神性なる者から最初の人種まで

   モナドと周期

   暗示的説明  

   催眠術をかけられた聖者

   『汗-生まれ』の者と両性具有者たち

 スタンザ8. 哺乳類の進化、最初の堕落

   太古の動物学 

   マインドをもたない人間たちの罪

  これまで述べた事に対する、いかなる反論があるか

 スタンザ9. 人間の最期の進化

   中国の毛深い人々

   両性の分離

   最初の言語

  楽園、ヘビたち、そしてドラゴンたち

   大学としてのエデンの園

   空飛ぶラクダたち

   魔術の二つの学校

   飛翔するドラゴンたち

  神の子たちと聖なる島

   アトランティスの魔術師たち

 スタンザ10. 第四人種の歴史

   マヤ族のあいだに伝わる神秘

   サタンの神話

   マハスラとサタン

   人間は、神の淡い影である

   ヴァシシュタの呪い

  プラーナ文献と聖書の創世記にある太古の教え

   脚のない地面を這うものから人間へ

   人類と動物の胎児の起源

  初期の根本人種の展望

   当然の『堕落』

   クロノスが象徴するもの

 スタンザ10. 続き

   ゴールデン・エイジ(黄金時代)

   デビルたちの外見は人間

   巨人族は作り話か?

   七名の無垢な若者

   チベットのリリト

   根本人種のすべてが人間とはいえない

  第三の目をもつ種族

   オカルト生理学

   目の進化

   第三の目は、今では松果腺になっている

  人類の最初のマヌたち

   最初の四つの根本人種

   『魚』の秘教的な意味

 スタンザ11. 第四・第五人種の文明と崩壊

   人類の堕落

   アトランティスは今では海床になっている

   気象変動

   象徴の読み方

   大洪水前のブッダたち

  一つ目巨人族の滅亡と巨人族の証としての巨石建造物

   生きて、話し、うごく巨石たち

   神は人になる

 スタンザ12. 第五人種とその神聖な教師たち

   天文学的なドラゴン

   異なる象徴体系におけるヘビとドラゴン

   恒星と宇宙の象形文字

   私たちの聖なる指導者たち

   サタン的神話の起源

   ノアはカビルであった、それゆえ、ノアはデーモンだったはず

   極地と水没した諸大陸についてのペルシア最古の伝説

   ギリシアとプラーナ文献の伝承に基づく西欧の考察

   哲学的観点から見た『呪い』

 補足 スタンザ12からの詩句についての注釈からの断片

   アトランティスについての最古の記録

   アトランティス滅亡

   根本人種、亜人種、そして民族

 むすび

 

  第二部 世界-宗教における太古の象徴

 あらゆる聖典のなかに確認される秘教の教義

 16. アダムーアダミ

     カバラ的な四人のアダム

 17. 『至聖所』、その荒廃

     キリスト教の象徴

     『四つ顔』のブラフマー

     古いヤハウェと新しいヤハウェ

 18. 『堕天使』の神話、そのさまざまな面について

     邪悪な霊とは: 誰なのか、何者だろうか?

     光の神々は闇の神々から現れた

    『天の戦い』の多くの意味

 19. プレローマはサタンの隠れ家なのか?

     ヤハウェの名をかたる霊

     大いなる神秘

     ロゴスとサタンは同一存在

 20. 巨人プロメテウス

     彼の起源は古代インドにある

     彼があたえた恩恵

 21. エノイキオン―エノク

 22. 神秘名イアオ(IAO)とヤハウェの象徴

     十字と円

     物質のなかへ転落した十字

 23. グノーシス派文献のなかのウパニシャド

     永くない時間

     神聖な自己の智慧

 24. 十字とピタゴラス学派のデカド(10)

     ポセイドンの五人の援助者たち

     数字6の神秘

     十字とキリスト教の後智慧

 25. ヘブドマド(7つ)の神秘

     サプタパルナ

     テトラクテュスと七角形の関係 

     ヴェーダ文献における七元素

     顕教の著作における七

     天文学、科学、魔術における七

     エジプト学者たちの七つの魂

 

  第三部 補遺:科学と秘密教義の対比

 1. 太古の人類学、あるいは現代の人類学のどちらか?

     オカルトと現代の教義

     科学は、あらゆる問題について沈黙する

 2. 人類の祖先は科学によって提案されている

     繁殖に見合った多様な方法

     猿人をさがせ

     柔軟に変化する魂と意識をもつ神経-細胞

     私たちの『父なるバティビウス』の原子

 3. 人間と類人猿の化石

     ダーウィン主義者の克服できない難問

     『痕跡器官』についての論争

     フェートゥスにおける『典型的な歴史』

     頭蓋骨の証拠

 4. 地質学的期間の長さ、人種の周期と太古の人間

     セイスの年代学の略図

  (a)地球の年齢についての考察

     アデプト―天文学者

  (b)諸惑星の連鎖とその多様性

     意識の諸状態

     聖書に書かれている諸世界

  (c)秘教的地質年代

     生命の平行性

     二つの科学の対比

     旧石器時代の(動物画家)ランドシア

     アストラル人間が解決策  

     カバラ主義者たちと科学

 5. 生物における組織の進化と創造の中心

     ディヤーニ・チョーハンたちと彼らの中心

  (a)哺乳類の起源と進化

  (b)ヨーロッパの旧石器時代の諸人種―何処へ、どのように広がっていったか

 6. 歴史に痕跡を残す巨人族、諸文明、そして海面下の諸大陸

     神秘的な国

     七つの安息日

     『啓示』と『秘密教義』

     ドルイドの石

     巨人族

     マズダー教の『七つの地球』

  (a)聖なる島々についての記述

     アトランティスの遺産

     神を生んだ地

     名前のパワー

     カエルスとテラの子たち

     ニオベと彼女の子たち

     時の諸周期

     幽閉された巨人族

 7. 海中に没した大陸がいくつかあったという科学的、地質学的な証拠

     地質学によって確認されたオカルティズム

     フローラの根拠

     民俗学にとって必要なアトランティス

     自らの頭上に落ちる正義の女神アストラエアー

     南洋の島々の間の相互交流

     言語の証拠

     ラゴンはフリーメイソンの象徴を説明する

     真理へのふさわしい前奏曲的な結末

  

  ーーーーーーーーーーーー   

【秘密教義のオカルティズム】 — 第9章 ヘルメスとカバラの教義、『カバラ』と『エノク書』など・・・(その3) 

  <初版1897年発行> 

  ーー 数と測り方。ーーー教義はあらゆるものに属している。ーー

 

         シークレット・ドクトリンのオカルティズム

            (第3巻) ― 第9章

 

                     H.P.ブラヴァツキー 原著

                                                        アニー・ベサント    編著

                                                  Aquamarith (ハテナ名)    訳

                <[角括弧]はアニー・ベサントによる追補>

                    <[各単語] はaquamarithによる追補>

 

 ◎数と測り方

 歴史はこうして古代の神秘に捕らわれ、後に19世紀の大スフィンクスになったのである。唯一、歴史がそれを認めるか否かにかかわらず、その謎を解き明かそうとする、あまりにも愚鈍な質問者を退ける代わりに、スフィンクスが水浸しにされて滅びるという、推測の海に分け入る前に、歴史は現代のオイディプスによって冒涜され叩き潰されるのである。これは出し惜しんだ末に開示されたのであろう、だが秘密の教えを貫いたこと、加えて真面目で学識のある象徴学者や幾何学者によって、今では明らかになったのである。

 シンシナティの教養のあるメーソン、ラルストン・スキナー氏が、「聖書のヤハウェ」の普遍的な神の謎を否定するような不信心な方法で、解き明かした著書が「ヘブライ・エジプトの神秘の鍵」である、さらにオハイオ州出身の、ある紳士を会長として4人の副会長を立てた学会が設立された。副会長のうちの一人は有名な天文学者でありエジプト学者でもあるピアッツィ・スミスである。

 

 スコットランドの王立天文台のディレクターであり、「ファラオ名のついた偉大なピラミッド、人道主義的事実とその驚異、神秘とその教え」の著者は、メイソンであるアメリカの著者と同じ問題を証明しようとしている、即ち英国の測量体系は、古代エジプト人がピラミッドを建設する際に使用したものと同じであるか、あるいはスキナー自身の言葉では、ファラオの『測量の基礎』が『イギリスのインチと古代のキュビット』を起源としていたというのである。そういった“起源”はもっと多くあり、"次の世紀の終わりまでに完全に実証されるだろう。

 

 西洋の宗教のすべてが測量、幾何学的図形、時間計算に関連しているだけでなく、主な存続期間は歴史的な人物殆どを基準にしている、しかし後者は実際に天と地なのであり、インド・アーリア人の天と地だけに関係していて、パレスチナのそれらではない。*(13)

 

 聖書に登場する、ほぼすべての人物の原型は、インド初期の神々に求めるべきである。それは、『マインド生まれ』のブラフマーの子たち、というよりディヤーニ-ピタラ(『父なる神々』)の子たち、『光の子たち』であって、彼らは『地球の子たち』 である族長を誕生させたのである。

 マナ・スムリティ[Mana-Smriti] が語っているように、リグ・ヴェーダとその3姉妹編ヴェーダが『火(アグニ)、空気(インドラ)、太陽(スーリヤ)から搾取された』、ものであり、旧約聖書は、一部はエジプト、さらにもう一部は - バーンズ・ケネディ大佐の言説によれば『起源から学ぶサンスクリット文学とバラモンの座』のようであり - バビロニアヘブライ・カバリストの最も独創的な頭脳から、まさしく『搾取された』ものであり、そのような転写の一つが、アブラムまたはアブラハムであって、それらの懐 - 『雲の中の天』即ちアブラとして局地化され -すべての正統派のユダヤ人が死後に集まることを望んでいるということであった。*(14)

 

 アブラハムからエノクのタローまで、かなり隔たりがあるようだが、両者は一つ以上の繋がりにより密接に関係している。ガファレルが示したように、七枚が三組 [即ち21枚]で構成されているタローの21番目 [『世界』のカード] の鍵となる4つの象徴的な動物は、アブラムの父テラが考案、崇拝し「ウリムとトンミム」の神託において用いられたユダヤ人のテラフィムである。さらに、天文学的にアブラハムは太陽-度量単位であり、太陽の一部であるのに対して、エノクはヘルメスやトートと同程度に太陽の運行年である。そしてトートは数値的に『モーセまたはヘルメスと同等であった』、『これらの下位領域の主も、知恵の教師として尊敬されていた』と同じメイソンの数学者が私たちに語った。

 そしてタローは、ローマ教皇の最新の教書によれば、『地獄の発明』 であり、メイソンリーやオカルティズムと同じであり、その関係は明らかである。タローは実際にそういった登場人物の恒星への変容およびその逆の謎を含んでいる。『エノクの輪』は古代の発明であり最古のものは、中国で発見されている。エリファス・レヴィによれば、そこには民族は存在しないが、それがあったと言う、その真の意味は、最高の秘密として保存されていた。それは普遍的な相続財産であった。

 

◎教義はあらゆるものに属している

 エノク書(彼の輪)も、ゾハールも、他のいかなるカバラ的な書も、ユダヤの知恵だけを含むものではないと、我々は見る。

 

  したがって、教義そのものは、幾千年紀の思想の結果であり、太陽のもとにある、すべての国のアデプトたちの共有財産である。それにもかかわらず、ゾハールは、その主題に関する他のどの研究よりも、実際的なオカルト主義を教える、ただしそれは、様々な多くの批評家によって翻訳されたのではなく、その余白に書かれた秘密の記号による教えである。

 それらの記号には隠された指示が含まれているのであり、それらは決してイニシエーションしなかったヨセフスが形而上学的解釈と明白な不条理を完全に信じ、彼がそれらを受け入れたように、滅んだ文字を信じて伝えた。*(15)

 

 脚注ーーーーーーー

*(13) 「グノーシス派とそれらの遺物」の著者C.W.キングは、その書の(13頁)で、ブラフマーとアブラムの名についてこのように述べた、『この人間、Seir Anpin、の姿は、243の数で構成されていて、‘アブラム’の名の諸文字は数的な価値を意味しており、天体の階層における序列を表している。実際には、ブラフマーとアブラムの名は数値的には同等である』

 このように、秘教の記号体系の心得の一つである、ローカ-パーラ*(八柱のヒンドゥー神によって擬人化された羅針盤の4つの主要な方位と、その中間の方位)にアブハラ- (マタンガ)という名のインドラの象と彼の妻アブハラムが見つかるが、何の不思議も見当たらない、見方によれば、アブハラは知恵の神である、なぜなら、シヴァによって切り捨てられた知恵の神ガネーシャ(ガナパティ)の頭に取って代わったのがこの象の頭だからである。

 今やアブラは“雲”を意味し、それはまたアブラムが、おそらく住んだであろう都市の名でもある。逆から読むと、『4つの都市であるアルバ(キルヤト)・・・アブラ[Abra]の綴のあとにmをつけたのがアブラム[Abram]であり、そしてアブラ[Abra]を逆から読めばアルバ[Arba]である。』(ヘブライ・エジプトの神秘の鍵)。著者はサンスクリット語でアブラの意味を『雲の中に(の)』と追加した、そのことでアブラムの宇宙天文学の象徴は一層明白になるからであろう。これらはすべてサンスクリット語の原本で読むべきである。

*(14)  これらの理論と推測を拒絶される前に - つまり我々がそのようなことを喜んで受け入れる前に – 次の幾つかの点を説明しておくべきである。(1)エジプトを去った後、エホバによって族長の名前がアブラムからアブラハムに変えられたのはなぜなのか。(2)なぜサライが同じ原則でサラになるのだろうか(創世記、17章)。 (3)名前の奇妙な偶然の一致はいつからなのか? (4)アレクサンダー・ポリヒスターは、なぜアブラハムがカマリナあるいはウリアといった占い師たちの都市で生まれ、天文学を創り出したと言ったのだろうか? (5)「アブラハムについての回想は、ヤコブの祖父より少なくとも3千年遡る」とブンゼンは言う。(歴史上でのエジプトの位置、五章35)

*(15)  イシス・アンヴェールド、第二巻 p350.

 

 第3巻第9章 終わり

ーーーーーーー

☆原書として、Kessinger Pub Co【Occultism Of The Secret Doctrine】 を参照しました。 

【秘密教義のオカルティズム】 — 第9章 ヘルメスとカバラの教義、『カバラ』と『エノク書』など・・・(その2)

  <初版1897年発行>

   ーー “カバラ”と“エノク書”ーー

 

       シークレット・ドクトリンのオカルティズム

            (第3巻) ― 第9章

 

                     H.P.ブラヴァツキー 原著

                                                         アニー・ベサント  編著

                <[角括弧]はアニー・ベサントによる追補>

                         <[各単語] はaquamarithによる追補>

 

 ◎“カバラ”と“エノク書

「イシス・アンヴェールド」*(7)の記述の中に、読者は「ゾハール」の著者、偉大なカバリスト、サイモン・ベン・ヨカイに関して、ここで掲げられる以上の豊かな情報を見つけるであろう。彼は秘密の知識と 『ことば』 を確実に受け入れるメルカバーを所有することが知られていた、その為に彼の生命は危険にさらされ、荒野に逃げなければならなかった、彼は忠実な弟子たちに囲まれ12年間洞窟に住んでいたが、その場所で予兆と驚異のまっただなか亡くなった。*(8)

  

 彼の「秘密教義」あるいは彼の言う「秘密の智慧」の起源に関する教えは、東洋で見つかるものと同じであり、例外は惑星の聖霊たち、即ち大勢の長に対して彼は 『神』と名付けたことであり、神自身がその知恵を、特定の数の「選ばれた天使たち」に最初に教えたと言っているのである、一方、東洋の教義では、その言い方は異なっている、

次にそれを見ていく事にする。

 

 私たちの前に、神聖な「エノク書」とタロー [(Taro)タロット(カード)のこと] (ロータ)に関する統合的でカバラ的な研究文献がある。 私たちは、ある西洋のオカルティストの写本のコピーから引用する、そしてそれは、次のような言葉で始められていた、

 

 一つの「法則」、一つの「本質」、一名の「行為者」、一つの「真理」、そして一つの「ことば」しか存在しない。上にあるものは下にあるものに似ており、あるものすべては量と平衡の結果である。

 

  エリファス・レヴィの格言と、この三つからなる碑文は、東洋と西洋の間の「秘密科学」に関して思想の一致を示している、同じ写本で語っているのは、

 

  隠された物事の鍵は、聖域の鍵である。これは「神聖な言葉」であり、アデプトにオカルティズムとその神秘への最高の道理を与える。それは哲学と教理の真髄である。それは「アルファ」であり「オメガ」であり、それは光、生命、そして普遍的な智慧である。

 

 聖なる「エノク書」のタロー [Taro] 、またはロータ [(Rota)タローの逆読み] は序文であり、さらに次のように説明がなされる。

  この書による太古の昔は、時間という闇のなかで失われた。この書はインド起源のものであり、モーセの時代よりはるかに遡る。・・・それは最初、純金と高価な金属で出来ていたが、後になって分散された葉の上に書かれていた・・・それは象徴的であり、それらの組み合わせは「霊」のすべての驚異にそれらを適応させた。 時代を経て変化したにもかかわらず – 奇妙なものに対する無知には感謝するしかない – なぜなら、その原型や最も重要な原初の外観が保存されていたからである。

 

 これは現在「エノク」の「タロー」と呼ばれる「エノク」の「ロータ」である、ド・メルヴィルは、これは『邪悪な魔術』のために使われた手段であり、『大洪水時の破壊から逃れた金属板 [或いは複数の葉]』 だと仄めかし、カインに帰するものとした、私たちも、そのように理解したのである。この「大洪水」が『普遍的』ではなかったという単純な理由により、それらは「ノアの大洪水」を免れたのであった。

 

 そして、それは『インド起源』と言われる、なぜならアトランティス最後の拠点が最終的​​に破壊される前の、「第五根本人種」の「第一亜人種」であるインド・アーリア人に、その起源があったからである。しかし仮に、それが原初のヒンドゥー教徒によって創られたとしても、それが最初に使われたのはインドではない。その起源はもっと古く、雪に覆われた山脈であるヒマーレを越えてまで、その跡を辿らなければならない。地理学者達とキリスト教神学者達の双方が絶望したのは、それが誰も見つけることができない神秘的な地域で起こったたということである - その地域は、バラモンの「カイラサ」がある場所「スメール山[須弥山]」、そしてギリシア人によってパロパミサスに変えられた「パミール」、即ち「パールヴァティ」の場所で生まれた。*(9)

  今もなお存在するこの土地の周辺で、エデンの園の伝承が確立された。これらの地域から、ギリシア人はパルナサスを手に入れた、そしてほとんどの聖書的人物がそこから登場していた、その一部は彼らの時代の人々のなかに、一部は半神たちや、英雄たちとして登場し - ごく僅かな一部が – 前者の天文学的な二役として – 神話の中に登場した。伝説によればアブラムはカルディアのブラフマンの一人であり、彼の神々を否定し、後にカルデアのウル(『町』?)を離れ、ア-ブラムス*(12)(あるいはア-ブラハム)『非-ブラーマン』に名を変えた後、移住した。

 

 アブラムが『多くの国の父』になったことは、このように説明される。オカルティズムの学徒が自らのマインドに留めておかなければならないことは、古代万神殿(聖書のそれも含む)のすべての神と英雄は、物語として相互に同時進行する三つの伝記をもっている、各々は英雄という特徴で - 歴史的、天文学的、完璧に神話的 – ひとつに結びついている、そして最初の二つの真実を一つ、あるいはそれ以上の象徴に集約させることが、物語のなかの荒々しさと不調和を取り除くことに役立っている。地域ごとに、天文学的、霊的な出来事さえ一致するようにされている。

 

脚注ーーーーーーー

*(8) 彼の死の際に起こったとされる驚異的な記録は多い、だが私たちは彼の死という言葉に対する言い換えをむしろ言うべきである。 彼は他の人のように死ぬことはなかった、そして突然姿が消えてしまった。眩しい光が洞窟内を光輝で満たしている間に、彼の体が降りたのが見えた。この天空の光によって、いつもの暗い洞窟が薄暗がりへと変わったとき、ギンズバーグは『イスラエルの弟子たちはイスラエルの灯具が消滅したと知っていた』と唯一述べている。彼の伝記作者は、彼の葬式の準備の最中に天から声が聞こえたと私たちに話した、そして彼の埋葬時の棺が準備された深い洞窟に降ろされたとき、炎が上がり、力強い威厳のある声でつぎの言葉を発した、「彼は地震を引き起こした、 王国は揺らめく!」と。

 *(9)  ポーコックが、ドイツ語の「天」、「ヒンメル」は「ヒマラヤ」から派生した言葉だとしたことは全くの間違いではなかったであろう。ギリシア語の天(コイロン)とラテン語の「コエルム」の父はヒンドゥーのカイラサ(天)であることも否定できない。

 *(10) ポーコックの「ギリシアの中のインド」、そしてパルナサス山の由来を、ヒンドゥー教徒禁欲主義者の枝や葉で出来た小屋、半分の神社、半分の居住地のパルナサとする彼の主張を参照。

『「パー・オ・パミサス(バーミアンの丘)の一部はパルナッソスと呼ばれている。』 これらの山々はデヴァニカ(大地の神々)と呼ばれている。なぜなら、それらは『地の神々』と呼ばれる神々やデーヴァたちで満ちているからである。プラーナ文献によれば、彼らは葉で作られた、パルナサスと呼ばれる小屋やあずまやに住んでいた。 (パルナス)、 "p.302。

 *(11) まさにローリンソンは、初期の神話とバビロンとカルデアの歴史に関するアーリア人ヴェーダの影響を確信している。

 *(12) これはシークレット・ドクトリンによる肯定であり、受け入れられるか否かはどちらでも良い。 アブラム、イサック、ユダは、ヒンドゥーブラフマー、イクシャヴァークとヤドゥに酷似している。

 

つづく

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 ☆原書として、Kessinger Pub Co【Occultism Of The Secret Doctrine】 を参照しました。